第十三部 第四章
「あ? 」
陸が大陸ドラゴンの下の方を見た。
「おい……」
大悟も同じように見た。
流石に気が付いたのは陸の方が早かった。
「どうしたの? 」
「あれが禍津族か? 」
月兎がどす黒い笑みを浮かべた。
「仲間を探しに来たんじゃないね……このままやり過ごせないかな……」
陸がそう呟きながら、月兎の服を強くつかんだ。
「ちょっとおおおお! 」
月兎が掴んでいる陸の手を外そうとしたが、固く握っていて外せない。
「その方がいい。多分、無茶苦茶強い」
大悟がその姿を見て同意した。
「私だって神人なんだからっ! 」
「禍津大神ではないよね? もっと強いはずだから……」
「ビリビリ来るぞ? 」
「威嚇してる」
陸が月兎の服を掴んだまま話す。
陸の意志を察したのか、岩魚が羽交い絞めにして月兎を抑えた。
「どうする? 」
「待って……俺の中にいる奴を起こそうとしている」
「おお、それは素晴らしいぃぃぃ! 」
月兎が叫んだ。
「ねぇ、この人、馬鹿なの? 」
天音が無茶苦茶きつい一言を突っ込んだ。
「神人の戦闘タイプってこんな感じだよ」
陸が苦笑する。
「いやいや、お前、ふざけんなっ! 」
「まだ、神とやらが封印されたままで戦う気なの? 正気? 」
陸が冷やかに突っ込んだ。
「その通りですよっ! 宗主の命に従いましょう! 」
「くそっ! 」
その瞬間、さらに凄まじいビリビリと震える威圧を感じた。
凄まじいものだ。
「糞っ! 特定してきたか? 」
陸が脂汗を流す。
「どうする? 」
「わからない。でも……」
『そこにいたか』
そう感応で頭に響く。
いつの間にか、何の動きも無く、目の前に腕が6本あるような禍津族の男が立った。
全く、何の予備動作も無く、テレポートしてきたように現れる。
『すでに、仲間は殺されたか? 』
さらに感応で頭に響く。
それは怒りと悲しみに満ちていた。
「俺達がしたんじゃないので……」
無意味だろうけど、陸がそう呟いた。
『お前の中だな。お前の中にいるのか。流石は禍津大神である。封印はまだ解けていない。それならば、我でもやりようがある』
それはずかずかと陸に近づくと、そう呟いた。
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何だか、方向がズレてるのかな?
方向を直しようも無いけど。
不安で不安で。




