Girl's Talk 5<夏休み編>
「へー、そんなことがあったとわねぇ〜」
「あぁ、確かその次の日に熱を出したんじゃなかったかしら」
「うん。元気になった途端、『眠り姫は、やらん!!』って宣言した」
瑠璃から、話の顛末を聞いた三人は、当時のことを思い出したらしい。その後も楽しそうに話している。
しかし、当の本人はというと最後まで話した後は、力つきたのか布団に倒れ込むとそのまま小さくなっている。
「で、あの礼人さんが謝罪したわけ? ちょっと信じられないんだけど」
「というよりも、誤解が解けたのがつい最近なのが驚きね」
まだまだ追求の手は止まないらしい。静音の追求が激しいのは諦めていたけれど、それ以上に礼奈の追求がここまでしつこいとは思わなかった。
「絶交していたからな。それに、ああ見えて礼は自分が犯した過ちについては潔く謝るぞ」
「でも、瑠璃ちゃんと無事にくっついたんだから、別に謝る必要はない気がするけどなぁ?」
「今はそうでも当時は無理矢理なのだから謝るべきだ!! それとも何かきぃちゃんは、許せるのか?」
「うーん、私の場合も似たり寄ったりかなぁ。でも、要君は謝らなかったよ。付き合ったんだから問題ないし、俺は好きだったからしたまでだって」
綺羅の言葉に、がばっと勢いよく体を起こした瑠璃は、彼女の両肩をつかみ揺さぶる。
「きぃちゃん!! いいのか! そんなので!!」
「うーん、ああも開き直られるとね。それに私は嫌ではなかったし。いいんじゃないかなぁ」
「信じられない。………………あの男め、いつかしめる」
こんな調子で、彼女達は夜明け頃までおしゃべりし続けたのだった。