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七十四話 :底辺スキル鑑定士が、最高スキル剣聖になり自分を追放したパーティーに復讐するみたいです。

 夜が明けると、町はざわめきだっていた。朝食を済ませ、外へ出てみると、人集りが出来ていた。


「何があったんですかね?」


「猟奇殺人か?」


 人集りに近付いてみると、人が切り裂かれておりトワイライトカオスたちもいた。


「ドラゴニック、これは一体?」


「カインか。 昨日の夜、何者かによりA級ランク冒険者が殺されたみたいだ。 それにわざわざここに引っ張ってきたみたいだ」


 ドラゴニックが指さす方には、血の道が出来ていた。犯人は何故ここに、死体を引っ張ってきたのだろうか。


 まるで、誰かに見せるためにここへ連れてきたような感じがする。力を誇示するために?いや、そんな馬鹿なことはしないはずだ。


「今回は書いてないんやな」


「あぁ、一体なんの思惑があって、犯人はこんなことをしてるのだろうか」


 剣聖に興味が薄れ、他の目的を持って行動をしているの可能性も浮上してくる。


 しかし、そんな可能性は数秒後に蜃気楼のように消える。


「……キャァァ!」


 人集りの後ろの方から、悲鳴が上がる。悲鳴の方へ目を向けると、そこには懐かしき旧友の姿が。


「……ガバス?」


「よぉ、カイン。 こんなに人を集めてくれるなんて、お前は何処までも友達思いなんだよ。 はは、泣けてくるぜ」


「お前何言ってんだよ。 善悪の区別がつかないような奴じゃなかったはずだろ……?」


「善悪の心? そんなものとっくの前に失せてしまったよ。 こうやって人を殺すのも、息をするのと同じ感覚だ」


「やめろおおお!!」


 懐かしき友の姿は、心は、自分の知ってる友ではなくなってしまっていた。人を殺すのも息をするのと同じと言い、いとも簡単に、赤ん坊が玩具を壊すように命を奪う。


 血飛沫が上がり、人集りは散っていく。


「……お前が猟奇殺人の犯人か。 即刻処分する」


「……待ってくれ、ドラゴニック。 コイツは……コイツは、俺の友達だったんだ。 だから、俺の手でやらしてくれ」


「カイン……分かったよ。 ジン、ラリン、僕たちは逃げてる人たちを逃がそう」


 ドラゴニックは抜いた剣を、鞘に収め人の避難をラリンたちと共にしに行く。


「アハッハハッハ。 懐かしいなあ! お前と昔こうして剣を交えたことがあったなあ! お前は底辺スキルを手に入れたのに、急に強くなった! 下にいたはずなのに、急に上に立った! 英雄と呼ばれ、さぞ気持ちがいいだろうなあ」


「……確かに俺は強くなったよ。 でも、救えなかった命もある。 強いってのは、万能じゃないんだ。 神様にもなったわけじゃない。 俺はお前と、パーティーを組んでいたかったよ、ガバス」


「俺がお前を追放したあと、お前は冷たく俺たちをあしらった! なのに、パーティーを組んでいたかっただと!? 勝手なことを抜かすんじゃねえ!」


「……俺は勝手なやつだ。 だから、この力でお前を倒す。 これは俺からお前への復讐(きゅうさい)だ」


「復讐か、そうだよ、そう来ないと。 殺し合おうぜ! カイン!」

ではまた。

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