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第二部 第一章

 干し肉作業は意外と乾燥が早いので、思ったより、早く終わった。


 まだ乾いてない干し肉は炙らないで、干したままで後はいけそうだ。


 何しろ、大陸ドラゴン自体が空を飛んでいるので、それだけで乾くし。


 猫の寄生魔獣のサイズの特に大きいボスみたいなのは、見分けをつけるために智子の提案で陰ながら親分と呼ばれるようになった。


 その親分が干し肉の作業が終わったのを見計らって、陸達の所に来ると寝場所を案内してくれた。


 思った以上に気配りが出来るようだ。


 女神エルティーナの力もあるのだろうが、意志の疎通が出来ていない天音や健や智子にまで配慮しているのが分かる。


 そのあたりも見て陸が本当に魔獣が敵なのか、訝し気に感じていた。


 とはいえ、まだ弱小とか言われる寄生魔獣しか話をしていないので判断するのはまだ早いのだが。


 それでも、問答無用で人族を襲うとは思えなかった。


 教えてくれた寝る場所は木々の良く燃えるものでない大きな二つの木の間の洞を掘ったものだった。


 すでに50匹以上の猫の寄生魔獣がその中に入り込んで寝ていた。


 確かに中は暑かった。


 陸が懸念していたのは匂いともう一つで、匂いの方は陸達も寄生魔獣の身体に転生していせいか、あまり気にならなかった。


 猫でも犬でもどうしても独特な匂いはある。


 それが重なり合って寝るのなら、相当なものがあると思っていたのだが、それは拍子抜けするほど問題にはならなかった。

 

 そして、もう一つはノミなどの寄生虫だ。


 寄生魔獣が寄生虫と言うのも問題なのだが、この世界にいてもおかしくない。


 それを天音が騒いだら。


 それが今、陸にとって一番の問題であった。


 だが、天音にそれを釘刺す前に親分に紹介された寄生魔獣の猫達が寝ている場所にズカズカと入り込んで、先に寝ている猫達をマジマジと見ている。


「あちゃ」


 陸がそれを見て困った顔をした。


「ああ、ノミですか」


 智子がそれを見て即座に呟いた。


「ああ、なるほど」


 健も頷いた。


 陸がそれでため息をついた。


 あまり、せっかく招待された寝場所で天音に騒がれても困るので、そっと近づいて天音に釘を刺そうとした。


「……いないね……」


 天音が意外そうに呟いた。


「いない? 」


 ちょっと予想外で陸が驚いた。


「なんででしょう? 」


「本当に思ってたより寝場所が暑いよね。関係あるのかな」


 智子と健も不思議そうな顔をした。


 確かに、ドラゴンの体表が暖かいと聞いていたが、それ以上に暑かった。


 ひょっとしたら、寄生魔獣の猫同士が集まってるのもあるのかもしれないが。


 

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