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クラスの女子全員+俺だけの異世界召喚  作者: うなぎ
刀神編

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203/410

祭りへ


 気絶した亞里亞を囲む二人の男性。

 教皇と枢機卿だ。

 

「アリア、起きなさいアリア」

「気絶してしまいましたね」


 亞里亞は意識を失っており、教皇の下品な刺激に反応することはなかった。 


「いかがいたしますか教皇聖下?」

「まあ、よいでしょう。今日はもともとそのつもりはなかったのです。すべては……グラン・カーニバルにて」

「……聖下の御心のままに」


「皆、聞きなさい」

 

 教皇が言った。その声は信者の前で演説をするときのように張り上げらており、この地にいる多くの女性の耳へと届いている。


「彼女はグラン・カーニバルの主役。丁重に扱いなさい」


 女性たちは顔をしかめた。

 彼女たちはグラン・カーニバルのことを知っている。うち何人かは今の亞里亞と同じように主役・・の一人を務めたこともある。何も知らぬ少女に課せられるあの苦悩は、たとえ他人事であっても不快以外のなにものでもない。


 ただ、どれだけ不快に感じても……それを表に出すことはできない。

 彼女たちはある種の奴隷だ。家族のため、自分のため、あるいは大切な人のために教皇へ差し出された人身御供。

 感情を表に出してはならない。不愛想であってもならない。ただただ教皇の劣情を煽ることだけがすべて。そうしなければここから抜け出すことはできないのだから。


「また新しい女の人……。やだやだ教皇様! あたしだけを見て」

「教皇様は私のです!」

「教皇様ぁ~、好き……世界一愛してるぅ~」


 演技も甚だしい発言。一部の女性は己の感情を隠しきることができず、苦悶の表情を浮かべている。

 だがそれを教皇も気がついている。むしろその様子を見て、それを強いることができるだけの自らの権力に喜ぶ。


 聖女亞里亞の悪夢は終わらない。

 すべては、国を挙げての大祭典であるグラン・カーニバルに収束する。

 

2019/9/6 運営の警告により半分以上を削除。

レオス司祭→枢機卿へ。

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