百五話 :じゃあ、またね
ラリンが魔法を制御したことによって4人は同じ位置に立つ。
「土台は出来た。あとは君たち次第だよ、頑張って」
「フリーン・ビュルを倒してこの世界を救ってやるさ。それが目的でここに送ったんだろ?」
「はは、そうだったね。 隼人、ハウエル、君たちは素晴らしい才能を持っている開花すれば、その点だけだったら二人を上回るかもしれない」
「早く開花させないとですね。 敵の力もまだ分かってないので、強くて損なことはありません」
「早く力をつけて、俺もこの世界を救うんだ」
4人の見据える先は同じだ。フリーン・ビュルを倒し、この世界を解放する。元は誰のものでもなかった世界を誰かが我がものにすることなど、許されるべき行為では無いのだ。
人は支え合ってこその生き物だ。従えて恐怖で動かすのでは、いつかは着いて来なくなる。
この土台の上にどんなものを建てるか、それ次第で4人の力の差は埋まるだろう。白髪の少年はそう考えていた。
4人には4人に優る秀でた才能が1つあった。ラリンならば、魔法の腕。カインならば剣術。なら、2人の才能とは。
「じゃあ、ここともおさらばだね。君たちは強くなった、また会えたら会おう。じゃあ、またね」
霞に消えていく白髪の少年は微笑みながら4人を見送る。またいつか会える時を心待ちにして。
カインたちは外に出ていた。来た時にあった遺跡は消えていた。遺跡との別れは少年との別れだとカインに教えていた。また遺跡に会えた時に、あの少年とは会える。そう確信する。
ではまた。




