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九十九話 :もう一人の剣聖

 白髪の少年は、スタートラインに立ったと言う。魔法を無意識に使うことでもなく、使えるようになることでもなく、スタートラインはラリンの魔法発動だった。


「スタートラインって、どういうことだよ」


「その話をする前に、ラリン。 君の話をしよう」


「私のですか?」


「ラリン、君は剣聖の子孫だと分かってるね?」


「え、はい」


「じゃあ、その剣聖の名は?」


「クリン・アルバルクです」


「正解!と言いたいけど、正解じゃないんだ」


 ラリンはカインの鑑定スキルを使っても、ちゃんと剣聖の子孫と表示される。


 世界で剣聖と認知されてるのは、クリン・アルバルク。ただ一人。それが正解じゃなければ、どういうことなのだ。


「あと一人、剣聖はいたんだ。 その名をガーディアン・テイルズ。 歴史の闇に屠られた、剣聖」


「……そんなに、悪いやつだったのか? 歴史に名前すら残すことをなく、消された剣聖ってのは」


「良い奴だったよ。悪いやつなんて言葉がこの世で1番に合わないぐらいにね。 そんな奴が闇に消された理由なんて、簡単だよ。200年前に滅ぼされた、純魔法族を守ったからさ」


「……滅ぼされた純魔法族?」


「純魔族は生まれた時から魔法を無詠唱で使えたんだ。それを脅威、世界を脅かす反乱分子と見なした一国が純魔族を狩り始めた。恐怖は伝播しやすい。例え、相手に牙を剥く意思がなくとも。 世界中で純魔族狩りが始まってしまったんだ」


 生まれた時から魔法を無詠唱で使える。さっき、ラリンも何を考えるわけでもなく、まるでそれが最初から備え付けられていたように魔法を発動した。


「ってことは、ラリンは純魔法族なのか?」


「あぁ、彼女は紛れもない最期の純魔族」


「でも、200年前も前の話なんだろ? なら、なんでラリンは生きてるんだ?」


「……全部を話そう。 命を賭けて、君を守った剣聖ガーディアン・テイルズのことを」

ではまた。

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