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第一部 第五章

 大陸ドラゴンの背中の木の中には実がなってるものがある。


 それをそれとなく猫の寄生魔獣に陸が聞くと、どうやら鳥のような魔獣がドラゴンの背中に来ることがあり、鳥も危険性の無い小型のものは普通にバリアの中に入ってくるようだ。


 その鳥の糞のタネから出来た木が結構あって、それに実がなっているという事だ。


 それを健と智子と天音に説明すると、健と智子は嬉しそうな顔になった。


「これでビタミン問題は解決するかもですね」


「小型の鳥が食べる実のタネから出たなら恐らく食べれるものが結構あるでしょう」


 健と智子もせわしなく、肉を割いて、火と煙であぶって乾燥させて干し肉を作っていた。


 それを猫の寄生魔獣達が興味深そうに見ていた。


「……凄い注目度なんですけど……」


 天音がため息をついた。


「まあ、それだけ大陸ドラゴンが捕食しない間の問題が大きいと言う事さ」


 陸がそう爽やかに笑った。


 腐りにくくなっているのか、火の問題なのか、はたまた異世界故か、乾燥するのが非常に早かった。


 たった一時間程度干しているだけで出来た干し肉があった。


 それで早速、出来立ての干し肉を一回り大きい猫の寄生魔獣に陸が渡した。


 その結果、大きい猫の寄生魔獣は仲間と試食して、見るからに嬉しそうな顔になった。


 その後、大きい猫の寄生魔獣は陸にミャウミャウと話す。


「……何だって? 」


「もし、寝る場所が必要なら、仲間達が寝ている大きめの木の洞に来て寝てくれても構わないとの事だ」


「おおおおおおっ! 」


「素晴らしい。仲間と認定されたわけですね」


「ああ、その通りだ。寝場所は仲間しか入れないはずだし」


 喜ぶ健と智子に右手を突き出してやったと言う感じで陸が喜んだ。

 

 だが、天音は疲れた顔でそれを見た。


「本気で一緒に寝るの? 」


「今夜は仕方ないだろう。上空だから寒いらしいし」


 そう陸が苦笑した。


 焚火をしていても寒さだけはどうしょうも無い。

 

 日が落ちてきたら少し肌寒くなってきた。

 

 亜人なせいか、全身が毛皮でおおわれて無いので、その辺りの問題かもしれない。


「ねぇ、ドラゴンは何時巣に戻るの? 」


「飛んだままだそうだ。卵を産むときくらいしか地上に降りないとか……」


「はあああ? そんなの出来るの? 」


「らしいぞ。だから、千年近く飛んだままなんだそうな」


「千年? 」


 天音がフラリとした。


「異世界おそるべしですね」


「どちらかと言うと、海の中を泳ぎ続ける魚のような状態なのでしょうか? 確かに、魚にそういう種類はいますし。泳ぎながら寝るのもいますから」


 健と智子が唸る。


「みたいだな。ここは地面があるから感じないが、飛んでいる事で体表の温度は上がってくるんだそうな。それで木の洞のような場所の下を掘って、暖かい大陸ドラゴンの体表のあたりて固まって寝るんだそうな。暑いくらいと言う話だが」


「興味深いですね」


 健が嬉しそうに頷くのを悲しい顔で天音が見ていた。

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