五十話 :また逢う日まで
復興作業は順調に進み、町に広がっていた家の瓦礫はあらかた除去された。俺たちはこれ以上、この町に滞在する理由もなくなったということで、この町を去ることにした。
「これ以上俺たちはここにいなくてもええな。 後はこの町の人たちがやっていくことで、俺たちがやっていくことではないからな」
「そうだなあ、どこに行こうか次は」
「近くにある町にでも、ふらっと寄ってみますか?」
無言で町を去ることを宿屋で決め、ふらふらと復興作業中の町を歩いていた。行先も決めず、ただ浮浪者のようにこの町を歩いている。
「さて、どうしようか。 食料も心もとないし、近くの町に行くのは確定だしなあ」
「うーん、どうしましょうかね。 食材があれば、私が料理出来るので野宿も可能なのですけど、食材もちょっとしかないですし」
「買い足すにしろ、町がこの状態じゃな。 まあ、とりあえず外に出てから考えようぜ」
鞄には少しの食料しかなく、3人で野宿するには足りない量でこれで野宿をしようものならご飯を巡って争いが、起きそうだ。
「カイン!! 待ってくれ!」
門から出ようとした瞬間、後ろから町全体に轟く声で叫ぶガーランドが両手に何かを抱えて汗だくで立っていた。
「ガーランド! その荷物はなんだ〜?」
「あぁ、これか! お前たちが出ていくのを見てな、急いで食料など取ってきたのだ。 何も言わずに出て行くなんて水臭いじゃないか」
「あっはは、ごめん、ごめん」
「ほら、この食料持って行ってくれ。 町を救ってくれた者にこれだけしか渡せないのは悪いと思っているが、何せ町がこの状態じゃな」
「いや、貰えるだけありがたいさ。 ありがとうガーランド」
ガーランドは両手に持っていた、食料を渡してくる。中には肉など、長期的保存が効く食料がたんまりと入っていた。
「またいつでも寄ってくれ。 私たち全員歓迎しよう」
「あぁ、またいつか会おう。 絶対にだ」
「それでは私は復興作業に戻る。 いい旅を!」
復興作業に戻って行くガーランドの背中を見送り、俺たちはサーバント連合国を後にした。
「食料いっぱいですね。 これだけあれば、野宿しながら次の国に行けますね」
「国かあ、次どこに行こうか。 ジン王子様だろ? 近くの国知らないか?」
「せやなあ。 シャンネルが近いけど、あそこは国の頭が変わっておかしくなったて聞いとるから、あんましいい気がせんぞ」
「大丈夫だよ、ここの国も似たようなものだったじゃないか」
「あはは、せやな。 じゃ、そこに行こか。 ラリン、野宿のご飯頼んだで」
「はい! 腕によりをかけて作りますよ〜!」
俺たちは、徒歩で未知なる国シャンネルに向かうことにした。
◇◇◇
「魔꙲物꙲抑꙲え꙲る꙲っ꙲て꙲言꙲っ꙲て꙲し꙲ま꙲っ꙲た꙲け꙲ど꙲、あ꙲と꙲ど꙲ん꙲ぐ꙲ら꙲い꙲持꙲つ꙲か꙲な꙲…꙲…꙲」
眠し。ではまた。




