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A love capriccio  作者:
34/67

ささやかな願い<綺羅の章>

 「高等部進学おめでとう。綺羅」

 「ありがとう、パパ」

 「入学式に行けなくてすまないね」

 「ううん、大丈夫だよ。心配しないで。そうそう入学式でね…………」


 パパとの電話。私が一人で寂しくないように、出張の時はいつも出先から連絡をくれる。とても楽しくて、そして悲しい時間。


 それでも、あの人と話す時間とは違い苦痛は伴わないからまし。


 今日は、私が通う湊総合学園高等部の入学式。高校生と言われる立場になると少し大人になった気がしてちょっとドキドキする。


 高校生になっても私の所属する特別クラスの面々は変わらない。変わったのは、制服と校舎くらい。


 制服は、紺のブレザーにチェックのスカート。そして、学年を表す赤のリボンタイ。


 「何か変わるといいなぁ」


 部屋の窓から見える星空に願った。


 小さい頃から願ってきたこと。もちろん、その願いが叶ったことはないけど。


 綺羅は、小さく溜息をつくと机の上に飾った写真立てに目をやる。そこには、いくつかの写真があった。


 父親と綺羅の写真、仲良しの友人との写真、そして要君との写真。


 自分にとってなくてはならない人達の写真に自然と顔がほころぶ。


 それと同時に思いだす。机の奥に隠された写真の存在を。

 

 その途端に綺羅の瞳は、暗く陰った。


 捨てようと思っても捨てられないやっかいな物。


 「…………大嫌い」




 



いきなり、季節が飛びます。

のっけからあんまり明るくは、ないです。

綺羅の章は、綺羅がトラウマとコンプレックスを克服しようというお話になる予定。

あくまで、予定ですがどうかお付き合いください。

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