四話 :大図書館
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称号のことを調べるため、今俺はギルド内にある大図書館へと来ていた。
初めて大図書館に来たけど、左見ても右を見ても上を見ても本しかないな。
大図書館と言ってるだけはあるな。
こんな中から、アルバルクの文献について探すのは骨が折れそうだな……。
とりあえず適当に歩いて探してみるか、と思ったけど、すぐそこにアルバルクの文献が書かれた本が置かれているのが目に入る。
あれ?こんなすぐに見つかるもんなの?
いや、有名な人だし手に取りやすく尚且つ見つけやすい所に置いてるのか。
どちらにせよ、簡単に見つかったのはありがたい。
大図書館を歩いて回るとしたら一日かかりそうなぐらい広いからな。
アルバルクの本を開き、称号について書かれているページを見つけた。
「クリン・アルバルクだけが持っていたされる称号は、持っていたということは分かっているがどんな効果があるかは分かってない」
と書かれており、大した手掛かりは無かった。
これじゃ、何も分からずじまいか。
弱ったな、フィリルに聞いても分からないだろうし、とりあえず本を戻そう。
本を戻しに行くと、アルバルクの本が置かれている場所で右往左往している少女が居たが気にせず本を戻ろうとすると、
「それ……もしかしてクリン・アルバルクの本ですか?」
と言われる。
「う、うん。 そうだけど、この本が読みたいの?」
「はい、探してたんですけど全然見つからなくて無いかと思ってたんですけど、良かったあって」
「そうなんだね、ほらこれ」
「ありがとうございます」
手に持っていたアルバルクの本を少女に渡すと、嬉しそうにアルバルクの本を持って、何処かへ消えてしまった。
結局、称号については分からずじまいか……。
しょうがない、今日は適当な依頼をクリアして帰ろう。
その後はDランクへと上がるためのクエストを何個か消化し家路へと着いた。
明日は、Dランク昇格クエストでもするか〜。
剣聖になって二日目、俺はDランクになった。
驚異のスピードでランクを上げていくため、ギルドの人達は俺が不正をしているのでは?と疑い始め俺のクエストに同行することになった。
無理もない、前まで底辺スキルでEランクだった俺がたったの二日でDランクになったんだから疑われて当然だ。
とりあえずはいつも通りにしてれば、いいだろう。
今日受けたDランクのクエストは、アイン村近辺に出た魔物一頭の討伐だった。
魔物一頭なら、簡単だな。サクッとクリアして帰ろう。
アイン村に着き、魔物が出た場所に案内をしてもらい、魔物が残した足跡を辿って居場所を突き止め、いたのは、中型ウルフのベガウルフ二頭だった。
依頼内容は一頭だったが、どうやらこの二頭は夫婦のようだ。
一頭は、腹が膨らんでおり子供を孕んでいるようだった。
村近辺に現れたのは、父ウルフだろう。
母ウルフと腹に居る子供ウルフの栄養のために、村近辺に降りてきたって感じだろう。
父ウルフは俺達に気付き、母ウルフを守るように唸る。
これを討伐するのは、心が痛いが同行しているギルドの人達は、殺れと言わんばかりの顔をしていた。
コイツらは人間の心を捨てたのか……?
しかし、ここで見逃せば村の人達に害が行く。
スマン……許してくれ。
せめての償いだ苦しまないようにはしてやる。
スキル発動―二代目剣聖
スキルを発動します―二代目剣聖
光の刃が、二頭のウルフを一刀両断する。
これで討伐完了だな……。
ギルドの人達は俺の力に驚いていたが、不正はしてないってことで、これからも頑張ってくださいと言ってくれた。
俺はウルフの牙を折り、地面に埋め手を合わせる。
天国で家族皆で仲良くしてくれよ。
称号 魔物を愛する者を獲得しました。
また称号か……。
魔物を倒し、村の人達に感謝されたが、俺は素直に喜べなかった。
今日は帰って寝よう。
今後もこういうことはあるだろうし、慣れないとな。
◇
二代目剣聖が新たに称号 魔物を愛する者を獲得しました。
貴方が魔物を統率できる期間は、あと一年です。
「一꙲年꙲で꙲か꙲な꙲り꙲の꙲力꙲を꙲つ꙲け꙲て꙲俺꙲の꙲元꙲に꙲来꙲い꙲よ꙲、頑꙲張꙲れ꙲後꙲輩꙲」
ではまた。