表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
144/220

第十五部 第五章

「はあ? 神とあいつが戦争を始めた? どういう事? 」


「知らんが、それを話して、お前さんを一旦帰らせろって話になってる」


 そう英明が鼻の頭を掻いた。


「というか! あんた、神代の縁者だったの? 今まで騙してたんだ! 」


「いやいや、本家の人間なら草(忍者)の存在とか知ってるだろ? 別の家に入り、そして、それでいろんな仕事をする」


「草? あんた草だったの? 」


「そうだよ。そんなの分からないのが信じられないよ。宗主神代ユウ……今は宗主代行か……直接頼まれたんだよ。君のお母さんと話し合った結果だそうだ。一度、凜だけは帰国させると」


「くっ! なんで? 」


「そりゃ、陸の事をあんなに憎悪してたらねぇ。当たり前でしょ。警戒するのは……。元々、陸がこちらの世界に転移するかもって話はあったんだ。そうなると何が起こるかわからないって……。いや、まさか、子供の陸が現れて神に挑むとはな。暁様が予見してた最悪のコースになってる」


「ど、どういう事? 暁おじさんが、なんで? 」


「予見していたんだよ。陸が覚醒して神と戦うって……」


「はあ? それなら、それこそ神代の神に仇名す最悪の敵じゃないの! 」


「いやいや、神代は今の神が現れる前は神は一番強い神代の神人を超える異能者がなるのが決まりって神代の口伝の歴史で習ったでしょ? たまたま、今の神が異常に強くて、それで長い間、神の位にいただけで……。実際は後から奪われた、より強い異能者に能力ごと食われて、そして永遠を生きていくと。それが神代の神だから。神代家で習う話でもあるでしょうよ。神に等しき者が産まれたら、神と神に等しき者との戦を邪魔してはいけないって……まあ、巻き込まれるからって口伝もあるけど……」


「ふざけんなっ! あの陸が! あの下層に落ちた陸が覚醒などと! 」


「暁様は予見してたらしいよ。だから、陸を宗主候補のままにしておくように言ってたし、まさか下に落として養子縁組にして神代家から外に出すって話なんかとんでもないって言ってたよ」


「はああ? そんな話は知らない」


「本家の者なら知ってる話だけどね」


「ああ? 草如きがっ! 」


「俺、一応、表向きの名は藤本だけど、本姓は神代だから……」


 草の中で特にトップクラスは見つからないようにするために、一度他の姓を名乗るものもいる。


 別に神代なんて名乗ることも無いのだが、神代家独特の家風から神代と分家では違うから、それで本姓として名乗ることもあるのだ。


 ちなみに凜は本姓は神代と勝手に名乗っていた。


 本来は許されない事だが、祖母が宗主なので暗黙からか許されていた。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ