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第十部 第八章

 映像を見続けている、獣魔神ライだが、顔が凄く険しくなった。


 大陸ドラゴンに何らかの牽制をして飛ぶのを辞めさせようとしている手が4つある上半身裸の刺青を入れた男が二人いるのを見つけたからだ。


「あれは……禍津大神様の御配下の禍津族。どういう事だ。まさか、先ほどの伝承にある話なのか? 私が先々代の獣魔神様から聞いた話なのか? 」


 そう獣魔神ライが激しく動揺しだす。


「ちっ、こんなところでか……」


 迷い人が静かに舌打ちして囁いた。


*************


「どうした? 」


「わかんない。俺と同じように<使役>に近いスキルを使ってる。俺より強いな……<命令>と言うべきか」


「? 大陸ドラゴンに<命令>? 八大魔獣の筆頭だぞ? 」


 陸の言葉にチョロ熊さんが動揺した。


 だが、下に落ちようとしていた大陸ドラゴンはそれに抗っているようで、再度上昇に移る。


「抵抗してる。というか。ぼけて無視してる意味が多い様な気がするけど……」


「何が起こってるんだ? 」


 陸と大悟が話しながら動揺している。


 だが、それ以上に地上から何か二人が聞いたことがある言葉が話される。


 言葉にならない様な異様な言語の羅列だ。


「祝い言葉? 」


「祝詞? 」


 陸と大悟がそう驚いた。


 それは神社で読まれる祝詞では無い、彼らの神代家に伝わる呪言だ。


 それは力のある言葉として神代家とともに関わりあるものは絶対に聞いたことのある言葉だった。


「嘘だろ? 止まらないから潰す気だ! 」


 陸がその言葉を一部習っていたこともあって、何の呪言かわかって叫んだ。


「潰す? 」


 天音が聞いてきた。


「我々の……神代家が使う呪い言葉の事を祝詞と神道の神に祈る言葉のように俺達は習う! それを使って大陸ドラゴンが言うことを聞かないので大地に叩きつける気だ! 」


 陸がそう叫んだ。


「まずいな」


 大悟もある程度知っていたらしい。


「なんです? この言葉は? 」


「こんな超常の力があるなんてぇぇぇ! 」


 皆が動揺する前で、慎也と健だけ目をキラキラさせていた。


「いや、落ちたら死ぬでしょ? 」


 天音がそうつぶやいた。


「許せないっ! 陸君を襲うなんてっ! 」


 いきなり叫んだのは茜ではなく智子だった。


 その殺気立った雰囲気は今まで見たことも無かった。


「我らが雄を! 」


「許せない! 」


 イーグルベアの雌たちが獰猛な叫びを続いてあげた。


 弱者のはずの寄生魔獣の猫の雌たちも怒りを込めてフーと威嚇音を出した。


 それと同時にイーグルベアの雌たちは羽を伸ばすと地上に飛んで行った。


 どうやら、これを行っているものを排除する気らしい。


「……女王蜂や女王アリがあらゆるものを従わせるように、あらゆる雌を従わせて……戦いに使う……いずれは雄も……」


 大悟がそれを深刻な顔で見ていた。


 

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