複数でも大丈夫なんですって!
大量の世界樹の葉っぱから、精油を抽出するための錬金の魔法陣を理人と考えて、精油と蒸留水に分離させることができるようにしたけど、その後はノータッチなのよね。
どうなってるのかしらね?
『精油を抽出した時に出る蒸留水って、何かに使えないかしら?今ってどうしてるのかしら?』
捨ててたら、もったいないわよね?
世界樹の葉と聖水だし。
『連理様たちで、色々考えてるみたいですよ?新しいシャンプーが出来ないかとか、ボディソープにできないかとか、石鹸とかも試作しているようですよ?』
うわー、絶対張り切ってるでしょ。
連理も瑠理も。
神凪コーポレーションの制作部門とかあるのか知らないけど、そういう人に無茶振りしてるのでは?
大丈夫かしらね?
『そうなのね、やっぱりもったいないわよね』
もったいないのは、もったいないから活用してほしいけど。
『ですね』
『でも、もう対策してるなら私が何かしなきゃいけないわけじゃないわよね』
『そうですね、あとは任せてしまって大丈夫だと思いますよ』
じゃあ別のことしてもいいわよね?
『なら、ミスリル使って何か作れないかしら?』
『ヒマワリのミスリルですか?』
『そう、理たちも渡されたみたいだし、みんな何か作るでしょ?』
『作るでしょうね、作りたくなりますよね。たぶん、地球初のミスリルですからね』
『職人なら尚更よね。でも私は職人じゃないから剣とかが作りたいわけじゃないしねぇ。何作ろうかなって』
『武器防具は専門の職人に任せて、小物はどうですか?』
『小物?』
『以前作った、状態異常無効化の魔法を付与した指輪とか?』
『いいわね、攻撃無効のペンダントとか?』
『魔宝石つけて、魔宝石にも何か付与して、さらにオシャレな感じで作りましょう』
『アレド、魔宝石好きよね』
元々作りたがったのは、アレドだしね。
『いやだって、あれ綺麗じゃないですか』
それに否はないけれども。
『指輪作るなら、自動サイズ調整できるといいわよね』
『ですね、あれはスキルでした?』
『フェリーラザはスキルだったけど、こちらはどうかしら?そもそも自動サイズ調整できる?』
『…あっ、ありました。エンチャントスキルのスキルツリーに自動サイズ調整ありますね。エンチャントスキル取得してませんでしたね、取得します?』
『エンチャント持ってなかった?』
『こちらでは取得してないですね』
『じゃあ、取得しよう。MAXで。スキルツリーに見えてるのも全部取っちゃおうか。スキルポイントは問題ないでしょ?』
『スキルポイントに問題はないですけど、一気に取得して大丈夫です?』
『大丈夫じゃない?ぴこーん!がたくさんなるくらいでしょ?』
『いや、まぁ。いいならいいですけど』
『オッケー!取るわ』
あー、思った以上にぴこーん!が鳴り響いている。
どれだけスキルツリーの項目あったのよ?
えっ?100はあった!?
ぴこーん!100回は聞かなくちゃダメなの?
えっ?違う?取得してMAXにしてるから200回は鳴る!?
うそでしょー!?
全然止まらないんですけど?
エンチャントパックみたいのなかったのかしら?
まぁ、そんな取り方する人いないだろうけど。
知ってるわよ、言ってみただけじゃないのよ。
『ねぇ?ちょっと思ったんだけど、精霊たちって外で捕まったりしないわよね?』
『急にどうしました?』
『んー、今までって、世界樹もなかったから精霊たちもチカラ弱まってたみたいじゃない?だから姿現せないって感じだったみたいだけど、神凪に集まって来てる精霊って見える精霊増えてるし、うっかり外に見えるまま出ちゃったら捕まえられない?大丈夫かしら?』
『あー、契約してない精霊はやりそうですね』
契約してる子は、ちゃんと自我があるからしっかりしてるけど、契約してない子とかできない子は、ちょっとうっかりぼんやりな子が多いのよね。
『何か、認識阻害効果とかインビジブルとかのある魔導具とか作ってあげた方がいいのかしら?』
『でも、すごい数の精霊がいますよ?増え続けてるみたいですし』
『それよね…瑠理みたいに複数契約できるなら、少しは違ってくるかもだけど』
『ティルちゃんに聞いてみます?』
『何を?』
『複数契約できるなら、契約したいけど、すでに契約済みだから諦めてる子とかを引き合わせて貰えばよろしいのでは?』
なるほど?
『確かに、複数契約出来ると思ってなかったから、もう契約してるから別の人をって思ってたわね』
『確認してみましょう』
『ティル、教えて?』
『どうしたの?理織』
『裏庭にいる精霊で、すでに契約出来る子なのにしてない子は、契約したい人がいない子なの?それともすでに契約済みだから諦めてる子なの?』
『どうして?』
『今まで、1人の精霊と契約したらそれで契約できないと思ってたけど、瑠理が複数と契約したから、ちょっと疑問がうまれたの。どうなのかな?』
『…理織の言う通りよ、魔力量足りないかも?とか、最初に契約した精霊に遠慮したりしてる子もいるわ』
やっぱりそうなのね。
『じゃあ、そこは人間側にも伝えて会わせてみようよ。魔力があって気が合えば契約したらいいと思うんだけど』
たぶん神凪の人は喜んで契約する気がする。
『わかったわ、あの子達には、伝えてみる。
理織も連理たちに伝えてくれる?』
『わかったわ』
「ママ、しぇーれー、けーやく、たくしゃん、できる、ちる、いってた」
「理織?精霊と契約?たくさんと出来るってティルが言ってたの?ばぁばみたいに?」
「あい」
「もう契約してる人と契約したいって精霊がいるのね?」
「あい、ちる、いってた」
「誰かわかる?」
「わかーない」
聞いておくの忘れたわね。
「ママ、ちる、きく」
「そうね、ティルに聞いてみるわね」
「あい」
連理とティルに丸投げるわ。
だって、ちゃんと話せないからっ!
後日、神凪の人たちは、全員が精霊と契約した。
ほぼ全員が複数の精霊付きになりましたよ?
私はティルだけだけどね。
ちなみに執事さんも執事っぽい精霊と契約したみたい。
セバスチャンなんですって、精霊の名前。
えっ!?こちらも執事はセバスチャンなの?
フェリーラザジョークじゃなかったのね?
そんな感じで、契約できる精霊の残りはいない状態になったのよ。
精霊の魔導具は必要なくなったね。
さて、何を作ろうかな?




