第十九部 第六章
暁と宗明は長い事、宗主代行の言葉で固まっていた。
怪傑ライ○ン丸が出てくると思わなかったのだ。
「あの……なんです? 怪傑ライ○ン丸って? 」
日葵が恐る恐る聞いた。
「知らないのか、あの名作をっ! 」
「その通りだ! 」
暁と宗明が騒ぐ。
「いや、知らない」
「お前たちの年代でも少し厳しいのでは? 」
日葵を宗主代行がフォローした。
「スペク○ルマンで人気を博した所が作ったヒーロー作品だぞ? 」
「宇宙猿○ゴリな? 」
「いや、それを知っている人少ないよ? 」
「何の話ですか? 」
日葵が突っ込んできた。
「最初は悪役を主人公にした宇宙猿人ゴ○だったんだ。それが公害問題をメインテーマにしたのでスポンサーに怒られて途中で改題して話も変更して宇宙猿人ゴ○対スペクト〇マンに変わる。そうしたら、敵役のスペクトルマンが人気出て、ヒーローものに変わって題もスペ〇トルマンになった」
「力技ですね」
日葵が素直に感想を呟いた。
「あのさ。娘と嫁が大変な状況になっているのに、何で、そんな話になっているの? 」
茂がマジで少しキレた顔で話す。
「すまんすまん。あまりに陸の変身が凄かったもんで? 」
「変身したんだ? 」
倒れてたので聞いてなかった茂が驚いた。
「怪傑ライオ〇丸だそうだ」
宗明が話すと茂は固まるのでなくキレた。
「何でそんな訳の分らん戦いをしている連中に巻き込まれて、うちの嫁と娘がぁぁぁぁ! 」
茂が絶叫した。
「まあ、落ち着け。何とかするから」
暁がそう抑える。
「まあ、娘と孫が大変なのに、申し訳ない」
そう宗主代行が頭を下げた。
「とにかく、助けないと」
「多分、こちらに来ると思う」
「その可能性が高いが問題がもう一つ出てな」
暁の言葉に宗主代行が続いた。
「何? 」
「まだあるんですか? 」
「もう一人神に洗脳されているのがいた」
「は? 」
「誰? 」
「神代四季だ」
「げ! 」
「あいつ、強いじゃん」
「無茶苦茶強かったですよね」
宗主代行の話を聞いて暁達が動揺した。
「いや、驚けよ。というかなんで一足飛びに強いとかの話になるんだ? 」
宗主代行が突っ込んだ。
「だって、一族で敵に回したら一番厄介な奴だし」
暁が困り果てた顔をした。
それを見て宗主代行がため息をついた。




