プロローグ
───西暦2015年
地球という名の世界は崩壊した。
原因は日本の東京・渋谷区の上空に突如として現れた大穴が開き、その穴から人ならざるものが大量になだれ込んできたのだ。
なだれ込んできた人ならざるものは人を喰らい、建物を破壊し、同族で殺し合い、街……否、国中を蹂躙していった。
それに対抗するべく自衛隊が出動しても、戦車や戦闘機が動き回ってもその悉くを粉砕して人々の心を折っていった。
誰もが終わった、そう絶望の淵に立たされた時、7人の人+αが立ち上がった。
1人は、純白で光り輝く鎧と剣を持った青年で、人ならざるものを次々と打ち倒し、
1人は、女性の僧侶姿をして杖を持った少女で、先程の青年の補助をし、
1人は、青年程ではないにしろ輝く鎧と剣を持った少年で、僧侶の少女に人ならざるものが触れないように守護をし、
1人は、魔女の様な格好をした少女で、様々な魔法を絨毯爆撃の如き勢いで放っていき、
1人は、今まで引きこもってましたと言わんばかりのジャージ姿に弓を持った少女で、何処からか現れた矢で青年少女らが討ち漏らした人ならざるものを的確に穿ち、
1人は、巌の様な強面の老人で、その屈強な身体を使い、前線で青年と共に人ならざるものを討ち、
+αは、老人に叱咤され、立ち直った黒服の集団が老人の指揮の元に逃げ遅れの一般人や重症だがまだ生きている自衛隊員を逃がしたりし、
最後の1人は、黒から変色した銀の長髪と金の瞳を持つ少女の如き華奢な体躯をした少年で、亜光速の速さで地球中を飛び回り日本外に飛び去った飛行型の人ならざるもの……ワイバーンやドラゴンを一斬の元に討ちまくる。
この7人の人物により、この事態は収集した。
その直後、天が光り輝いて、1人の天使?が舞い降り、世界中にこう語った。
「皆様、私の声が聞こえるのならば、私の話を聞いて下さい。私は、あなたがたで言う神という概念体。名をアスフィーと言います。この世界を含め、行く数多の世界の均衡を保つ機関です。しかし、その均衡は私の不注意と私と对を為して世界の破壊を目論む神の概念体により、呆気なく崩されてしまいました。これは私の罪であり、裁かれるべきでしょう。しかし、概念体故に肉体を持たない上、長く世界に干渉は出来ません。故に、重要なことは先に告げておきます。まず、足りないだろうと思いますが、魔獣に対抗する術を皆さんに与えました。上から目線で申し訳ございません。その術とはステータス、と念じると確認できます。ステータスは先天的なものと後天的なものがあります。先天的なものはユニーク、後天的なものはノーマルとエキストラ、計3種のスキルがあります。これらは鍛えれば鍛えるほど育ち、強くなります。次に筋力や敏捷、魔力といった項目は、現状の貴方方の身体スペックを数値化したものです。これらも鍛えるほど数値は上昇します。スキルの詳細はステータスのホログラムにあるスキルをタップすると分かりますよ。ステータスについては大まかな事を教えました。他にも様々な機能があるので暇な時に試して見てください。最後にこれだけは言っておかなければなりません。そのステータスは力そのもの。扱い方によっては非道にも聖人にもなる。なので、扱いを決して違えないようお願いします。それと、空に浮かぶ穴を閉じようと干渉してみたのですが出来ませんでした。非力な私で申し訳ございません。あの穴は行く数多の世界と繋がる穴。もしかしたらこの世界とは異なる世界の住人が迷い込んだり、侵略してくるかもしれないのでお気をつけてください。私は、この穴を閉じる方法を詮索します。閉じる目処が経った頃に再びこの地に現れることを誓います。皆様に幸有れ。」
それだけ語ったら、天に帰って行った。
それを見届けたあと、政府は落ち着いて事態の収集に取り掛かった。
まずは7人の保護という名の確保と国の人形となるように仕向けること、
貰った力を正しく扱うための学園設立の計画
対魔獣部隊の作成
侵入禁止指定範囲の確立と警備
などといった問題の対処や、被害に合った外国との話し合いによる今後の動きを明確化
各国総出で執り行われた。
その結果、紛争やデモは起きれど戦争は阻止、力に溺れないよう厳重な警戒はしても、罰は与えない。
そこから更に発展し、問題は難なく解決した。
ちなみに7人の人物は呆気なく確保出来てしまった。が、国の人形には出来なかった。とだけ言っておこう。
そんな大奮闘から数百年後にアスフィーの懸念通り侵略された。が、時間厳守などと言った規律?のおかげか、直ぐに終わり、侵略してきた国とは条約を交わした。
そして、そんな事が幾度もあったからか、地球という名は世界同士を繋ぐための仲介役となり、拡張世界アスフィと呼ばれるようになった。
そして、
──────西暦3097年・現在
と、月日は経っていた。