仕組みを教えてくださいな
「ねぇーアレドー」
私は、ステータスを見ながらアレドに話しかけた。
「なんですか?リオール様」
「なんで、あれからレベルアップしないのかしら?」
「上がってないんですか?」
「上がってたら、とっくに封印解放条件クリアできてるわよー」
「確かにそうですね」
毎日魔力は使ってるし、魔力量は増えてるしスキルポイントも増えてる。
さすがに魔力枯渇はムリになってきたけれどね。90万超えてるし、どうやって枯渇するのよって話よね。
どデカい魔石作るとかしかないじゃない?
魔法作って半分減らすとか?
けど、レベルは上がらない。
どうゆう仕組みなのよ?レベルアップ。
「一回レベルアップしたから、それからはじゃんじゃん上がると思ってたんだけどなぁ」
経験値100倍なんだし。
たくさん経験値貯まると思ってたのよね。
なんで上がらないのかしら?
「もしかして、職業関連のスキルじゃないとレベルアップしないとかだったりしません?」
「えっ?私が使ってるのは職業関連じゃないの?ギフト関連ってこと?」
「もしかしたらの仮説ですよ」
「錬金したら上がるかもってこと?」
「あくまでも、かもです、かも」
今すぐ錬金できるものあるかしら?
「アレド、インベントリから銅貨出して」
「どうするんです?」
「実験よ、実験。錬金して、インゴットにするわ」
これでもし上がらなかったら別の説を探さなくちゃダメになるけど。
もし上がったら、どんどん錬金して魔導具とか作ればいいのよ。
アレドが100枚ほど銅貨を出してくれた。
銅とそれ以外に分離して、銅をインゴットにする魔法陣を展開し錬金してみた。
この間と同じように、頭の中でぴこーん!が鳴り響いた。
またしても一回では止まらないわ。
何度か鳴った後にぴこーん!が止まったと同時に聞こえてきた。
(封印解放条件を満たしました。)
「アレド、レベルアップしたら、封印解放された」
「ホントですか!?」
(職業大賢者を引き継ぎます)
(スキル他大賢者の全能力を引き継ぎます)
(身体の負荷を軽減するために、身体能力を一時的に向上させます)
「全能力引き継ぐって言ってる」
(亜空間が解放されます)
「亜空間も解放されるって」
(身体の負荷を軽減するために、睡眠状態に入ります)
「アレド、身体の負荷軽減で睡眠状態になるって、ヤバそうだったらティルにお願いして連理呼んで」
「リオール様!?」
「ごめん、もうムリ…」
目を開けてられない。
何だろう、ぴこーん!がまた鳴り始めた。ステータスがおかしい。
って言うか、意識保ってられない。
「アレドお願い」
最後のお願いは言葉になったかは、わからない。
目の前が真っ暗になった。
懐かしい魔力を感じる。
『リオール、やっとリンクが戻ったな』
『その声はシルク爺?』
『そうだ、が、お主少し見ぬ間に小さくなったの?』
小さくって、顔とかも違うんですけど?
『リオールから転生したの。今は理織って言うのよ。なんと4歳よ』
シルク爺は、何に驚いたのか、
『お主、死んだのか?誰に殺された?』
別に殺されたわけではないのだけれど。
『フェリーラザで、
バカアホ王達に言いがかりつけられて討伐するとか言われたから、全部放り投げたのよ。
守るのもアホくさくなったわよ。
私のものはすべてインベントリに入れて、アイツらがいない時代に転生したのよ、
私が死ねば、私の魔力で張ってた魔の森の結界はなくなるわよね?
誰があの世界守っていたか思い知ったらいいじゃない?
私はもう自由に自分のために生きようと転生したのよ』
『よし、我があやつら潰してきてやろう』
『いや、ムリなのよ。何がどうしたのかここフェリーラザじゃないのよ。フェリーラザからみたら、異世界なのよ』
『なんと!?我も異世界に来てしまったのか?』
『まぁシルク爺は、私の亜空間の中だから異世界というのか何と言うか』
『我もリオールの今の世界みたいぞ!』
『ムリだよー、この世界、地球っていうんだけど、ドラゴンいないのよ。エルフもドワーフも獣人もいないのよ』
『なんだと!?』
『魔物もダンジョンにしかいないらしいのよ』
『そんなことありえるのか!?』
『だから出してあげられないのよ』
『だが、この空間狭くなってきたぞ、色々増えておるしの』
『えっ!?色々って何?』
『色々は、色々ぞ。とにかく空間広げてくれんかの?』
『魔力とかと相談ね、4歳の幼女なのよ。もう少し待って』
『うむ、しかたあるまい。だが早めに頼む』
シルク爺とは、違う懐かしい魔力を感じる。
これは…?
リーラとルーナとソール!
なんか他にも小さいのいるけど、前はいたかしら?
『リオールさまー』
ルーナとソールが走ってくる。
『待って、飛びつかれたら潰れるから待って』
リーラはフェンリル。
真っ白ですごくキレイな氷狼。
光りが当たると銀色にも虹色にも見える。
狼たち群の長。
優しいけど、怒らせると怖い肝っ玉母ちゃんなのよ。
ルーナはスコル。
空翔ける狼。
ミスリルみたいな薄青の銀色の毛の狼。
ソールは、ハティ。
風操る狼。
黄色よりの薄黄緑色の銀色の毛の狼。
みんな私の契約獣。
可愛い子達よ。
『やっとお会いできました、リオール様』
リーラが私の前に伏せる。
頭撫でて、首に抱きついて、ついでにもふもふする。
『姿全然違うのに、よく私だとわかるわね?』
『魔力が同じですもの。見た目の違いなど些細なこと』
それは些細なことかな?
まぁ、人間とは違うのか。
『リオールさまー、さみしかったよー』
『リオールさまー、ちいさくてかわいー』
君たちと比べたらそりゃ小さいですよ。
懐かしい魔力を感じて、次々と懐かしい子達に会える。
ペガサスのヴィヴィ。
ユニコーンのユーリ。
バイコーンのファーティ。
アルミラージのキュン。
カーバンクルのジェリー。
オルトロスのオーニ、ルーニ。
ケルベロスのケティ、ルティ、ベティ。
スレイプニルのエヴァ。
ホーンディアのハート。
みんな懐かしい子達ばかり。
あーそうか、これは夢だ。
大賢者が解放されたから懐かしい夢を見ているのかしら?
夢でもみんなに会えて嬉しいな。
だからまだ夢見ていたいの。
もう少し寝かせて。




