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第十部 第四章

「どう言う事だ? 何故、禍津大神様を彼は知ってるんだ? それと、あの教訓のような話は先々代の獣魔神に聞いたことがある話だが……」

 

 獣魔神ライが困惑する。


 それは禁忌として聞いていた話であった。


 迷い人がそれを見て困り切った態度をしている。


「そんな話は聞いたことが無いけど……」


「こちらの話だとそちらと伝承が違うんだ。禍津族とか言う腕が4つも6つもある者達は呪術にも優れていて、その怪物を禍津大神の力で異界に閉じ込めてから、こちらが抵抗できなくして攻め込んで来たらしい」


「つまり、それほどヤバい奴だったって事? 」


「ああ、神代家がシャーマンを育成するのは、その封印からそれを解くものを育てようとしていたらしいんだが、聞いて無いか? 」


「んんん、何か一族が崇拝する方がいて、それと繋がるシャーマンを作るって話はちらっと聞いたことがあるが……。詳しくは知らんな。俺は途中で失格になったし」


「いや、それだけで充分ですよぉぉ! 」


「聞きに行きたいですね。そんな話」


 健と慎也がさらに我慢できなくなって叫ぶ。


「いやいや、辞めとけ。マジで闇社会とか抑えてるから。本当にヤバいんだ。だから、監視させようとして祖父が俺をこいつに近づかせた。だけど、親父はそれが許せなくてな。しょっちゅう喧嘩してたよ。あんなやばい奴に近づくなって」


「えええええ? うちってやばいの? 」


「だって、何してるか分かんないだろ。いろいろと深く関わり過ぎて、誰も手を出せないアンタッチャブルな連中だとは政治家の間じゃ有名だ。それで親父は伝承とか気にして無いから俺を関わらさせるなって怒ってた。祖父は男で候補が現れたら監視しろって代々一族で言われてたからな。それでお前の幼馴染として監視させられてたんだ、俺はな」


「マジかよ」


 陸が途方に暮れた顔をした。


「どんなふうにヤバいのよ」


「いや、知ってんだろ? お前も無理に幼馴染ってポジションにいたじゃん」


「いや、そんなの知らないわよ。祖父母は農家だし」


「嘘くせぇな」


「どんなふうにヤバいんです? 暴力団とかに関わってるとか」


「いや、もっとヤバいんだ。ずっと長い事、日本の政財界や法曹界や警察や防衛関連まで浸透しているだけでなく、『日本幸せ財団』とか『日本応援財団』とか聞いたことがあるだろ。いろんな財界からの寄付とか集めて作ったいくつかの財団で、優秀な学生にお金を出して進学させて、神代家と血の繋がらない官僚とかそういうのを自らの人材として育ててる。勿論、警察官とか自衛官もだが……」


「ああ……」


「あれ、全部工作員の育成だ。いろいろと関係を深くされて、命令されたら育てられたものは逆らえないんだ。そうやって、三千年くらい前から日本に食い込んでる。まあ、本格的に日本に浸透していったのは、朝廷が出来てからだが……」


「げぇ! 」


 陸が大悟の話で絶句した。



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