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隣の席のヒーロー  作者: 由妃
1/1

学校

ジリリリリリ。

 目覚まし時計の音が鳴り響く。

 (朝…起きなきゃ)

 体を起こして目覚まし時計を止める。制服に着替えて朝ごはんを作り家を出る。

 家を出た時刻、4時30分

 (ちょっと早かったかな…)

 ♠

 (さて、水やりする前にっと)

 隣の席、望の席にお金を置く。そして持ってきた花を教室の花瓶の中の花と入れ替え次の教室へ全部回ったのを確認して外の花壇に出る。

 (花、増やそうかな…)

 そんな事を考えていると後ろから後ろか肩を叩かれた。

 「おはよう幽梨さん。朝から元気だね。花は大丈夫?」

 「如月先生おはようございます。珍しいですね。いつもなら後一時間後に来るのに」

 「来週文化祭があるでしょ?。それで昨日は学校に泊まってたの」

 あくびをする。本当に眠そうだ

 「如月先生毎度のことよく私を見つけられますよね。」

 「勘」

 「はぁ、そうですか…」

 先生は職員室に向かい「一眠りしてくる」と言い残して行ってしまった。 裏の顔が無く優しい先生だ。先生のおかげで出席も大丈夫。なのに結婚していないってある意味すごいな。まぁ、まだ20歳だから余裕があるんだろう。

 よし!水やり終了!戻りますか。

 「おーーい!」

 (先生、何か忘れ物でもしたのかな?)

 とりあえず後ろを振り向く呼ばれたんだから振り返らなくては。そう思って後ろを振り向く。いたのは望君だった。悟った途端に校舎に向かってダッシュ。

 (マラソン大会では1位の私をなめるな!まぁ、1位でもゴールしたことすら気づかれなかったけど…けど校舎内をついてこられたらやっかいだしどっかで撒くか…)

 そう思い職員室にむけて、さらにスピードを上げる

 「先生!失礼します。匿ってください。」

 「どうしたのいきなり?まあとりあえず隠れときなさい」

 「ありがとうございます。失礼します。」

 そう言い机の下に隠れる。やっぱり優しい先生だ。

 「失礼します。幽梨ちゃんいませんか?」

 

 「ここに赤咲さんはいないよ。後、廊下は走らない」

 そう言ってやると彼は少しびびって帰って行った。もちろん廊下を歩いて。

 「先生、どうも」

 「ハイハイ」

 「そうだ先生。屋上の鍵、今日だけ貸してください」

 「いいわよ。無くさないでね」

 「分かっています。それじゃあ先生、私は図書室に引きこもっとくんで出席お願いします」

 そして職員室を出る。その時はもう7 時で部活が始まる時間だ。彼も追っては来ないだろう。大人しく本を読もう。

 ♠

 部活が終わって昼休みまで行った。休み時間になる度に屋上にいってるおかげで逃げられている。どうかこのまま終わることを祈ろう。昼飯は先生の所にでも行って駄弁ろう。まあ、いつも行くんだけどね…屋上のドアを開け購買に行く。なんで昼飯を忘れたんだ私…自分を後悔しながら向かう。さすが昼休みの購買だ。戦場になっている。何とか人と人の間を抜けパンとおにぎりをゲット。先生は進路相談室だろう。進路相談室に向かうと中から女の子が一人出てきた。勇気を持った顔をしている。先生に恋愛相談をしに来たのだろう。しかも的中率が意外と高く今では先生の写真をホーム画面にすると告白が上手くいくと言う。先生もたまったもんじゃないな。

 「失礼します。」

 「いらっしゃい幽梨さん。早速で悪いんだけどおにぎりくれない?」

 先生のお腹からキュルルルルとお腹が鳴る音が聞こえる。

 「お疲れ様です如月先生。また恋愛相談ですか?」

 「ありがとう。この時間まで聞いてると購買は売り切れだから助かるわ。今日の子は前相談しに来た男の子が好きって言っていた子でその子もあの男の子が好きで告白するべきか聞きに来たからしてきなさいって言ったからそのうち報告しにくるんじゃない?」

 「先生、写真撮られましたか?」

 「えっ、撮られたけど?なんか記念にって」

 「お疲れ様です先生。」

 哀れみの笑顔を向ける

 あぁまた噂が広まっていく。

 「ちょっとどういうこと?」

 ペリペリ

 おにぎりを開けて一口口に入れる先生。

 「そう言えば幽梨さん。朝追っかけてきた男の子ってあなたと同じクラスの霧隠 望君だったよね?なんで追ってきたの?」

 「知りませんよ。まあ私が逃げたからでしょうけど…」

 「そりゃ追いかけるわよ」

 「誰だって逃げますよ。話かけられる理由なんてないのに…」

 だめだ、何も思いつかない。そう言えばジャラジャラと音が聞こえたような…

 「ご馳走さまでした。いつもありがとう」

 「いえいえ、出席とテストのお礼です」

 後ろの席だからテストが回ってこずいつも先生の所に行きテストを受けている。

 「そうそう幽梨さん、中間テスト返すね。いつもどうり全教科満点」

 「ありがとうございます」

 「もういつもどうりすぎて慣れたわ」

 「いやいや、今回の数学で難しい問題ありましたよ。正解している人は一握りしかいないんじゃないんですか?」

 「あなたしか正解していなかったわよ、あんな大学の入試問題。あっ、でも惜しい間違いをしていた子が一人いたかな。確か霧隠君だったかしら」

 時間が間に合わなかったのかな。私も残り10 分で終わってぎりぎりだったし。

 「先生、屋上の鍵返します」

 鍵を机の上に置く

 「ハイハイ。そうだ幽梨さん。午後の授業ここで受ける?多分午後はテスト返しで幽梨さん暇になるだろうし。私も午後は授業無いし」

 「お願いします。それじゃあカバンも持ってきます。こっちの方が早いですし」

 ガラガラガラ

 教室は昼休みなだけあって賑わっている。午後はテスト返しで絶望するのに…

 カバンに教科書などを入れドアを開ける。

 「あれ、幽梨ちゃん帰るの?」

 今一番会いたくない人に会ってしまった。

 「いえ、帰らないわ。如月先生に呼び出されてついでに下で授業を受けるの」

 「へぇー。そうだ、幽梨ちゃん!今日一緒に帰らない?」

 「帰る時間が会えばいいわよ。それじゃあテスト返し頑張ってね」

 廊下に出て下に降りる。

 よし!如月先生に早く終わるか遅く終わるように頼もう。

 キーンコーンカーンコーン

 「よろしくお願いします」

 「お願いします」

 軽く挨拶を済ませ椅子に座る。

 「幽梨さん授業は特に進むことはないから文化祭について話しましょうか。先生非番だし手伝うよ?」

 やりたいことはないしお金を稼ぐ方法は店を出すことでしかないからそうなると私達に出来ることは‥‥

 「そうだ先生!この教室使って花、売りましょうか!後ろの黒板使って黒板アートすれば売れると思いますよ?」

 一応成績はオール5を取っているし絵を描くのは結構好きだから問題ない。

 「それじゃあ花を売るってことで行くわよ。店番は私がやるわ」

 「私はお金の計算しますよ」

 キーンコーンカーンコーン

 「6限目は特にやること無いし幽梨さん、帰る?」

 「いいんですか?」

 「いいのいいの。学校に居ても暇でしょ?」

 「あ、じゃあ如月先生。もし、他の生徒が帰っても校門に望君がいたら私は帰ったって言っといてください」

 「はい、わかりました。それじゃあさようなら幽梨さん」

 「さようなら」

 キーンコーンカーンコーン

 今から皆、文化祭について話すんだなー。まぁ、関係ないか。帰りに花買って行こうかな?次は何買おうかな?黒板アートには何を描こっかなー?とりあえずデパートに行かなくては。

 ♠

 (終わった終わった。皆盛り上がり過ぎでしょ。結局和風喫茶になったけど…幽梨ちゃん待っているかな?)

 校門にはいなかった。

 「あれ、望?何、一人なの?一緒に帰ろ!」

 「ごめん。今日先客がいるから」

 「そっか、残念。バイバイ」

 手を振り返す。

 (テスト惜しかったなー。あと10 分はほしかったかな。)

 生徒達が帰っていく。なかなか現れない。携帯聞けばよかったな後悔する。

 「ハイハイそこの君!帰る時間だよーー」

 「すみません如月先生。人を待っていて…」

 「幽梨さんなら帰ったわよ6限目に」

 「そうですか。ありがとうございます」

 「そうだ!ねえねえ、文化祭で暇な時間ある?」

 「ありますけど…」

 「手伝ってくれない?2人じゃちょっと厳しいし、売上も稼ぎたいから…」

 「人をマスコットみたいに扱わないでくださいよ。ちなみにあともう1人は誰ですか?」

 「幽梨さん♪」

 「やりましょう!」

 (青春だねーー。頑張れ幽梨さん)

 何かを遠い目で見るように空を見上げる如月先生。

 (今、寒気がしたような…あっ!この花いいなー)

 何も知らずに花選びに夢中の幽梨。

 (今日の晩御飯は肉じゃがにしようかな?)

次回は

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