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転生〜アレド

私、アレドと申します。

大賢者リオール様に名付けていただきました。

リオール様の記憶保管箱というのが正解でしょうか?

アカシックレコードなんてたいそうな呼び方をされることもありますが、私としましてはリオール様の記憶の保管箱であり、記録の保管箱であると認識しております。

初めはただの、リオール様のスキル的なものであったと認識しております。

リオール様が、読んだもの、知ったこと、聞いたこと、感じたことなど全てを保管するスキル、そのようなものでした。


300年ほど前、リオール様にアカシックレコードだからアレドね、と名前をつけていただいた時に、人格のようなものが生まれました。

それから私はアレドとして、リオール様にお仕えしております。


そんなある日、リオール様が転生するとおっしゃられました。

転生って…


私はもう必要ないということでしょうか?

どうも、リオール様のお生まれになったフェリーラザと言う世界のパルナティと言う国の愚王と他の国の愚王が、大賢者リオール様を世界を滅ぼす魔女王リオールとして、討伐するとアホなことを言っているようでして…

死にたくなければ、今までの研究資料と魔石に素材を渡せば許してやると、だいぶナナメな連絡をしてきたのが、原因でございました。


リオール様は、私に要求物のすべてをインベントリへの保管と私自身の保持を優先との指示を残し、あっさりと転生の魔法陣で転生されたのでございます。



一瞬の暗転の後、目の前には黒髪黒目のかわいらしい赤さまがいらっしゃいました。

すぐにリオール様の転生後のお姿だとわかりました。

小さくてとてもかわいらしくて、守らねばならない存在です。

まだ細いですが、私はリオール様と魔力で繋がっていると感じられているからです。

しかしインベントリと私を保持するには、魔力が足りません。

リオール様が転生前に大量に作成してくれていました魔石を最小出力で使用し、リオール様が覚醒されるのを今か今かと、待ち続けていました。


リオール様が転生したこの世界はフェリーラザではなく、地球という世界でした。

地球の日本という国に転生されたのでした。

私、フェリーラザの500年後くらいに転生するのかと思っておりました。

さすがリオール様。やることが半端ないですね。考えも及びませんでした。


毎日、リオール様に呼びかけ、早く起きて下さらないかと願い確認しながら、リオール様に頼まれた情報収集をこなしておりました。

この世界の情報は、インターネットというものに接続すると、簡単に色々な情報が手に入ります。

嘘なども転がっているため、精査は必要なようですが、それでもフェリーラザに比べたら段違いの収集速度であります。

リオール様のために、世界のこと、日本のこと、ご家族のこと、ダンジョンのこと、ギルドのこと、ありとあらゆることを網羅したいと思っております。

リオール様が転生されて、毎日の呼びかけにも応えてはいただけず、もう起きて下さらないのではという不安で押しつぶされそうになって3年目。

突如、リオール様がお目覚めになられました。

歓喜のあまり、ずっとお待ちしていた胸のうちを告げると、リオール様はなぜかドン引きなされました。


なぜです?待ちますよね?いつ覚醒されるかもわからない時間を待ち続けるんですよ?

目覚めていただけたのなら、喜びますよね?


げと、リオール様は微妙な表情で言ったのです。


「3歳で覚醒するように、魔法陣設定したって言ったわよ…ね?」


と、


聞いてませんよーーーーー!!


絶叫したのは、しかたないですよね?

リオール様、ホントにそう言うところありますよね…

ちゃんと伝えてもらえていれば、情報収集ももっとできたかもしれないのに。


「ごめんね」


その一言で、許されると思っているリオール様。

私はこのある意味ポンコツな愛すべきお方の記憶保管箱として、ずっとお側にいたいと存じます。

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