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第十九部 第四章

 その頃、必死に茂が嫁の御門弥生に連絡を取ろうとしたが、繋がらなかった。


 鏡を使用した特別な連絡方法で、それは神代家の持つ能力を使用した連絡方法だった。


「凜が乗っ取られたって話をするのは辞めておけ」


 そう暁が必死に止めていた。


「いや、しかし。娘の問題だぞ」


 その時にその鏡の連絡に宗主代行から連絡がある。


「子供の陸とやっとコンタクトがとれて、新しくまずい話が分かった」


 宗主代行が暗い表情で連絡した。


「何がまずいんですか? 」


「何かあったのですか? 」


 暁と宗明が聞いた。


「すまない。婿の貴方には迷惑をかける」


 宗主代行が率直に茂に頭を下げた。


「え? 」


 嫌な予感がして茂が呻く。


「神が一番最初に洗脳したのは弥生だそうだ」


「え? 」


「どうやら、嫉妬とか人の執着に対して共有の力は効きやすいらしい。あの子は自分が宗主になれると思っていたし、それを分家間の問題で貴方に嫁に行かせたのだが、それを恨みに思っていたようだ」


「それは知ってますが、それは凜を応援して宗主にしようという家族の話し合いで……」


「それで、本来はそういう干渉を弾けて防御できる凜自身の能力に弥生が教育と言う形で穴を開けたらしい。逆に凜が神の洗脳を受けやすいようにしてしまったようだ」


「つまり、最初から陸と戦うと神は見ていたという事ですか? 」


「そうらしい。覚醒したときに神が封印から出てこようとしたのを弾き返したようだ」


「それ、子供の陸の話ですか? 」


「ああ」


「最初から俺に話しておいてくれたらよかったのに」


「いや、神代家の神への忠義は半端ないからな。まだ子供の陸では誰に話していいかとかわからないだろうよ。まして、あの時に戦争になっていれば神代は間違いなく神についた」


 宗明が横から口を出した。


「なるほどな。となると、やはり、子供の陸は最初からこちらの世界に来て戦うために準備していたし、神も同じという事か? 」


「お前の言う通り、子供の陸を警戒していたんだと思う。姿を消して、目の前にさあ乗っ取れなんて置いてたら間違いなく陸の本体は罠だしな」


「ど、どうなるんだ? うちの弥生は? 凜は? 」


 茂が動揺した。


「とりあえず、うちのキメラと神人を屋敷に向かわせた。一旦、取り押さえないと何をするかわからん」


 そう鏡の中で宗主代行が呻く。


 その時に宗主代行の背後に白い着物を着て平伏するキメラ……赤目が現れた。


「どうした? 」


「逆に弥生様から反撃を受けたそうです。一部のキメラが同調しているようで、御門家は爆発炎上してます」


 赤目の言葉で茂が気絶した。


 


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