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十二話 :止まらぬ問題

疲れました……。ちゃんと話を練るって大変ですね。ねり飴ぐらい大変です。


あ、更新報告は作者Twitterにて行っております。


作者ページに貼ってありますので、どうぞ行ってくださイカスルメ。

「疲れた……もう魔物討伐したくない」


「ここ、一週間はずっと魔物討伐してますもんね」


 魔物が凶暴化して一週間。俺はずっと凶暴化した魔物達を討伐しては帰るという日々を繰り返していた。


 流石に、体が悲鳴をあげ、疲れた休ませろと懇願してくる。

 それは本体の俺も同じで、めっちゃくちゃ疲れているのである。休みたいのは心と体両方なのだ。


 俺には剣聖の力があるとはいえ、動くのは体だ。疲れは蓄積されていくものだ。


 しかし、魔物の凶暴化も段々と収まっているという話を聞き、もうひと踏ん張りしたら休めると頑張っているのだ。


「でも、段々と収まってきてるみたいだし、もうひと踏ん張りか」


「今日の討伐対象の、ウインターレッサーを討伐しに行きましょう。 これで今日は一息つけるはずです」


「さっさと、終わらせて休みたい」


 Cランク級のウインターレッサーですら、凶暴化の影響で強くなってて、疲れた。

 もう、凶暴化嫌。Cランク級でもBランク級になるって、何事よ。


 序列がおかしくなっちゃうよ。


 いや、そんなことより早くお家に帰って寝たい。


「これで討伐完了ですね。 それにしても、Cランク級のウインターレッサーなのに凶暴化していると強いものですね」


「もう、おうちに帰って休みたい」


「早く帰って休みましょう」


 ギルドに帰り、ウインターレッサーの討伐報告し、待合室の椅子に座り死んだように休む。


「疲れたぁ……」


「お疲れ様です。カインさん。 魔物の凶暴化も収まってきたので明日からの討伐依頼はございませんので、ゆっくりお休み下さい」


「まじで……? いやあ、良かった。 疲れてたから」


 ラリン曰く、明日からの討伐依頼は来ないとの事だった。

 いつ、そんな話をしていたんだ……疲れすぎていて耳が正常に機能してないのか?いや、頭も疲れてきっている。全てが正常に機能してない可能性ありだな。


 まあ、なんにしろ休めるならそれでいい。休めるなら本当に万々歳だ。


「良かったですね。 カインさん。 これミーンです。お家で食べて下さい」


「おっ、ありがとう。 じゃ、今日はここら辺で。 また明日」


「はい、また明日です」


 ラリンが持ってきてくれていた、ミーンを受け取り解散し家に帰り、ラリンから貰ったミーンを食べた後は、死んだように眠り、次の日はいつものようにギルドの待合室に行き、先に座って待っていたラリンに挨拶をする。


「おはよう。ラリン」


「おはようございます。 カインさん」


 今日は、討伐依頼がないということで心が清々しいよ。

 こんな晴れ晴れとした気分は、いつぶりだろうか。


 あぁ、平和だなあ……と思っていたのも束の間だった。


「カインさん! 待ってました! こっちへ来てください!」


「えっ、ちょ」


「あ、待ってください!」


 クエストの受け付けのお姉さんが、息を切らしながら俺を待っていたと言い、また何処かへと手を掴まれ連行される。


 あ、嫌な予感がする……。


「トワイライトカオスさん達、助っ人をお連れしました!」


 連れて行かれた先には、最強パーティと名高いトワイライトカオスの皆さんがいた。


 えっ?何事?怖い、怖い。なんで俺ここに連れてかれた?


 頭の中で、状況整理をしているとトワイライトカオスのリーダーらしき男に話しかけられる。


「君達は?」


「あっ、えっと。 俺は、カイン・ローズベルト」


「私は、ラリン・アルバルクと言います」


「もしかして君達が、旅人の森に出たフレアドラゴンを倒した二人組冒険者かい?」


 ラリンと俺が自己紹介をすると、フレアドラゴンを倒した二人組冒険者?と聞いてきたのだ。


 この人達の所まで、噂が入っているとは……最強パーティーに近付けたか?


 いや、それは自惚れだな。


「あ、そうです。 ちなみに、パーティ名はユニゾンです」


「いい名前だね。 おっと、僕の名前を言ってなかったね。 僕はドラゴニック・バーン。 それとタンクの、ディアンガ・カノン。 神託者の、オラクル・カノン。そして最後に、ペットのサクリファイスだ 」


「ディアンガ・カノンだ。よろしく頼む」


 カダイのいいハゲ頭の、ディアンガ・カノン。腕は筋骨隆々で、長年盾を持っていてることがすぐに分かる。


「オラクル・カノンです。 よろしくお願いします」


 金髪ロングで、目は青色でぷっくらとした唇で、体型はスラリと綺麗なオラクル・カノン。


「キュキュ〜!」


 黒いのか青いのか、どちらにも属さないような色合いをしている背中に翼を生やした、ドラゴンに似た生物のサクリファイス。そんなトワイライトカオスの皆さんと挨拶を交わす。

 こんなイベントが起きるとは……鑑定士をしていた頃の俺には考えられない事だな。


 鑑定士の頃の俺に、お前トワイライトカオスと挨拶を交わしているよって言っても信じないだろうな。


「あ、よ、よろしくお願いします!」


「よろしくお願いします」


「皆さんの自己紹介が終わったところで、本題に入ります。ここ最近の魔物の凶暴化は、みなさんご存知ですよね? 」


「あぁ、知ってるとも」


「その凶暴化の影響で、知性を持たないはずの魔物が知性を持ち始めているとの報告が出始めていているんです。 普段群れをなさない魔物も群れをなし、行動するようになっていて、 このまま、放置してしまったら群れを成した魔物の軍団が、いつ人間を襲いに来てもおかしくない状況になってしまう可能性があるのです」


 どうやら、俺達がここにお呼ばれされた理由は、凶暴化の次のステップに進んでしまった魔物がいるということで、そいつ等を討伐して欲しいとの事だった。


 しかし、知性を付けたならば武器を作り、俺達人間を襲う可能性もあるよな。

 群れをなすだけで終わる可能性もあるが、それだけで終わらない可能性もある。


「それは由々しき事態だ。 早急に対処しなければ、皆が危ない」


「あの、知性を持ち始めているのって、それは群れをなすだけで終わる事なんですか?」


「それは今の段階では分かりません。 ですが、カインさんの言う通り、群れをなすだけでは終わらない可能性もあります、武器を作り武装するかもしれない、そんな可能性もありえます」


「魔物が武装か、それほど恐ろしいもんはねえな」


「僕達は何をしたらいい?」


「知性を持ち始めている魔物の目星は、こちらである程度付けています。 その魔物達を討伐してきて欲しいのです」


 数が増えすぎる前に、少なくしちょっとは有利にしよう。という事か。

 目星が付いているのであれば、そこへ赴き討伐して帰ってくるという感じか。


「成程。 知性を持つ魔物の数を、増えきる前に少ないするという魂胆だね」


「そういう事です。 虱潰しにはなりますが、現状はこの方法しかないです」


「それで、目星が付いているのはどこら辺だい?」


「剣聖の眠る地と、古代都市ジュネシスです」


 剣聖の眠る地と、古代都市ジュエシスか……。


 剣聖の眠る地とは、かつてクリン・アルバルクが魔王を倒し眠ったとされている場所で、広大な高原の真ん中には、クリン・アルバルクここに眠る。と書かれた墓標が置かれている。


 古代都市ジュエシスは、名前の通り古代文明が栄えたとされる場所だが、古代都市の多くは謎とされている。


「成程。 僕達は古代都市ジュエシスに行く。 カイン達は剣聖の眠る地に行ってくれないか?」


「分かりました。 任せて下さい」


 トワイライトカオスが、古代都市ジュエシス。

 俺達が、剣聖の眠る地か。とことん剣聖に縁があるな俺は。


「皆さん、ご健闘を祈っています。 頑張ってください」


「あぁ、任せてくれ。 よしみんな行こう!」


 各自、準備をし各々の討伐対象がいる場所へ向かう。

ではまた。

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