第十六部 第九章
大陸ドラゴンの攻撃と無人ドローンの自爆攻撃で、攻撃された辺りが酷いことになっている。
爆発は終わっても凄まじい山火事になってる。
「おいおい、どうするんだ? 」
「どうするも何も、戦うんだろ? キングオーガが凜を守ってる」
「はああ? 」
「わかるのか? 」
「ああ、思考が流れ込んでくる。生きてるわ。外して撃ったのも悪かったか? 」
大悟と月兎が驚いて聞いてきたが、陸は淡々としていた。
それと同時に大陸ドラゴンが旋回を始めた。
「どうする気? 」
「ヒットアンドウェイ……って言うか、このまま追っかけさせて連れてくわ」
陸が苦笑した。
「どこへ? 」
「どこにだ? 」
「あんたは分かるよな」
陸がにっと背後に笑った。
その瞬間、月兎が動いた。
陸をいきなり殴る。
だが、それは大悟が身代わりで防がれた。
「俺が女神エルティーナの加護を得てないと……死んでるぞ……」
大悟が両手でカバーしたにも関わらず、月兎の打撃は重く、ダメージを受けていた。
神が陸の言葉に激高して扉の陰から月兎を操ってきたのを、大悟を使って陸が防御したのだ。
「さあ、出て来い。出てくるしか無いだろ? それがあんたの生きる道だ」
そう陸が背後に罵る。
「ちょっと、出たって誰に入るって言うの? 」
「凜は来れないだろ」
「ええええ? 待ってください! それだと月兎さんになるじゃないですか」
そう岩魚が騒ぐ。
「譽だって言ってたし」
「いやいや、後で否定してたじゃないですか」
「背中に居たんじゃ、俺が戦えないんだよ」
「貴方もイケイケじゃないですか? 」
「いや、ちょっと、顔が酷いことになってるから、俺を盾にするのをやめて! 」
大悟が月兎の連続攻撃で顔がボコボコになっている。
「いや、耐えれそうなの大悟しかいない」
「自分で攻撃を受けろよ」
「いや、俺は帰宅部だし」
「ふざけんなぁぁぁ! 」
「おおおおお、下から何か攻撃が来る! 」
陸が叫ぶ。
なんか樽のようなものに火がついて大陸ドラゴンにぶつかって燃え出す。
「なんか、地味……」
「本当だ。多分、カタパルトだな。火が付いた油の樽をぶつけてきてるらしい。人間と戦うために準備してたのか」
天音の突っ込みに慎也が答えた。
「何かロマンが無いですね。人間側が使ってるならともかく、オーガ側が使うとか……」
「まあ、オーガに火炎放射とか光線とか無いもんね」
健の突っ込みに慎也が苦笑した。
「お前ら……」
顔がボコボコに腫れた大悟が呻く。
月兎の猛攻を受け続けて大悟の姿はボロボロになってた。
「何で、こんなに皆は呑気なんですか? 」
岩魚がそちらに驚いていた。




