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九十五話 :ジュラシック

 強くなれと森に閉じ込められた4人。状況は飲み込んだが、絶賛逃亡中だった。


 時間は遡ること、5分前。


「強くなれと言われても、どうしようか」


「魔法を無意識に打つってどういうことですかね?」


「私の見解では、魔法を打つ際に心の中。もしくは声に出してスキルを発動します。 それをしなくてもうてるようにしろってことではないかと」


「なるほど、その線が濃さそうだ。よし、早速訓練だー!」


 と、無意識に打つとは何か。それを理解したところで訓練開始と意気込んだ所までは良かった。


 問題はその後だった。ラリンの危険察知があるにも関わらず背後を取る猛者が。


「……シュラララ」


「おい、カインなにか聞こえなかった?」


「聞こえなかったけど、なんだ? 何が聞こえたのか?」


「シュラララっていう鳴き声が」


「隼人さん、この動物の鳴き声じゃないですか?」


「そうそう、この動物……。って、ティラノサウルスー!?やっべえ! 急いで逃げろー!」


 シュラララと聞こえた鳴き声。現れた、巨大な体躯の二本足の化け物。顎が外れそうなほど驚く隼人。


 ただ事ではないと、すぐに判断をし隼人の言う通りに逃げる。


 と、まあこんなことがあってティラノサウルスという動物から逃げている所だ。


「それで隼人。 あれはドラゴンか?」


「似たようなもんだ! 1億年以上前に生息していたと言われているのに、なんで今ここにいるんだ! 今は白亜紀じゃねえだろ!」


「なら、倒せるか」


「あっ、おい!」


 ドラゴンならば、倒したことがある。それにこのデカさなら1人でも倒せそうだ。


 まずは、噛み付こうとするこの牙を防ぐためにセイクリットウォールを発動しようとする。


「セイクリットウォール!」


 こころでスキル発動を唱え、言葉に出す。これで発動するはずなのだが、牙は止まることを知らずに近付いてくる。


「……あれ? これ、やっばーい!」


 寸前のところで、横に身を投げ出し牙を避けるが服を少し噛みちぎられた。


『あ、言い忘れてた。 強くなってもらうために、身を守るスキル系は全部使えないようにしてるよ〜』


「……そういうことは先に言えよ! 死ぬだろ!」


『めんご、めんご。 あとそいつ強いから気を付けてね。 じゃ!』


 遺跡の主は軽くやばいことを言って、またどこかへ行ってしまった。


 防御系魔法が使えない。スキルも使えない。背後を取られた理由がわかった。


「皆! 今のは聞こえた?」


「はい! ばっちり聞こえました!」


「私もです!」


「同じく!」


「よし! それじゃ、急ブレーキを踏んでコイツを倒すぞ!」


 止めることなく動かしていた足を止め、ティラノサウルスと呼ばれるドラゴンをぶっ倒すことにする。

ではまた。

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