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A love capriccio  作者:
11/67

瑠璃の瞳<瑠璃の章>

 ドサッ。


 何とか瑠璃を抱きとめた礼人だったが、芝に足を滑らせ背中から地面に倒れ込んだ。だが、きつく抱き締めたおかげで腕の中の瑠璃を落とすことはなかった。


 (何とかなりましたね。しかし、嫌に静かですね?)


 てっきり暴れるかと思いきや、腕の中の瑠璃はとても静かだった。礼人は、体を起こすと自分の膝の上に座る瑠璃の様子を覗う。

 すると、木の上から落下したショックからか瞳を大きく見開き呆然とした表情を浮かべている。


 (おやおや、この反応は意外でしたね。さて、どうしたものでしょうか…………。しかし、聞いた通りのきれいな瞳ですね)



 礼人は、友人から聞いていたその濃い青の瞳を顔を近付けて覗き込んだ。


 姉の瑠花も薄い青色の瞳を持っているが、瑠璃のそれはもっと濃く鮮やかだ。どうも父方の家系でたまに出る色らしく、それが名前の由来であると聞いた。


 「…………うぅ…………ひっ………」


 やっと現実に戻ってきたのか、瑠璃は、泣きだす。しかし、懸命に声を出すまいと耐えているようだ。


 「我慢する必要はありません。お泣きなさい。けれど、もう同じことをしてはいけませんよ。今回は、僕が傍にいたからいいものの1人だったら確実に大怪我をしていますからね」


 礼人は、瑠璃を優しく抱き締め立ち上がると、その背を優しく撫でてやった。すると、瑠璃は、礼人の首にしがみ付き声を大きな声を上げて泣き出した。

 

 その声の大きさに顔を一瞬顰めつつも、礼人はそのまま泣きやむまであやし続けた。すると、その途中で小さく「ごめんなさい」と瑠璃が謝ったのを聞くと優しく頭を撫でたのだった。

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