第十七部 第六章
「まだ、戦いは続くから言えないよ」
「つまり、誰かの中に居たわけだな」
「いつもじゃないけどね」
子供の陸が宗主代行に苦笑した。
「では、人格の分離は大丈夫なのか? 」
「大丈夫」
子供の陸が笑った。
「微妙じゃないか? 子供の時の好戦的なとことか今は無いからな」
「うーん。でも本質的には変わらないんじゃない? 」
「馬鹿な事をするとこはそのまんまだがな」
大悟と天音がそれを聞いて言い合いをした。
「いや、まあ、とりあえず。どうするのかは宗主の双方で決めてもらわないと」
そう英明が突っ込んできた。
意外と冷静だった。
「「神を倒す! 」」
陸と子供の陸がハモった。
「子供の陸は気持ち悪がっているのは見てて分かったが、今の陸はどうなんだ? 」
大悟が禍津族の神人に支えられた陸に聞いた。
「いや、何というか、何度か扉を開けてチョッカイ出してきたから、なんとなく共有で分かったのだが……神代家の陰湿な部分を煮詰めたような性格をしているのが分かったから」
「あぅ」
「うぉ」
「おいおい」
「ひぇっ」
宗主代行と英明と月兎だけでなく岩魚まで悲鳴をあげた。
「ま、まあ。陰湿だって聞くからな。内部。こっちまで聞こえてくるくらいだから……」
「那智家の当主殿か? 」
「いや、当主かどうかは知らないけど、那智大悟です」
「そんなうわさが流れているんだ」
「結構」
「ううむ……。かなり改善したつもりだったのだが……」
「あれで? 」
大悟の一言で宗主代行が絶句する。
「いやいや、あれでって……」
英明が慌てて突っ込んできた。
宗主代行を庇うつもりらしい。
「だって、聞いた話だと幹部の誰かが失敗すると一斉に皆で叩くよね。しかも、今まで仲が良いまでは行かないけど、普通の関係だった他の幹部まで一斉に参加するとか……」
「いや、それは……あるなぁ」
「……あるわ」
英明と月兎がそれを否定しようとして肯定した。
「あれでも、良くなったんだがな。昔は仲が良かったものまで失脚すると叩くのに一斉に参加するから」
「酷いな」
「酷いね」
「陸さんはそれで酷い目にあったんですか? 」
「たまにしょげてるときありましたよ。実家の話をするときですが」
茜と智子がちょっと怒ったように話した。
宗主代行がため息をついた。




