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二話 :助けてほしい?

 底辺から最強へ。


 こんな体験、何千生きていても中々味わえないだろうな。

 それにしても本当に夢じゃないのか……?と思いステータス画面を開いて見るが、さっき見たやつと全く同じ物が表示され、現実といういいパンチとなり飛んでくる。


 しかし気になるのは、このバグった文字のスキルなんだけど、自分に害を及ぼすものじゃないならいいんだが。


「カインよ! 折角底辺から最強になったんだし力の確認でもしてみなよ」


 肩をちょんちょんとつつかれ、力の確認をしてみなよと言われた。


 確かに今の俺の力がどれ程かは気になるな。

 外に出て、手頃な魔物を殺して確認してみるか、本当に剣聖となったならここら辺の魔物なら簡単に殺せるはずだ。


「でも俺、剣聖なのに剣持ってねえや……」


 元々鑑定士だったから、前線に立つことなど考えても無かったから剣の一つも、持ってなかった。

 護衛用に短刀でも持っていたら、良かったな。


「あ〜なら、これ使いなよ。 ちょっとまっててね」


 水晶を取ってきた奥の部屋へと入っていき、出てきたフィリルは神々しい剣を持ってきた。


「はいこれ、私が適当に作った剣だよ」


「大丈夫? 振っただけで折れたりしない?」


「大丈夫でしょ。 ほら行った行った。 私はここで待ってるよ」


「分かった、行ってくる」


 曖昧な返事をされたが、ないよりかはマシだなと思い手渡された剣を持ち、魔物の巣へと向かった。


 鑑定士だった頃の俺じゃ考えれない行動をしていることに気付いた。

 自ら魔物の巣に向かうなんて、鑑定士は普通はしない。


 鑑定士が一人で魔物の巣に向かうなんて自殺行為に等しい。いや、自殺行為そのものだ。


 それにしても大丈夫か?この剣。

 剣に対しての不安感は拭いきれなかったが、ここまで来て、やっぱり無理でしたというのもダサい。

 行くしかないか。


 そこそこ大きい魔物の巣を見つけ、中に入り奥の方へ歩みを進めていると「きゃぁぁぁ!」と悲鳴が聞こえ急いで最深部に行くと、ガバスとナティアが居た。


 あぁ、これは危ない状況だな……。

 カバスとナティアは、二人にも関わらず魔物の巣に、無謀にも立ち向かい、返り討ちにあっているところだった。


 魔物の巣に向かうのは、最低でも五人、一番いいとされているのは十人なのに、アイツらは自分の力を過信し過ぎて「二人でも大丈夫でしょ!」みたいな軽い考えで来たのだろう。


 つくづく救えない奴らだ。阿呆だ。馬鹿だ。

 仕方ない。助けてやるか。


 でもその前にやるべき事があるな。


「大丈夫〜?」


「お、お前はローズベルト!? 鑑定士のお前が何でここに!?」


「話すの面倒臭いから、後でいい? それで危ないみたいだけど助けて欲しい? あっ、底辺スキルの俺には助けて欲しくないって言ってたよね。 じゃ、二人で頑張って」


 二人で頑張ってと言ったが、ナティアの方は失禁をし腰を抜かして戦える状況ではないけど。


 踵を返し、背を向け魔物の巣から出ようとすると


「ま、待て! お前この状況を見て逃げようとするのか!? 元パーティーメンバーだろ!? 」


 と頑なに助けてと言わないカバスが、俺を引き留めてきた。

 さっさと助けてと言えばいいのに……。


「でも、助けはいらないんでしょ? 助けて欲しい時はなんて言うの?」


「ぐっ……分かったよ。 助けてくれ!」


 流石に危ないと判断したのか、やっと助けてくれと言った。


 スキル―二代目剣聖発動。


 スキル―二代目剣聖を発動します。


 スキルを発動し剣を一振すると、眩い光の刃が剣先から放たれカバスを襲っていた魔物を、一刀両断し地面も抉る。


 これがスキル二代目剣聖……強すぎる。


 素の力も試してみたいなと思い足に力を入れ、地面を蹴ると目にも止まらない速さで魔物を切り裂く。


 速い!これがSE20000!


 そこからは、魔物を簡単に調理して終わりだ。


「ふぅ……良い仕事をした」


 汗は一滴も流れてなかったが、拭く素振りをする。

 ちなみに、不安要素だった剣はヒビ一つも無かった。


「お前本当に、ローズベルトか……?」


 さっきの戦いぶりを見て、驚いた様子のガルバが聞いてくる。


 本当の事を言っても良かったが、なんか後々面倒くさそうだったから誤魔化すことにした。


「うん。そうだけど?」


 ちょっと威圧して言うとガルバは萎縮し


「い、いや何でも無いんだ。 ありがとうな」


 と素直にお礼を言ってきた。


「なぁ、 ローズベルトもう一度パーティーを組まないか? 今までの事は水に流してさ」


 都合のいい事ばっか言ってんじゃねえぞ。

 俺が強くなった、途端手のひらをクルクル返しやがって。 俺から断りだ。


 お前はそこの失禁女と仲良く組んでおけ。


「断る。 さっさとそこのおもらし野郎を連れて帰る事だな」


 後ろからカバスが何かを吠えていたが、それを無視し俺は巣を後にして、フィリルが待つ洞窟へと帰った。


「ただいま〜。 この剣良かったよフィリル」


「そうか、そうか。 ならその剣はカインにあげるよ」


「マジで!?」


「あぁ、私からの餞別だと思って受け取ってくれ」


「ありがとう!」


 剣聖になったから、簡単にお金を稼ぐ事は可能だと思うが底辺スキルを持っていた俺が、急に依頼をバンバンと一人でクリアしていったら不正を疑われてしまうかもしれないから、貰えるのはありがたい。


「フィリンはこれからどうするんだ?」


「私はここに残って色々な研究をしようと思うよ。 封印される前にしていた研究の続きを。 そこで出来た武器とか防具は君にあげよう。 だから定期的に顔を出してくれ」


「わかった、ありがとうな。 フィリン」


「礼を言うのは私の方さ。 封印を解いてくれてありがとうカイン」


「じゃあ、俺は帰るよ。 研究頑張ってな」


「あぁ、君のこれからの、人生に女神の祝福があらんことを」


 フィリンの研究所(元封印所)を後にしこれからどうするかを考えていた。


 これからどうしようかな〜、とりあえずはランクを上げてこの解読不可能なスキルを解除しよう。


 今、俺がいるランクは、最低ランクEで最高ランクはSだから後五つランクを上げないといけないのか。


 頑張るか〜!!


 ◇◇◇


 二代目剣聖が誕生しました。


「早꙲く꙲来꙲て꙲く꙲れ꙲よ꙲…꙲…꙲二꙲代꙲目꙲」

ではまた。

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