クー太だけ「たからもの」がもらえないけど……でもだいじょうぶ
「小説家になろう 冬の童話祭2026 きらきら」参加作品です。
「どう?」
カラスのカー子がだいじそうに見せてくれた「たからばこ」。いえ、木のえだであまれた「たからかご」。そのなかみにクー太は目がくぎづけになりました。
カー子の「たからかご」にはいっているもの。
それはビーだま、ガラスのかけら、アルミホイル、プラスチックのかけら、そして、ぎんいろの小さなくさり……
みんなみんな、おひさまのひかりをあびて、きらきらひかっています。
「いいなあ」
クー太はうらやましくなりました。この中のひとつでももらえたらどんなにうれしいことでしょう。
「ねえ。カー子さん。このかごの中のものを一つぼくにもらえないかな?」
カー子はクー太を少しだけ見るとこういったのです。
「うーん。クー太にはあげられないかな」
「え? どうして?」
クー太はおどろきました。カー子は「たからもの」をとてもだいじにしています。でも、ケチではありません。
だってクー太は見ています。カー子とクー太のともだち、ねこのにゃんきち、いぬのワン子、ウサギのピョン、スズメのチュン、みんなみんな、カー子の「たからもの」をもらっているのです。
クー太はおぼえています。ねこのにゃんきちがカー子からもらったぎんいろの小さなくさりをとくいそうにクー太に見せたのを。
「どうして? カー子さん。だってだって、にゃんきちもワン子もピョンもチュンもみんなみんな、カー子さんから『たからもの』をもらっているよ。どうしてぼくはもらえないの?」
「ん~」
カー子はもういちどクー太をながめました。
「とにかくクー太には、わたしの『たからもの』はあげられないの。でも、わかってほしいのは、これはいじわるでいっているのじゃないんだ。そして、そのわけはいずれわかるの」
そうはいわれてもクー太は、なっとくいきません。なんどもなんどもなんども、クー太はカー子に「たからもの」をわけてほしいとおねがいしました。
でも、カー子のこたえはいつもおなじ。
「クー太には、わたしの『たからもの』はあげられない。そのわけはいずれわかる」
そのあいだにも、ともだちたちはカー子の「たからもの」をわけてもらっています。クー太はかなしくなってきました。そして、ある日……
「わあっ」
クー太のともだちたちはみんなこえをあげました。おひさまのひかりにきらきらかがやくクー太のはね。そして、とくいそうなカー子。
「ね。わたしのいったとおりでしょう。クー太、あなたは自分で『たからもの』をもっていたのよ」
クー太はクジャクのおとこのこだったのです。小さいころはちゃいろいはねでしたが、おとなになるにつれ、きれいなはねにはえかわったのです。
「きれい……」
みんなうっとりしてクー太のはねをみています。そして、てれくさそうなクー太。
カー子はしずかにわらっていました。
「ふふふ。クー太のはねがおちたら、わたしの『たからかご』にいれさせてもらうんだ」
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