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八話 :ラリンのランク上げ

いやほんと。すみません。

エタることは無いです。

「よし今日はラリンのランクを上げよう」


 冒険者ギルドの待合室で、喋ってたラリンに唐突にそう提案する。


「私のですか?」


 急に提案されたラリンはキョトンと、した顔で私のですか?と聞いてくる。


「そう、俺と同じFランクになって同じクエスト行けた方がいいだろうし」


「確かにそれもそうですね。 ならこの森に出没した魔物の巣を突き止めよって、いうクエスト行きましょう。 突き止めるだけでいいみたいなので」


「突き止めるだけならEランク冒険者でも簡単だな。 よしそれで行こう」


 立ち上がったラリンがクエストボートから、Eランク冒険者でも受けれる魔物の巣を突き止めるというクエストを1枚剥がして持ってきた。


 内容は簡単で、巣を見つけたらギルドから渡される座標固定石版を刺すだけでクエストはクリアというもので、魔物とは戦わない安全なクエストだ。


「うぅ、今日は暑いですね……」


「暑すぎるよ。 木の影で幾分かはマシだがこの暑さは参ってしまう。 さっさと魔物の巣を見つけてしまおう」


 冒険者ギルドから初心者の森に入ると、太陽の日差しが魔物に変わって俺を攻撃してくる。


 こんなに暑いとは……。汗が滝のように頭をつたい頬に行き地面に落ちる。


「木に囲まれてる場所にあるんでしたっけ?」


「冒険者ギルドから渡された紙にはそう書かれているよ」


 ギルドから魔物の巣を書かれた絵を渡され、この巣を見つけてくださいと言われた。


「どんな魔物なんですかね。 急に襲ってくるタイプじゃないと良いんですけど」


「怪我するのは嫌だしな……」


「痛いですしね」


 二代目剣聖には回復魔法が備わってない。何故こんなにも強いのに回復魔法が備わってないのだ、もしかしてそれで均衡を保っているのか……?


 痛いのは嫌なんだけどね。


「ん、ここの木不自然だな」


「そうですね。 やけに密集しているというか」


 暑い森をフラフラと歩いてたら、如何にも人工的に作りましたよ!という木があり手頃な石を投げ入れてみる。


「石でも投げ入れてみるか」


「音が響きましたね。 ここが魔物の巣みたいです」


 木の間をぬって、洞窟の中に入った石の音が響き魔物の巣だと断定する。


 初心者向けの森にいる魔物は大体が、洞窟を作りその中を自分達の巣にする習性があるのだ。


「じゃ、後はこの座標固定石版を刺してっと。 よしこれでギルドの方にここの座標が送られたはずだ」


「クエスト完了ですね。 帰りましょう」


「帰りたいんだが、石を投げ入れたことによって中の住人さんがお怒りみたいだ」


 木の前に座標固定石版を刺し帰ろうとしたが、石を投げれたことにより怒り心頭な住人の皆様がクレームを言いきに来る。


「えぇ!」


「ほら、出てくるぞ」


「後方支援は任せてください!」


「リンコウリか……数は大体二十匹と言ったところか」


 クレームを言いきたのはコウモリ型の小型魔物、リンコウリだった。


 ビックダディだね。もうちょい数減らしな。


「カインさん!」


 ビックダディのことを指摘していたら、上から襲ってくるリンコウリに気づけずに噛まれる一歩手前だったが、ラリンの弓が刺さり落ちてゆき何とか助かった。


 全てを見通す力がある俺が気付けなかった攻撃だと……?

 いやあれはただ単に俺が、他の思考に没入していたのが原因だろう。


 今は目の前の敵に集中だ。


「……! 助かった!」


「いえ!」


「スキル発動―二代目剣聖」


 スキル―二代目剣聖を発動します。


 スキルを発動し一気に殲滅する。


「ふぅ……終わったな。 ギルドには魔物が襲って来たから討伐したと伝えよう」


 二代目剣聖を三回使用しました。


 新しいスキル―光魔法を会得しました。


 光魔法を会得したことにより、スキル―聖光(せいこう)魔法を会得しました。


 これにより、アンデットモンスターを浄化出来るようになります。


 おぉ、たったの三回使っただけなのにこんなに貰えるなんて。


 聖光魔法って確か回復魔法もあったよな。これで怪我しても安泰だ。


「そうですね」


「成程。 魔物の巣の魔物が襲って来たから全員討伐したと。 分かりました。 お二人の力はかなりあるようなのでラリンさんのFランク昇格をここに認めます」


 ギルドに帰り、起きたことを全て話すとラリンの特別昇格を認めるという話が出て来た。


「そんな特別措置みたいなことしていいの?」


「大丈夫です。 ギルドマスターも、常々自分が良かれと思った行動なら信じろと言っておりますので」


 ギルドマスターがそう言っているならいいか。


「なら、いいんだけど」


「私、Fランクになれるんですか!」


「みたいだよ。 やったね」


 Fランクに上がれる事を兎のように、ピョンピョンと跳ね喜ぶラリン。


 可愛ええな。天使か?神の使いか?

 召されてまうぞ?可愛いさで。


「嬉しいです!これでカインさんと色々なクエストに行けます」


「よし! 明日から色々なクエストこなして俺達が最強のパーティーになるぞぉ!」


「え……えぇ!? 力になれるか分かりませんけど頑張ります!」


 天使と共に、天高く手を挙げ最強のパーティーになることを鼻高々に宣言する。

ではまた。

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