3話:バカ
(キーンコーンカーンコーン)
「よし、授業は終わりだ。さっき渡したプリントをちゃんとやっとくように。」
起立。気を付け。礼。と号令の合図がなり、国語の授業が終わった。
「ふぅー終わったー疲れたー。」
「お疲れ!!!」
俺の背中を叩いてきたのは、優馬だ。
「…何しに来た?」
「何しにきたとは失礼だなぁー!遊びにきてやったんだぞ!?涼暉ちゃんの為に!!」
…。ウザい。ほんとにウザい。〇ねばいいのに。
まぁそこまでは思ってないけど、メンドクサイ。
「あー、はいはい。何して遊ぶ?お前を窓から出して遊ぶ?」
「あー!それいいねぇ…って死ぬわ!」
と漫才みたいな芸をやっていたら次の授業が始まるチャイムが鳴った。
「あ、やべっ。俺戻らないと…後からまた来るわ!」
「あー、はいはい。」
いつもの言葉で答えた。そしたら隣の藍原さんがこう言った。
「仲良しなんですね。工藤くん達は。」
「まぁ幼馴染みだからな。仕方ねぇよ。」
「いや、そういう関係はいいなって…私は…」
藍原さんは何かを言いたそうにしていたが口を閉じてしまった。
2時間目が始まった。
2時間目は数学だ…俺の嫌いな…数学。泣くぞコラ。
「よーし、今日は二次関数の勉強をすっぞー。ノート用意しろお前らー」
はぁ…なんで数学なんてしなくちゃいけないんだ!
将来数学者になる訳でもないのに!
そう言ってたらキリが無い。
「じゃあまずは基本だぞー。これ覚えなかったら解けないから注意しろよー。」
「y=(x - p)2+q のグラフは y=x2 のグラフを x 軸の正の向きに p ,y 軸の正の向きに q だけ平行移動したもので,その頂点の座標は (p , q) である」
「はい、これノートに写せよー。」
よし、写したぞ。次は何をするんだ?
「よし、じゃあ問題解いてもらうぞー。
y=(x - 3)2+4 これの答えを出してー。」
もう問題解き始めるの!?まじで?!
全然勉強してないのに!?
「よし、この問題を…今日は9日だから工藤!解いてみろ!」
出たよ。その決め方。イラッとするんだよね〜
まぁ解けないわな。
「分からないです。」
「分からない?そうか!バカな工藤の為に先生が解いてやろう!」
『アハハハハハ!!』
殺すぞクソ教師め。
「この答えはな… y=(x - 3)2+4 のグラフは,y=x2 のグラフを x 軸の正の向きに 3 ,y 軸の正の向きに 4 だけ平行移動したもので,頂点の座標は
(3, 4),グラフは右図のようになる。
分かったか?工藤?ちゃんとお前も勉強しろよ?」
勉強もろくにしてないのに解かそうとするあんたも勉強しようか。