表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
A love capriccio  作者:
37/67

生徒会長とは?<綺羅の章>

 教室に入ると綺羅は、ホッとした。見知った顔ばかりのこの空間が一番安心する。


 「はよ。大変だったみたいじゃん」

 「圭君。おはよう。うーん、もう慣れちゃったよ」

 「あと、しばらくの辛抱だって。あと一カ月もすれば、要がどんな人間か理解して誰も近付かないって」


 圭太の言葉に綺羅は、否定も肯定もせずに笑ってごまかす。


 「ところで礼奈さんは?」

 「一度、生徒会室に行ってくるって」

 「え〜。ったく、要にしても礼奈さんにしてもまだ正式メンバーじゃないんだからこき使うなよな。しょうもない、会長だなぁ」

 「恨むなら、あのしょうもない男を生徒会長にした教師達と先輩方に文句を言うんだな」

 「あれ? 瑠璃、知ってるの? あの会長さん」

 「礼の弟だ」


 軽い舌打ちとその眉間の皺にあまり良く思っていないことが見て取れた。


 「あいつは、やる気がないくせにほいほい引き受ける。そして周囲に害を催す。やる気がないなら始めから引き受けなければいいんだ」

 「人からのお願い事は、なかなか断れないからね」

 「違う! きぃちゃんの場合と一緒にするな。きぃちゃんは、引き受けたからにはきっちり真面目に役目を全うするだろう? あいつは、最初からそんな気は全くない上、わざとやらないんだ。そしてその様を内心笑ってみてるんだ!!」


 瑠璃から出る会長の人物評価に綺羅と圭太は、頬を引きつらせる。


 確かにそんな人間なら嫌だ。最初から手を出さずにいて欲しい。それが精神衛生上ありがたい。


 「でもでも、顔はさすがに礼人さんの弟って感じよね」

 「へー、静音がそう言うからには相当イケメンだな」


 静音のイケメンチェックは、かなり厳しい。その代わり、彼女が認めた男達は本物だと他の女子生徒も認めるところで、彼女の不定期発行のイケメンランク新聞は、人気を博している。


 「か・お・だけな」

 「あら〜、顔だけけっこう。世の女性にとっては目の保養が出来て素晴らしい存在よ」

 「静音。いつか、痛い目見るぞ」

 「ふふふ。肝に銘じておくわ」


 結局、要と礼奈が戻ってきたのは、始業のチャイムと同時で挨拶を交わすだけに終わった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ