神凪一族緊急招集2〜理編
理織が倒れたらしい。
高熱が出てるし、目を覚まさないらしい。
大丈夫なのか?
幼児の高熱とか脳に影響とかでるんじゃなかったか?
早く目を覚まさないだろうか?
みんな心配している。
デザートをホントに美味しそうに食べる顔は見ていて癒される。
ホントにかわいい。
あのちびっ子は色々面白いことやり始める。
精霊と契約してみたり、世界樹を育て始めたり、世界樹の葉で化粧水を作ってみたり、ちびキャラのフィギュアを作れるようにしてみたり、あれはかわいい。
俺も最近精霊と契約出来たから、シラユキのちびキャラフィギュアを作ったさ。
すげぇーかわいいぞ。
そんな感じで、そのほとんどが、神凪コーポレーション新規事業の基礎になっているからすごい。
それを商売にしようとしてる、周りが逞しいとも言えるが。
理結の商売人の勘がいけると、言っているんだと。
で、今日は理織が目覚めたし、熱も下がったからと呼び出されたので、また理織が面白いことやらかしたのかと思ってたら、今日は理織じゃないんだと。
ただ理織が心配で他のことに割く時間がなかったようだ。
理哉と手を繋いでやってきて、速攻でお腹ぺこぺこと主張していた。
今は、俺たちなんか目にも入ってないみたいで、一生懸命にオジヤだろうか?雑炊だろうか?とにかく柔らかそうなご飯をスプーンで、食べている。
美味そうに食うのは、デザートだけじゃないらしい。
ほっこりしかけたところで、今日の本題に入るらしい。
今日は理人の案件らしいな。
「もしかしたら、すでに知っている人も取得済みの人もいるかもだけど、共有した方が良さそうなのでとりあえず聞いて、前にスキルポイントを増やせるのは、話したけどさらに効率よく増やせるスキルがあったんだ」
へぇーそれは嬉しい情報だな。
「ただスキルの発生条件がいまいち確定してないので、発生しなかったらごめんなさい」
なんだ?今あるスキルじゃないってことなのか?
条件がピーキーなのか?
「俺は、魔力量が3万超えで、たまたまスキルツリーを確認してて、スキルポイント増加のスキルとかあったらいいのになーとか思ってたら、スキルポイント増加のスキル生えたんだ」
なんだと!?
スキルポイント増加だと!?
「なぁそれって、魔力量増加みたいな倍率のやつか?」
思わず聞いちまったよ。
「理編兄、そうだよ。魔力量増加と同じように2倍〜10倍まで出た」
「理人、取得ポイントは?」
理音からも質問が飛ぶ。
「他のスキルと一緒で人によってちがうっぽい。俺は10倍で200万ポイント だったけど、足りなかったから5倍を100万ポイントでとった。父さんは10倍で125万ポイントだって」
「理さんも生えたのか!」
「連理さんもいけたよ」
と、理さんが言う。
マジか!俺も欲しい。
「ちなみに理理と理哉は、生えなかった。魔力量3万に足りてなかったからかなと思ってる」
そこ大事なのか。
なんか、みんな今絶対ステータス確認してるだろ?
俺も確認してる。
魔力量3万超えてるな。
ってか、4万も超えてるけど。
スキルポイントの存在知ってから、一気に増え出したよな。
魔力は大丈夫そうだから、念じてみるか。
スキルポイント増加があったらいいな、とてもとてもいいな。ぜひ下さい。お願いします。
おーーーー、マジで生えた!!!!
すげぇ!!
「生えたぞ!!」
あちこちからそんな声が上がった。
おっ、みんなも生えてる。
もちろんすぐに取得するぜ。
取得ポイントは…
10倍で111万ポイントだ。
スキルポイントは、ギリいける。
毎日6万ポイントくらい貯まってるから、10倍だと60万!?
2日で取り戻せるじゃねぇか。
これは取るしかないだろ。
ぴこーん!
あっ、先生えた。
「10倍取ったら、魔力量増加みたいに、100倍まで新たに生えたぞ!」
「ほんとだ、生えたぞ」
生えたけど、100倍の取得ポイントの桁がおかしい。
111,111,111なんだけど…1億超えってなんだよ。
って、他のみんなも頭抱えてるから、たぶん1億とかなんだろうよ。
仲間だな。
いやでも100倍とれたら、破格だよな。
スキルポイント取得が効率的になるのは、間違いない。
1日の取得ポイントを増やせばいいのか?
魔力なんとかのスキルをMAXまで上げて、
取ってない魔力なんとかを追加で取ってMAXにしてを繰り返せば案外いけるんじゃないか?
今のままでも半年くらいで100倍取れそうだけど、どうせなら早く取りてぇよな。
「笑理と理律はどうだった?」
近くにいた2人に聞いてみた。
理結は、めっちゃ考えてる顔してるから、どうやったら最短で100倍取れるかをシミュレートしてんだろう。
あとできいてみっかな。
「私は、出たけど8倍までしか取れなかった」
スキルポイント足りなかったか。
あんまり、魔力動かしてないのか?
それとも何か取得した後で、減ってたか?
「オレはまだ魔力量足りてないから、生えなかった」
まだ14歳だったか?
俺らよりもかなり早くから、魔力量増やせてるからな。いずれ抜かれるだろうけど、いまの段階だとスキルポイントも多くはなかっただろうから、色々取得してアップさせるのは難しかったか?
「魔力量増加は持ってるんだよな?あと制御と操作か?魔力系はそれだけか?」
「うん、それだけ。それだけは最低取れって言われてたから」
最低限しか取れなかったのか、取らなかったのか。
まぁ、他のスキルも欲しかっただろうしな。
判断に迷うところだよな。
なら、アドバイスくらいはしてもいいよな?
「なら、魔力回路強化取ってパッシブで使っとけ、いー感じで魔力量増えるぞ」
「そうなのか!わかった取ってみる。ありがとな理編兄ちゃん」
「理哉とか遥翔にも教えてやれ。一緒にダンジョンいくんだろ?」
「うん!ありがと!!」
「理編、この場のみんなに教えてあげればいいんじゃないの?」
「大人は自分で頑張ればいいじゃねぇか。でも子供は背中押してやりてぇーじゃん?」
「小さい子好きだよね」
「だって、子供世代で俺らが1番年上なんだから、あとはみんな弟妹みたいなもんじゃねぇ?」
「そうだけど、世の中の従姉妹よりは近い関係性だけど」
「だろ?可愛がって何が悪い」
「悪くはないけど、理編はさ、理織1番可愛がってるでしょ?」
笑理がクスクス笑う。
なんでバレてるし?
「かわいいじゃん?しかも何するかわかんなくておもしろいし」
そうね。と笑理は笑って愛理の元へ行ってしまった。
いや、行ってもいんだけどさ。
なんで笑われたの?俺。
まぁいいや、理結にちょっとこっち来いと手招きしてみる。
「どうした、兄貴」
「お前なんか効率良いスキルポイントの上げ方思いついたろ?」
「なんで?」
「売れるか売れないか見極める時と同じような顔してたから、かな」
値踏みするみたいな顔してたぜ。
「兄貴はなんか思いついたか?」
「あー?俺は魔力系のスキル取ってそのレベル上げて1日のスキルポイント増やすくらいしか思いついてねぇよ」
「俺も同じようなもんだよ」
いや、ウソだろ。
そう思ったら、ただ、と理結は続けた。
ほらな。なんかあんだろ?
「職業レベル上げたらさらにスキルポイント増えるんじゃないかと予想してる」
「どういうことだ?」
「琉樹のさ、ギフトが経験値10倍なんだよ。さっき聞いたら、レベル上がりやすくてスキルポイントも虹樹よりも増えるポイント多いらしいんだよね」
つまり?
「経験値増加のスキルがあればレベル上がりやすくなってスキルポイント増やせるんじゃないかなと」
「経験値のスキルか」
実際あんのか?
琉樹のは、ギフトなんだろ?
「で、俺試しに理人方式であったらいいな、ってやってみたら」
みたら?
「生えた」
「マジで!?」
「マジ」
「2倍から10倍か?」
「そう、琉樹は確認したら100倍まで生えてたってさ」
それは取得するしかねぇよな。
生えるか確かめてみるか。
他に条件あるのかわからんけど。
経験値増加のスキルあったらいいな、とてもとてもいいな。ぜひ下さい。お願いします。
どうだ!?
生えた、な。
「理結、俺にも生えたぞ」
「ホント!?ならみんないるうちに伝えた方が良さそうだね」
「琉樹のアドバンテージ無くなっちまうけどな」
ギフトなのに、スキルで取れちゃうとかって思ったけど、俺のギフトだって普通にスキルで取れるんだった。
「別に家族で張り合ってるわけじゃないから気にしないって言ってたよ、琉樹」
そりゃそうか。
他の情報はもらってるわけだしな。
しかし、経験値10倍の取得ポイントが150万ポイントなんだが。
スキルポイント増加よりも多いんだが。
あと3日くらいしないと取れねぇじゃん。
この日の会議は、スキルポイント増加と経験値増加のスキルで大騒ぎで終了した。
疲れたけど、魔力は動かしとこうな。




