第3話●透き通った赤い髪の少女
タッタッタッ
音が発生した方へ着くと、そこには1人の少女がうつ伏せに倒れていた。
透き通った赤い髪の少女だ。
全身に多くの擦り傷があり、気絶している。
「これは大変だ。直ぐに手当しないと」
急いで少女を家までおぶっていき、家まで運び、擦り傷の手当をして、布団で寝かせた。
まだ、意識はない。
少しして、少女の姿をよく見てみると、見たことの無いような綺麗な服を着ていて、手には1冊の書物を握っていた。
「基仙書、なんだこれ?」
僕は少女が握っていた基仙書という書物を、そーっと手に取ろうとした。
と、その時
「あれ、私は…… ここは何処?」
「おっ、目を覚ましたか。ここは僕の家だよ。
君が野菜畑で倒れていたから、家で手当したんだよ。はい、これ飲む?」
叶人は自家製の野菜スープを少女に与えた。
「あ、どうもありがとう 」
少女は勢いよくスープを飲み干した。余程空腹だったのだろう。
「あのー、えっと、君は一体何者なんだい?
見に纏まとっている服だって、この都市のものでは無いだろう?」
「私はコノハ。何者かは教えられないの
わざわざ助けてもらったのにごめんなさい」
そう言うとコノハは口篭くちごもってしまった。
「うーん、誰にも言わないから教えてくれないか?」
「すみません。 どうしても言えないことなの」
そう言うと、また口篭もってしまった。
「じゃあ、満腹になるまで飯食べていいから、その交換条件として教えてくれないか?
さっきから、ずっとお腹鳴っているぞ」
コノハは赤面した。
そして、下を俯きながら、静かにこう言った。
「絶対に他の者に話さないと約束してくれます?」
「あぁ、勿論だ」
そう言うと、コノハは深呼吸して言った。
「私は、蓬莱山に住む仙人です」