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第十部 第五章

「実は戦前から、しれっとアメリカとかにも食い込んでるからな。戦後も日本に対する浸透にアメリカの力を使ってやっている。日本の敗戦も実は胡散臭いって祖父は言ってた。敗戦すれば入れなかったとこにも入りやすくなるから」


「ちょっと待ってくださいっ! イルミナティとかじゃ無いんですか? 」


「違うな。日本と言うが地球で戦力をそろえて、故地を取り戻したいんだ。そういう意味で本質的に違う。一族の絶対数が少ないからな。あまり多産の家系でも無いし。だから、そうやって侵入して日本だけでなく俺たちの住んでいた世界の全てに根を張っていったって祖父は言ってた」


「いや待って。本人は全く知らないんだけど……」


 陸が困惑しきる。


「そんなの候補なだけの子供に言うわけないだろ。こういうのは漏れたら終わりだからな。だからこそ、用心深くて厄介なんだ。それで親父はもう関わるなって言う事で祖父といつも喧嘩してた。元同族だしな。正面切って戦わなければ、こちらに対してお目こぼしはあるし。まあ、俺はお爺ちゃんっ子だったから、敵だと油断するなとか言われまくってて。もし、お前が男のシャーマンになれば怪物だから。世界を滅ぼすかもしれないって言われてた。まあ、世迷い事かもしれないけど。流石に世界を滅ぼすようなのが、そんな格好してないし」


 と大悟が苦笑した。


 陸がそう大悟に言われて、自分の猫型寄生魔獣の姿を自分で見る。


「……確かに」


「ただ、あれは怪物だ怪物だって言われ続けると、幼児教育の弊害か、そう思う所もあってな。それで冷たくあしらってたのもある。厨二っぽくて恥ずかしかったのもあるけど」


 そう大悟がちょっと恥ずかしそうに笑った。


「いや、でも、そんな組織に属するなら。別に厨二じゃないのでは? 」


「いや、だって、内々の話で、こいつシャーマンとして失敗したらしいって話は聞いたし。まあ、組織がヤバすぎて全貌がつかめないってのは確かなんで、親父は関わるなって未だに凄いけどな」


 大悟が天音に答えた。


「いや、本当に俺はそんな話知らないんだけど」


「俺も信じてなかったのに……。問題は……この現状が祖父に根ほり葉ほり聞いた通りになってきてるんで、困ってんだが……」


「何が? ほかに聞いてる事とかあるの? 」


「フェロモンみたいに同族の女性に無茶苦茶もてるって話だよ。ほら……」


 大悟が智子を見ると耳たぶまで真っ赤になって陸を見ていた。


 そして、その周りには寄生魔獣の猫さん達の雌が集まって同じように熱い視線を陸に送る。


「おおおおおっ! 」


 陸が驚く。


「逆に、だから、同じ魔獣の中にいるお前が怪しいんだけどな。お前だけが反応してないし」


 そう大悟が天音を冷ややかに見た。


「うーん。それは分かんないけど。とりあえず、私的にはあれがヤバいかなと」


 そう天音が背後の林から熱い視線を注ぐイーグルベアを見た。


 女性のイーグルベアもチョロ熊さんの部下の軍団にいたのだ。


 そのイーグルベアの目にハートが見える様なくらい熱い視線をハアハア言いながら陸に注いでいた。


 


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