表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/110

五話 :出逢うべくして出会った二人?

 昨日は最悪の日だったが、これからも冒険者という稼業をしていくならばこういう事も日常茶飯事になってくるのだろう。


 嫌でも人間に害をなす魔物を倒さなければ、俺達に被害が及ぶ。

 被害が及ぶ前に倒すのが、冒険者だ。


 俺向いてないのかもなあ……。

 ダメだ、ダメだ。下向きになってる。


 外にでも行って気分転換をしよう。


 外に出ると、お祭り騒ぎのように街が賑わっていた。


 街の大通りの脇には、露店が並んでいるが今日はその倍ぐらいの露店が開かれていた。


 今日祭りかなんかあったけ?と思い一番賑わっている所へ行くと、唯一全員Sランクで構成された冒険者パーティー『トワイライトカオス(黄昏の混沌)』が、クエストから帰って来ていた。


 トワイライトカオスは、この街いや、この世界で一番の冒険者パーティーと言われている。


 これはそんなトワイライトカオスの凱旋って訳か。


 んまあ、あっちには興味ねえしクエストでコツコツと貯めたリンベル(お金)で、飯でも食うか。


 朝起きてから、何も食っていなかったから腹が減っていた。

 手持ちのお金は、1000リンベル。


 露店の相場は、一個100リンベルぐらいだから腹は満たされるだろう。


 何から食べるかなあ……。

 おっ、ミーン(焼きそば)あんじゃん。


 俺あれ好きなんだよなあ。茶色のソースをかけてそこに、ンーメ()を入れて混ぜて完成。


 こんなに手順は簡単だが、味はお墨付きだ。

 よし、あれに決めた!


「すみませーん、ミーン一つ下さい」


「ありがとうございます!」


 ん?この声どこかで聞いたような気がするな。


 ミーンを混ぜている少女の声が、一昨日アルバルクの本を渡した少女の声に似ていたが、空耳だろう。


 こんな所に居るはずがないし、今はとりあえず、ミーンだ。


「はい、お待たせしまた! 100リンベルになります……」


 最後の方になるにつれ、少女の声が小さくなっていった。

 どうしたんだ?俺の顔になにか付いてる?


「貴方は一昨日の人!」


 一昨日の人?

 え?もしかして本当に一昨日の少女?


「えっと、もしかしてアルバルクの本を探してた子?」


「そうです! あの時はありがとうございました! あっ、名前言ってませんでしたね。 私はラリン・アルバルクって言います」


「俺は、カイン・ローズベルト。 よろしくね」


 空耳ではなく、やはりアルバルクの本を探していた少女のようで名前はラリン・アルバルクというらしい。


 上の苗字が、あのクリン・アルバルクと同じなのか。


 称号 クリン・アルバルクの子孫


 いや、この称号は俺にじゃねえだろ!

 俺、クリン・アルバルクの子孫じゃねえし。


 称号 クリン・アルバルクの子孫に接触に変更


 変更とかあんの……?

 苦言言ったら変わるもんなの?これ。


 いや、待って……?子孫に接触??


 じゃあ、今俺の目の前にいるこの子は?


「えっと……もしかして君、クリン・アルバルクの子孫?」


「えっ!? なんで分かるんですか!?天才ですか?」


「いや、名前が似てたからそうなのかなあ?って」


 言えない、称号が教えてくれたなんて。

 そんなこと言ったら頭のおかしい人になっちゃう。


「成程です。 でも私、先祖さんみたいに強くありませんし、冒険者にもなれなかったので今こうして露店を開いてどうにか生きてます」


 クリン・アルバルクの子孫の本音を聞きました。


 スキルの解読をします。


 荳?莉」逶ョ蜑」閨悶r蛟偵@迚ゥの解読を開始します。


 スキル―一代目??????に変更されました


 ん〜いや分からん!どういうスキルなのか分からんなあ。


 一代目しか分からん。

 クリン・アルバルク関係なんだろうなってことは、察せるがそれ以外は分からない。


 しかし、スキルの解読条件みたいなのがあるのだろうか?

 条件を全てクリアしたら、スキルの全貌が分かるという感じなのだろう。


「そうなんだ、じゃあさ二人でパーティーを組んでさ、クエストで貰ったお金を山分けしようよ」


 この提案が少女にとっても、俺にとっても今後いい方に作用するかもしれない。


 このこと入れば、クリン・アルバルクのことも分かるかもしれないし、スキルも解読されていくかもしれない。


「え、いやそんなの悪いですよ。 私何の役にも立ちませんし」


「ん〜ならさ、俺のパーティーのミーン専属シェフになってよ。 俺それ好物なんだ。 俺は好物のミーンが食べれて、ラリンはそれでお金を稼いでいる。 それだったらウィンウィンでしょ?」


「そ、そうですか?」


「そうだよ。 じゃあ、パーティー成立でいい?」


「わ、分かりました。 これからよろしくお願いします……!」


 こうして、俺とラリンは出会った。


「あっ、カインさん!これ!」


「あ、忘れてたありがとうね」


 お代を払ったのに、忘れていたミーンを受け取りラリンの露店を後にする。

ではまた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ