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十四話 :魔物の叡智化

頑張って名称をつけようとした結果、叡智化になりました。壮大にしすぎた感が否めないですけど、もうこれ以外思い付かないのでこれでいきやす。


「ただいま戻りました」


「サクリファイス! カイン達の方に行っていたのか。 心配したんだぞ」



 俺の横を優雅に飛んでいるサクリファイスに、ドラゴニックが飛びついてくる。


 余程、溺愛しているのだろう。

 我が子を愛でるように、頭を撫でているドラゴニックを見ながらそう思う。



「間違って着いて来てしまったみたいで」


「それは、すまなかった。 よし、それじゃあ報告会といこうか」



 サクリファイスが、トワイライトカオスに戻り各自の報告をする。



「はい、ではお先にトワイライトカオスさん達から、お願いします」


「僕達が向かった、古代都市ジュネシスにはナッグルガイを筆頭とした武闘軍団が組まれていた。 手には、石が付けられたグローブを装着しており攻撃力の向上をしていた。 確実に知能は付けている。 これがそのグローブだ。 些末な作りだが、魔物が作る物にしては出来がいい。このまま野放しにしていたら、何が起こるか分からない」



 ドラゴニックがアイテム袋から、取り出したグローブには先が鋭くなった石が付けられ、殺意高めに作られていた。


 え、殺意高過ぎだろ……知性を付けた魔物ってこんなに怖いの? 野放しにしていたら本当に危ないな。



「成程。こちらのグローブはギルドの方で預かります。 カインさん達……いいえユニゾンさんの方はどうでしたか?」


「俺達の方は、サーントゴブリン、レッサーウインター達が群れをなして生活をしていた」


「あの魔物達は、天敵同士のはずですが」



 やはり皆天敵同士で、生活をしている所に疑問を持つらしい。

 そりゃそうだろう。人間で言うと啀み合っている国と国が、何故か仲良くニコニコと一緒に生活している事と同じだからな。

 それぐらい不思議な事なのだ。



「天敵同士で、徒党を組み危険分子の排除を図ったのだろう。武器も作られており、確実に知能は付け始めている」


「こちらの武器もギルドの方で預かります。 実はギルドで決まった事が一つだけありまして、知能を付けた魔物達を、魔物の叡智化としこれからは討伐に力を入れていくことにしました」



 魔物の叡智化……叡智を付けてしまったら本当に手が付けられなくなるだろう。

 叡智を付けられる前に、こちら側がケリをつけ幕引きをしてしまわないといけない。

 そして現段階の状況を見れば、これ以上知能を付けられると不味いことは確定した。



「僕達も、原因究明に力を入れよう。ユニゾンの二人も任されてくれるかな?」


「勿論ですよ、ここまで乗りかかった船です。 途中で降りるなんて無責任なことはしませんよ。ねっ?ラリン」


「ええ、勿論です。 任せてください。 どんな荒波も乗り越えてみせますよ」



 ここまで乗りかかった船だ、後は身を任せる事しか出来ない。海を漂うクラゲのように。



「それは頼もしい限りだ」


「……皆さん……ありがとうございます!」


「よし、そうと決まったらここで立ち止まっている訳には、いかないね。 僕達は今から色々な所へ行き、叡智化した魔物を討伐しながら情報を集める。 そこで、ギルドにある事を頼みたい」


「ある事ですか?」


「あぁ、そうだ。 ユニゾンにも討伐報告免除をしてやってくれないか? これからユニゾンは、あらゆる場所へ行くことになるだろう。その度にここへ帰って来て討伐報告は出来ない。だから僕達と、同じ討伐報告免除を認めて欲しい 」



 どうやら、トワイライトカオスは討伐報告を免除してもらっていたらしい。

 あんなに、外へバンバン行って魔物を討伐しているパーティーが、わざわざここへ帰ってきて毎回報告するのは億劫だろう。

 ギルドの数を増やせば解決するだけの話なのだが、ギルドの数は一向に増えない。解決するのはもっと先だろう。


 ん……? 待って。その報告免除を俺達にもするって事は?もしかして……?


「分かりました。こちらで手続きをしておきます。 なので、ユニゾンの二人は心置き無く言ってきてください」


「え?俺達今から冒険に出かける感じですか?」



 もしかしてが当たった。俺達は今から冒険に出かけないと行けなくなった。

 休みたいと嘆いていたが、もっと休みが貰えなくなってしまった。

 しょうがない。頑張るしかない。



「……? そうだけど」


 さも当然のように言う、ドラゴニックの顔をさっきのグローブを付けて殴りたくなったが堪え、そっと心にしまう。


「成程、成程。 よし、分かりました。任せてください。 ラリン頑張ろうな」


「カインさんとなら、安心して行けます」



 天使の言葉と笑顔を見た瞬間、あぁ冒険しようという心に切り替わる。なんという単純で不純な心なのだろうか。



「それじゃあ、健闘を祈るよ」


 ドラゴニックと別れ、受付のお姉さんから冒険の資金と一枚のカードを渡される。


「冒険の資金はこちらが持ちます。 冒険の資金と、宿を泊まる時にこちらを見せてください。 無料で泊まれるようになっておりますので」



 どうやら、この銀で出来たカードは宿を顔パスで泊まれるものらしい。

 かなり手厚い援助を受け、冒険の準備が終わる。



「では、ユニゾンの健闘を祈っています。 どうか、ご無事で」


「帰って来たら、ここの待合室使わせてもらうね」


「行ってきます」


 お姉さんに、待合室を使わせてもらう約束をし冒険へ赴く。


 ◇◇


 魔物の統率が取れなくなり始めました。抑えていた魔物達の力が開花し始めます。


「……お꙲い꙲お꙲い꙲、一꙲年꙲っ꙲て꙲い꙲う꙲の꙲は꙲嘘꙲か꙲よ꙲…꙲…꙲す꙲ま꙲ね꙲え꙲な꙲後꙲輩꙲…꙲…꙲ラ꙲リ꙲ン꙲」

ではまた。

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