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第一部 第二章

 突然、猫の寄生魔獣みたいなののサイズの特に大きいのが来て、陸にミャウミャウと叫び出した。


「ど、どうしたの? 」


「何で、火などを使うのだとお怒りで……。木に燃え移ったらどうするのだと注意されていた」


「寄生している猫に注意されるのかよ……」


 天音が天を仰いだ。


「とりあえず、水の出る木の近くで、その木を下に並べて、その上で燃える木でも普通のを並べて下に敷き、その上で良く燃える木を使って焚火をして、まわりに火が付かないように細心の注意でしますからと説得している」


 そうミャウミャウ叫ぶ猫の寄生魔獣と陸が話し合いを続けていた。


 そして、火を起こして、肉を軽くあぶった後に、それを寄生魔獣のやってきた大きな猫に食べさせる。


 初めて焼いた肉を食べた猫の寄生魔獣は驚いた顔をしていたが、やがて納得したように去った。


「いやいや、どうしたのですか? 」


 智子が聞いて来た。


「いや、焼くとこんな味になるという事と、焼いておくと日持ちが良くなるのと、いざと言う時に干し肉も作るからと説得した。勿論、彼らの分も」


「なるほど、ドラゴンが獲物を取らない時は飢える訳ですからね」


「ああ、蛇なんか食事は一二週間に一回だからな。ドラゴンもなかなか食べないのでその間は大変らしい」


 そう陸が微笑んだ。


 そうしたら、猫の寄生魔獣達が背中に飛んだ余分な肉を噛んで引きずって持って来てくれた。


 どうやら、先ほどのサイズの大きい猫の寄生魔獣は彼らのボスだったようだ。


「おお、コミニュケーションの素晴らしさですね」


「流石です。これで我々は寄生魔獣の仲間になれたという事でしょうか」


 健と智子が涙を浮かべて感動していた。


「いや、何か考えてたのと違う」


「まあまあ、生き延びる為にも、今後の交渉の為にも仲間は大切だし」


 納得いかないらしい天音を陸が苦笑しながら説得していた。


 しっかりした土のある地面を見つけて、そこに水を飲むとか言う木を爪で切って並べた。


 ツタの大きくなったのを途中で切って飲んだりする木とバナナの木のようなカスカスで中身がスポンジのようになって水を含むもののの二種類があるらしい。


 そのうちのバナナの木のようなカスカスの木を下に並べて、下の地面に火が通らないようにして、そこに燃える木を並べてその上に燃える木の小さなものを並べて置いて火をつけた。


 上で燃やす木は小さな枝から燃やす。


 下は普通の木の下に水を含んだ木が並んでるから、地面まで火が行くことは無い。


 上に並べた松のような小さな枝は木の脂で火がつくとしばらく燃えた。


 松なら火が付くと匂いがするが、ここの木にはそれは無いらしい。


 猫の寄生魔獣達が必死に運んできた肉をあぶって彼らに食べさせて、陸がどんな味かを皆に食べさせた結果、全ての猫の寄生魔獣がさらにあちこちから肉を運んできた。


 同じ生肉ばかりだと飽きるのかもしれない。


 だが、その時、陸がパラパラと何かを肉にかけて焼いているのを天音は見逃さなかった。


「それは、何? 」


「ふふふふ、隠し味さ」


「向こうから持って来たの? 」


「いいや」


 それで天音が固まった。



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