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プロローグ
出入り口の扉が、荒々しく開け放たれた。
雪崩れ込んで入ってきた男たちが、聖人像を叩き壊していく。
美しい色彩の光を放つステンドグラスが、無残にも突き破られていった。
長椅子は倒され、偉人たちの墓石は粉々に砕かれている。
「全員殺せ。司祭もだ」
次々に喉をかき切られ、飛び散る血が壁や床を汚していく。
血の海が広がっていた。
「無能な修道僧などこの町にはいらん。食うか食われるかの世の中に神の救いなどあるものか」
殺らなきゃ殺られる。人間の生活を守るためには、戦うしかなかった。
妖魔との条約は破棄された。唯一交渉を認められている教会は、奴らを制圧することも牽制することもできず、今や狩猟禁止区域でもおかまいなしに妖魔が現れている。家族や恋人を奪われて残された者たちは怒り狂い、あちこちで暴動が起こっていた。無認可のハンターが激増し、日に日に勢力を増している。
「教会に従っていても現状は変わらねえ。もう脅えて暮らす日にゃうんざりだ」
人間と妖魔の共存は、誰もが不可能だと感じていた。
作品を読んで下さり、ありがとうございます。誤字脱字等ありましたら、誤字報告にてご指摘頂ければ確認次第修正致します。引き続き、最後までお付き合い頂けると嬉しいです。




