1話:叫び
君たちはモテ期というのを知っているだろうか。
モテ期というのは、自分の人生で3回ほど、女性にモテるという夢のようなシステムである。
その、モテ期が今俺の所に来ている!
(待ってえー!涼暉君!)
おっ、来たようだ。
「じゃあ遊びに行こうか…」
(うん!どこ行くの?)
「じゃあ…君の心に…。」
(え…ホントに…?)
「あぁ…本当さ…行こうか…」
(やったぁ!大好き!涼暉君!)————
という夢を見たのさ…
(はぁ…俺にもモテ期は来るのかな…)
さて、学校に行く準備もしたし。行くか。
俺の名前は工藤涼暉。高校1年生だ。
俺には、人生で一回も来たことがないイベントがある。
それは、、、モテ期である。
みんなは、1回や2回は来たことがあるんじゃないか?
俺には来たことがない…クソが。
「よっ!涼暉!」
こいつは幼なじみの優馬。すごい優しくて、頼りになる奴だ。しかし、こいつには彼女がいる。
近くでイチャイチャしてる時があるのだが、
その時は殺意しか沸いてこない…。
羨ましいなんて思ってねーし!
「彼女は出来たか?涼暉!」
「出来るわけねぇだろうが…そんないじらないでくれ…」
いつも泣きそうになる。
「あぁ!泣くな!涼暉!俺が悪かったから!」
「な、泣いてねーし…」
「あー、また泣かしてるー。ダメだよ。優馬」
こいつは、優馬の彼女の優奈。すごく、優しいところがあるが…彼氏がいることがあり、俺は避けている。
「また、泣いてんの?だっさw」
こいつは、真奈。いつも俺を煽ってくる。
死ねば良いのに。
「…おはよう。」
と言ったらあいつらはおはよう!と言ってくれた。
性格は良いんだな。全く。良い友達を持った。
俺には、好きな人がいる。それは…あっ…
「おはよう!工藤君!」
好きな人というのは、この子、磯貝川奈さんだ。
すごく、清楚で優しい性格。まぁ昔の言い方で言えば、みんなのアイドルって感じだね。
男子は狙ってる人は多いだろう。
「おはよう…」
俺は、好きな人の前で頬を赤くしてしまった。
「大丈夫?風邪引いてるの?」
「だ、大丈夫だから!また!教室で!」
俺はそこから走り去ってしまった…なんて、情けないんだ…。