転移の魔導具
『アレド、転移装置面白かったわね』
『ですね、みなさん見えてなくて驚きましたが』
あんなにキラキラ魔力放出してたのに…
『みんな、魔力感知とか取ってないのかしら?』
『魔力制御とか操作はとってるはずなんですけどね、感知は…魔力なんちゃらはみなさん進んで取得なさったのかと思っていました』
私もそう思ってたわ。
『魔力感知の存在知らないわけじゃないわよね?』
『スキルツリーちゃんと確認される方は知ってらっしゃると思いますけどね』
言われたものしか取らない人もいるかー。
そっかー。
でも虹樹みたいに目に魔力集めれば、魔力見えるからいいのかしらね?
疲れるかもだけど。
でも私的には収穫あったわよね。
やっとダンジョンに立ち入ったんだもの。
『これでテレポートつかえるんじゃないかしら?』
『ですね、けど転移装置の仕組み何かに組み込めないですかね?』
『見えないタッチパネル?』
『はい』
『でもさ、空調の腕輪で同じようなことやってない?』
自分の魔力流して、温度変えてみたいな。
『あっ、確かにやってますね』
なんでアレドはそんなにガッカリしてるのよ?
『では、転移装置を参考に転移の魔導具を作ると言うのは?』
あぁ、何か作らせたいわけね。
『でも魔導具作らなくても、スキル取ればいいんじゃないの?』
『みなさんが話してるのを聞いたところ、なにやら1億ポイントとか必要らしいのです、レベル1で』
はっ!?
『レベル1で1億!?なんでよ!?』
『リオール様だけが別なのでは?テレポートスキル持ってらしたので、転移の方が劣化版ぽいじゃないですか、マーカー置いたところしか飛べないのが転移ですし』
あー、別物じゃなくて劣化版扱いなら少しのポイントで取れるはずだわ。
『なら、転移装置よりも転移スキルを魔導具にした方が、もし売り出した時に歯止め効くじゃない?』
『確かに、行ったことあるところとかだと、他人の部屋とかにも入れちゃったら困りますしね』
『そうよ、犯罪はダメなのよ。だからマーカーは必要だと思う』
もちろんうちの人たちは、もう少し自由でもいいかも知れないけど。
『作るなら魔力の通りがいいミスリルでよね』
『そうですね、指輪とかですか?』
『指輪の面積で魔法陣おさまるかしら?』
『では腕輪です?』
でもなぁ、空調のも腕輪だったしなぁ。
うーん。
『ペンダントだと、魔力流しにくいわよね』
『では、大きなミスリルに魔法陣刻んで、縮小して、指輪とかにするとか?』
『それだと、高くなりすぎちゃうんじゃない?』
『確かに、売るつもりならそうですね。では、小さなミスリルを拡大?して魔法陣刻んで元の大きさに戻すと言うのは?』
『それなら行けるかも。でも指輪は面が少ないわよね…イヤーカフはどうかしら?』
『いいですね、指輪は戦うとき邪魔になるかも知れませんね。剣とか槍とか握る時に』
確かに!
『じゃあ、イヤーカフでやってみよう』
と、その前に…
『拡大とか縮小ってスキルあったかしら?』
『サイズ倍率変換スキルが、拡大縮小にあたるのではないかと』
『私持ってる?』
『大賢者パックに入ってましたよ』
なるほど、そこにあったか。
『ミスリルでイヤーカフ作って、サイズ変換で10倍くらい大きくして、転移の魔法陣刻んで、イヤーカフ元のサイズに戻して…どうやってマーカーにしようかしら?』
『イヤーカフと、対になるものをマーカーの代わりにするとかですかね?』
うーん、対、対…?
『ひとつの魔石を分割して、イヤーカフとマーカーをリンクさせるのはどうかしら?』
魔宝石は魔力貯められないしなぁ。
イヤーカフにつける魔石以外の魔石をマーカーにできたらいいんじゃない?
『それはいいですね、魔宝石使えないのが残念ですが』
『そうよねぇ、魔宝石のほうが綺麗だものね』
『でも、魔力貯める必要あるんですか?流すだけで大丈夫そうじゃないですか?』
『あーそれなら魔宝石の方が、綺麗になるわよね』
『使う人が、イヤーカフと分割した魔宝石を一緒に握って魔力を流せばよいのでは?』
『そうね、そうすればその人しか使えないものね』
うん、なかなかまとまって来たかしらね。
『イヤーカフは彫金スキルでいけるかしら?』
『とりあえずやってみましょうよ』
ワクワクしすぎでしょう、アレド。
『ミスリル、1cmくらいのカケラあるかしら?』
『こんな小さくてよろしいので?』
『これだけあれば、イヤーカフ1個くらいできると思うけど、って道具ないからダメじゃないのよ。彫金はまた今度ね。えーと、イヤーカフ作る魔法と魔法陣が先に必要ね。あー転移スキルも、魔法陣にしないとダメね。あとは1cmくらいの魔宝石(今日はサファイアにしよう)をつくって、4等分に分割して必要なものは、そろったかしらね?あっ、売り出す前提のは、創造魔法でできるんじゃない?』
『そうですね、転移スキルをそのまま流用なら創造魔法で問題ないと思います』
『今日は、創造魔法で作ってみようか、神凪の分は今日のから改善点も踏まえてちゃんと考えて作ろう』
創造魔法をタップ。
もうひとつ画面が表示される。
創造する魔法の名前は
転移魔導具作成魔法
どんな魔法か定義
「転移スキルの魔法陣を使用した魔導具を作成する。作成時に必要な魔力量を先に提示、魔力提供者は指定、転移先のマーカーの個数を指定、魔導具の提供素材を指定、魔導具の形態を指定」
魔力総量の1億を消費。
クリエイトボタンをタップ。
空調魔法の横に、転移魔導具作成魔法が表示される。
転移魔導具作成魔法をタップ。
魔力提供者 理織
マーカー個数 1
魔導具の提供素材 ミスリル
魔導具の形態 イヤーカフ
必要な魔力量 10万
うわっ、ミスリル用意しても魔力量10万か。
マーカー個数を2個にしたら、どうだろう?
魔力量10万1000?
んじゃ、2個で作ってみようかな。
魔導具作成ボタンをタップ。
出来た。
イヤーカフ鑑定。
転移の魔導具。
マーカーは2ヶ所設定可能。
転移先のマーカーを設定する。変更は出来ない。
転移時に魔力を500程度消費する。
『どうかな?使えると思う?』
『値段設定によっては、一般の人にも売れそうです』
『なんで?』
『自宅と職場とかにマーカー設置したら通勤楽じゃないですか?』
確かに、そうかも。
『自宅と大規模ダンジョンギルドとかでも役にたちそうね』
使えるかも?
『ついでに神凪用も作ってみませんか?両方を理様とかに持ち込みませんか?』
『あーそうね、それで改良点とか相談すればいいかな』
テレポートスキルを魔法陣に展開する。
テレポート魔法陣に手を加えよう。
どこにでも飛べるから、魔宝石の場所に飛べるようにちょっと性能を落とそう。
よし、テレポート(デチューン)魔法陣としておこうかな。
転移魔導具作成魔法を修正しよう。
転移魔法陣の種類を指定するようにして、転移魔法陣指定の時は、転移先のマーカーの個数を指定、テレポート魔法陣指定の時は、魔宝石の個数(魔導具分も含む)を指定。
で、いいかな?
修正。
あれ?修正する時の魔力も多く持っていかれるようになるのか。
しかたないね。
魔力たくさんあるからいいけど。
テレポート(デチューン)魔法陣で作ってみますか。
必要魔力量 10万
この辺は変わらないのか。
魔導具作成ボタンをタップ。
出来たね。
イヤーカフ鑑定。
転移の魔導具。
イヤーカフと魔宝石に同時に魔力を流し、使用者を設定。
魔宝石を設置した場所に転移できる。
転移先の移動は、魔宝石を移動すれば可能。
転移時に魔力を500程度消費する。
転移時に魔力消費するのは一緒か。
『ダンジョン攻略で転移するのに、魔力減ったらあんまり意味ないかしらね?転移装置使った方がいいわよね?転移装置は魔力とられないのよね?』
『リオール様は魔法陣解析できるんですから、消費魔力無しとかに変更できるのではないですか?』
『あっ、そうよね。解析してみるわ』
テレポート(デチューン)魔法陣解析。
ついでに鑑定。
なるほど、ここを変更すればいけそうね。
テレポート(デチューン1)魔法陣として保存。
これで、転移魔導具作成よ。
よし、消費魔力無しに出来たわ!
あっ、転移の方も消費魔力無しにすればよかったのかしらね?とりあえずいいや。
うふふふふ。
『アレド、出来たわー』
『やりましたね、リオール様。ちなみに複写できます?魔力どのくらい必要です?』
複写できたら、魔力10万も使わなくて良くなるかも?
ミスリルの塊は用意しておいて。
複写スキル レベルMAX。
対象 転移の魔導具(転移魔法陣)
個数 10
必要魔力量 10000
こちらはミスリルと魔宝石も用意して。
複写スキル レベルMAX。
対象 転移の魔導具(テレポート(デチューン)魔法陣)
個数 10
必要魔力量 9000
こちらもミスリルと魔宝石も用意して。
複写スキル レベルMAX。
対象 転移の魔導具(テレポート(デチューン1)魔法陣)
個数 10
必要魔力量 8000
あれ?1番少なくていいと思った、転移魔法陣のが1番必要魔力多いわね。
『アレド、どうしてかしら?』
『たぶんですが、マーカーの設定の分ではないでしょうか?』
『どういうこと?』
『テレポートの方は、魔宝石がその役割を果たしているので、魔法陣自体が簡単?簡素化されているとかではないでしょうか?』
『まぁいいか、売るなら転移の方だろうし、テレポートの方は神凪の人たちにしか渡さないだろうし』
いいことにしよう。
理と連理に見せてみよう。




