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十話 :騙されし者

次の日朝早いので、こんな時間に投稿です。


Twitterにて、更新報告してるので作者ページからどぞ。

「これより第一回ユニゾン緊急会議を開始する」


「カインさん、そんなノリで始めるものじゃありませんよ。 かなり大事なことなんですから」


 ちょっと空気が重かったため、冗談をスルッと入れてみたが、神妙な顔持ちのラリンに注意されてしまった。


 確かにここでふざけるのは場違いかもしれない。ちゃんとしよう。


「うっ、確かにそうだ。 真剣に話そう。 まず、この防具の何が危険かを探ってみよう」


「危険がそんなに対した、危険では無かったらこのスキルの過剰反応ってことになりますもんね」


「そうである事を願いたいけどね」


「とりあえず付けてみますね」


「分かった、俺はステータスを見てMPやHPが減ってないか確認するよ」


「どうですか?」


「いやあ、何処も減ってないな。 一ミリたりとも動かん。 こいつらかなりの頑固者で不動だな」


 ラリンが、防具を付けMPやHPが減ってないか確認するが何も減らず、防具を付ける前と同じままだった。


 後、俺の冗談は華麗にスルーされた。悲しい。

 少しは反応が欲しかった。注意でもいいから。


「てことは、この防具は危険性がないってことですか?」


「ん〜いや、そういうことでないと思う。 スキルが誤作動する事なんて有り得ないはずだし。 でも、危険なんだよなあ……」


「分かりませんね。 とりあえずカインさんの方も確認してみましょう」


「そうだね。 よいしょっと」


「どうですか?」


「……MPが減っていってる」


 魔法を無効化にする防具を付けると、MPが徐々に減っていくのを確認できた。

 つまりこの防具は、MPを減らす危険があるという事になる。


「MPが減っている、つまり危険性があるって事ですね」


「そういう事になる。 フィリルの所へ行く。 何があるか分からないし、危ないからラリンはここに居てくれ」


「私も行きます。 私達は常に同じ立場何ですから、危ない時も一緒ですよ」


「へっ……カッコつけたのに、ラリンの方がカッコいいよ」


「カッコイイだなんて……!」


 カッコイイと言うと、少し間が空きラリンの語調も強くなる。


 あっ、やべ。女の子にカッコイイは禁句だったか……?


「あっ、悪い。 可愛いの方が良かったよな……女の子だもんな」


「光栄です!」


「あら、そう?」


 慌てて可愛いと訂正したが、何故かラリンは光栄と言ってきて、顔に後光が溢れ出る。


 うっ、眩しい。カッコイイと言われてこんなに喜ぶなんて予想外だ。

 ラリンみたいな子もいるんだな。


「開けゴマ!」


 数時間前まで居た、フィリルの研究所(元封印場所)へ着くと、片付けをしていたフィリルが俺達に気付きら手に持っていた荷物をそこら辺に置き話しかけて来る。


「おや、少年と少女じゃないか。 どうしたんだい? そんな、血相を変えて今にも私を問い詰めそうな顔をしていて、怖いよ」


「フィリル……この防具を付けるとMPが減るんだ。 一体どういうことだ?」


「なんだ、そんな事かい? 魔法を無効化する代わりにMPを自動で吸い取る仕組みなんだ。 それで自己発電って感じだよ」


 グイッと、近寄り問い詰めるとフィリルは、なんだそんな事かい?とあっけらかんに言い、防具の説明を丁寧にしてくれた。


 どうやら、この防具はMPを魔法を無効化する代わりに、MPを搾り取り魔法を無効化する仕組みらしい。


 まじかよ……じゃあ杞憂だったってことかよ。

 そんなことにも気付けなくて、フィリルを疑った昔の自分の心臓にナイフを突き刺してやりたい。


「へっ……? 魔法を無効化する代わりにMPを吸い取る?」


「そう、そういう事」


「何だあ……フィリルがよからぬ事を企んでて俺らを嵌めるために、こんなことしたんじゃないかと思ったよ」


「そんな事しないよ。 心外だな」


 心外だな、と言われ俺の心が抉れるを感じる。

 うっ、心に効くぜ……。


「えっと……私のスキルで、くれた髪飾りが危険だと判断されて、これは一体?」


「少女にあげた、髪飾りが危険? あぁ、多分それは頭の回転を早くする髪飾りだから、危険だと判断されのだろう。 普段より早く頭を使うと脳にも影響が及ぶだから危険と判断されたのだろう」


 ラリンの髪飾りは、どうやら普段より頭の回転を倍にするという物で脳をいつも以上に酷使するから、スキルがそれを危険と判断らしい。


 つまり全て俺達の考えすぎで、杞憂だったっていうわけだ。


「な、なるほど。 なら、フィリルさんは私達を嵌めようとか、危ない目に合わせようとかは考えてなかったんですね。」


「考えてないよ。 君達が安全に冒険が出来るようにと思って、あげた防具達だからね」


 フィリルが、安全に冒険が出来るようにと渡してくれた防具を俺達は疑って……本当にすみませんでした。


 許してください。心の中でめっちゃ反省してます。逆立ちで謝れと言われてもするぐらい反省してます。


「そ、そうなんですね。 疑ってすみませんでした」


「本当にすみませんでした」


「いや、危ないと判断されたものをちゃんと持ってきて聞くのは偉いことだよ。 大丈夫」


 フィリルは、俺達の事を問い詰めることも無く笑顔で、危険だと判断されたものを持ってくるのは偉いと褒めてくれた。

 ますます自分が情けなく思うよ。


「よし、問題は解決し帰ろう。 じゃあなフィリル。また来るよ」


「いつでも待ってるよ」


 称号 騙されし者達を獲得しました。


 フィリルの研究所から、出ると新しい称号を獲得する。


 何だこの馬鹿にされている、不名誉な称号は。

 いらんぞ。早急に破棄してやりたいな。


「カインさん。 何ですかね?この称号」


「ラリンも。獲得したのか?」


「はい。 私もあります」


「二人同じのを獲得なんてあるんだな」


「たまたまじゃないですか?」


「たまたまか。そうだな。たまたまだ」


 どうやら、ラリンも同じ称号を獲得したらしいが、剣聖の子孫だし称号獲得も普通なんだな。


 ◇◇


 二代目剣聖と貴方の子孫が、元魔王に騙されてます。


「お꙲い꙲お꙲い꙲、気꙲付꙲い꙲て꙲く꙲れ꙲よ꙲二꙲代꙲目꙲。俺꙲も꙲長꙲く꙲は꙲持꙲た꙲ね꙲え꙲。 頑꙲張꙲れ꙲よ꙲ラ꙲リ꙲ン꙲」


ではまた。

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