キノコ好きな女僧侶
しばらくは、剣士と魔法使いと、若干の距離を取りなから、勇者は座って僧侶が戻ってくるのを待っていた。
「あいつ、遅いなぁ。魔物に襲われたりしてねぇだろうな?」
剣士が戻りの遅い僧侶を心配げに言った。
「あの子、キノコ探しになったら周り見えないから、、、もう少ししたら探しに行きましょうか。」
どうやら、僧侶はキノコを取りに行っている様だ。
「なぜキノコなんだ。」
そういう話にはまっさりの勇者は、
女僧侶がキノコを取りに行っているというシチュエーションだけで、
胸が踊るほどのチェリー具合であった。
そんな非日常の世界に飛ばされても、下心を忘れない勇者だが、やはり剣士と魔法使いのコスプレしている男女がこんな山の中にいること、そして、僧侶のコスプレをした僧侶が山でキノコを探しているという勇者的胸アツ事案に対しても、はなはだ不信に思うところも継続して感じているところだ。
「こいつら、山でコスプレしがらエッチなことするやばいやつらとかじゃあないよなぁ。」
などと小声でやれやれと呟きながらも、
内心はそうであった場合の自分の貞操が失われるかもしれない境遇に歓喜している勇者なのだった。
しかし実際の二人は時間が経つにつれて表情は深刻そうになっていっているのが勇者にも感じとれた。
結局、合流して20分近くが経ったとき、
「うん、やっぱりさすがに探しに行くか。あいつ攻撃系のスキルからっきしだし、万が一が心配だ。」
剣士が腰を上げるとともに、魔法使いも同じく腰を上げて、スカートの砂をはたく。と同時にスカートがめくれ、スカートの中が勇者の目に入る。
「ノ、ノーパンっ」
「や、やっぱりこの二人は山で変なことをしに来たに違いない。覚悟を決めろ、オレ!」
心臓の謎の高鳴りを感じる。
が、そんなスケベ心とは裏腹に、遠くから僧侶の叫び声が聞こえた。
「キャーキャー、イヤー、ヤメテー、イヤー、、、」
木々から鳥が逃げていく様に飛び立つ音と、
それとともに僧侶の声は段々と小さくなった。
「やばい、急ぐぞっ!」
剣士に言われるがままに、
勇者は魔法使いと一緒にパジャマ姿で走った。