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大賢者リオールは楽しみたい!  作者: トーヤ


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お昼寝推奨

『アレド、ティル知らない?』


気づいたら、ティルはいないことが多い。


『ティルちゃんなら、裏庭ですよ?』

『また世界樹?』

『だと思いますが、何かありましたか?』


世界樹の精霊だから、世界樹のそばが過ごしやすいのかな?


『世界樹の葉っぱってもらえないかなって』

『何に使うんです?』

『フェリーラザでも作ってた化粧水?』

『また化粧水作るのですか?リオール様、今幼女ですよ?必要ないのでは?』

連理(れんり)の分よ。聖水もあるし世界樹の葉っぱもあったら、化粧水でしょ?』


あの化粧水は、ホントにいーのよ。

保湿もしっかり、シミシワはなくなるしね。

いや、連理にシミシワがあるわけじゃないわよ?

乾燥するって言ってたからよ。

肌が若返るわよ。

私の亜空間はまだ開けないしね。

あの中にも色々なものが存在してるのよね。

世界樹も育ってるはずだから、いずれ葉っぱは自前で調達できるはずだけど。

ホントにいつ開けるのか、ホントに開ける日が来るのかも不明なのよね。


『抽出とかどうするんです?』

『魔導具作成部屋(仮)もらったじゃない』

『でも、1人ではダメなんですよね?』


あっ、そうだった。

誰とならいいのかしら?

連理に聞こう。

その前に裏庭で世界樹の葉っぱと聖水もらって来てからにしようかな。



『ティルー、いる?』


裏庭で念話で呼びかけると、何もない空間にドアが開いた。


理織(りおり)、どうしたの?』

『中入ってもいいかしら?』

『どうぞ』

『あのね、世界樹の葉っぱ、少し分けてもらえないかなって。あと聖水も』

『世界樹の葉っぱはどのくらい?』

『葉っぱの大きさってどのくらい?』


ここから見ても世界樹が大きすぎて、葉っぱの大きさなんか見当もつかないのよね。


『んー?1枚が理織くらいかな?』


葉っぱデカい。世界樹すごいわね。


『じゃあ、1枚で!もしかしたらまたお願いするかもだけど』

『りょーかいよー!聖水はイーリスにお願いして!ちょっと世界樹まで行ってくるから』

『お願いね!』


世界樹の葉っぱは、これで良し。

泉に向かって歩く。

世界樹よりは近い。目の前に見えてるから。

世界樹も見えて入るけれども、だいぶ違う。


「イーリス、いる?」


泉からちゃぷんと、顔を出す。

泳いでたのね。


「リオ、どーしたの?」

「あのね、聖水分けてもらえないかなって」

「いーよー、どのくらい?」


私は、マジックバッグから、空のペットボトルを取り出した。

2リットルと500mlの1本ずつ2本。


「このくらいなんだけど」

「全然オッケーよ。ふた開けて貸して?」


ペットボトルのふたを開けて渡すと、イーリスはそれを持って泉に潜って行った。

ペットボトルを満タンにしてくれたイーリスから聖水を受け取り、ふたをしてそのままマジックバッグへ。

だって重いんだもの。


「ありがとー、イーリス」

「足りなかったらいつでも来てね」

「その時はよろしくね」


イーリスに手を振り、私は空間の入り口へと戻って、ティルを待った。

私はティルが葉っぱ抱えて戻ってくると勝手に思っていて、飛んでくる葉っぱを探していたのだけれど、ティルは行く時と同じように戻って来た。よく考えたら空間にモノしまえるのよね、ティル。

ミスリルもそうだったし、すっかり忘れてたわ。

ティルから世界樹の葉っぱを受け取ってお礼をしてから、空間を出た。

いったん自分の部屋で、世界樹の葉っぱを魔法で乾燥させて、魔法で粉砕しておいた。

この方が使いやすいでしょ?

葉っぱそのままじゃ私より大きいし…



「ママ、りおへや、となり、ちゅかう、いい?」

「魔導具作るお部屋使いたいの?」

「あい」


連理はちょっと困った顔してる。

あれ?ダメなのかしら?


「ママこれから、ばぁばのところに行かなきゃいけなくて、一緒にいてあげられないのよ」


連理じゃなきゃダメなのかしら?


「ほか、ひと、だめ?」

「ちょっと待ってね」


連理はスマホを取り出し誰かに連絡している。


理人(りひと)にお願いしたから、一緒にいてくれるけど、危ないことしちゃダメよ?」

「あい」


おー、理人が付き添いしてくれるのか。

でもちょうどいいかな?

ポーション作るのと、似た作業だものね。

魔導具作成部屋(仮)へ向かうと、理人が待っていた。


「リオ、なんか作るんだって?」

「あい。しぇいゆ、ちゅくる」

「しぇいゆ?…せいゆ?…精油か?」

「あい」

「精油つくって、どーするんだ?」

「ママ、けちょーしゅい、ちゅくる」


いつになったらちゃんと発音出来るようになるのかしらね?

話す練習とかしなくちゃだめかしらね?


「けちょ?…化粧水か?」

「あい」


みんな私の発音に慣れてるから、なんとなく理解してくれてありがたい。


「なんか手伝うか?」

「これ、じょーりゅー、しゅる」


そう言って、緑色の粉末を取り出した。


「これなんだ?」

「しぇかいじゅ、はっぱ」

「世界樹の葉っぱ!?」

「あい、ちる、もらった」

「ティルからもらってきたのか」

「あい」

「リオは世界樹の葉っぱを蒸留して、精油を作るってことでいいのか?」

「あい」


ちょっと待ってろ、と蒸留するための器具を用意してくれている。

幼女には、さすがにそれは難しい。


「この粉全部使うのか?」


私は頷く。

だって、ホントにちょっとしか抽出できないんだもの。


「水はどうする?」


マジックバッグから2リットルのペットボトル出して、


「こりぇ、ちゅかう」

「聖水か?」

「あい」

「贅沢な化粧水だなー、世界樹の葉っぱに聖水かよ」


でも、効き目がすごいのよ。

きっと連理大喜び。

理人は、蒸留の作業を始めてくれた。

私自分でやるつもりだったんたけど、やってくれちゃうのね。

理人はなぜか、蒸留しながら、唸り出した。


「りひにい、どちた?」

「んっ?あー、ポーション作る時も蒸留して抽出した方がいーのかなーって考えてた」


えっ?ちょっと待って。

今まで蒸留してなかったの?

抽出してなかったの?

もしかして、薬草そのままポーションに入ってた!?

だから苦かったのでは?


「じょーりゅー、しゅる、ちゅーしゅちゅ、しゅる、いい」


ぜひ、蒸留して抽出して!


「そうか、次はそれでやってみるよ」


そうしてー。


「うまうま、ぽーちょん、ちゅくる」

「おーがんばるぜ」


って、ホント頑張って?

苦いポーション、ギャン泣きしちゃうから。


『蒸留って時間かかるのよね。この間に出来ることあるかしら?』

『化粧水の容れ物でも探したらいかがですか?』


用意してなかったわね。


「りひにい、ぽーちょんびん、ちゅくる?かう?」

「買って、煮沸して、入れた後、状態保存付与してもらってるぞ」


なるほど。


「びん、ありゅ?」

「あー?あ、化粧水入れるやつか?」

「あい」

「工房にあるぞ、取りに行くか」


ここで待ってる、主張をしてみたが1人にしてなんかやらかしたら、俺が怒られるからダメだ、と強制抱っこで理人の工房まで連行された。

別にいいんだけどね。

ポーション瓶を何本かもらって、理織の工房(仮)に戻って煮沸してもらった。

これは、クリーンとかだとダメなのかしら?

ピュリフィケーションとかは?

今度やってみるしかないわよね。


『インベントリにポーション瓶って余ってたかしら?』

『瓶と言うか、ポーションが大量に余ってますが…』


あ、そうだった、入れっぱなしよね。

どうやって消費したらいーかしらね?


「蒸留もうすぐ終わるぞ。次は何するんだ?」


私はマジックバッグから500mlのペットボトルをだして、


「こしゅ」

「こしゅ?こす?…濾過するのか?」

「あい」

「確か、水を濾過する魔導具あったよな?この部屋にあるか?」


理人は、部屋を鑑定したみたいで、魔導具を見つけてくれた。

魔導具じゃなく、道具としても濾過するものはあるそうだが、魔導具の方が断然早いとのこと。


「濾過した聖水の量は?100?」


計ってガラスの器に入れてくれる。


「世界樹の精油は?5滴?」


ポタポタと聖水に落としてくれる。


「あとは?」

「りお、まじぇりゅ」


理人は混ぜるためのマドラーを渡してくれた。

私は、鑑定で見ながら魔力を流して聖水と世界樹の精油を混ぜる。

魔力を流すのも混ぜるのもやめてから、錬金した。

一度光って落ち着いた。


「できた!」


鑑定は、世界樹の葉の化粧水と出た。

フェリーラザで作っていたのと同じになった。


「リオ、今錬金したのか?」

「あい」


返事をしたら、頭の中でぴこーん!が、なり続けている。

何これ?


『アレド、ぴこーん!が止まらない』

『レベル上がってるみたいです。職業関連のスキルを初めて使ったからかと思われます』

『えっ?でもレベルが1とかになるんじゃないの?』

『経験値100倍取ってませんでしたか?』


あっ、取ったね。


『でも100倍ついこの間じゃなかった?』

『元々3倍取ってましたよ?』


あーそうだったかも…


『あっ、レベルアップ止まった』


ステータス見るの怖いんだけど…

レベル 38!?

ウソでしょ!?一気にそんなにアップするのおかしくない!?


『さすが100倍ですね…』


呆れ気味のアレド。

さらに、追い打ちをかけられることになる。

初ダンジョンの時に聞こえたアナウンスがまた聞こえて来た。


(スキルポイント、魔力量、体力量が✖️レベル分、増加します)


はっ!?

✖️レベル!?


『アレド、聞こえた?』

『何がでしょうか?』


アレ?アレドには聞こえてない?


『今、スキルポイント、魔力量、体力量が✖️レベル分、増加しますって』

『はっ!?✖️レベルですか!?』


スキルポイントは、今だいたい2500万くらいだから✖️38っていくつよ?

はっ?95億!?

魔力2000くらいでしょ?✖️38って、76000!?

あと10日くらいしたら、封印解放できちゃわない?

えっ?ホントに!?


「リオ?出来たのどうすんだ?」


あっ、レベルアップの衝撃で忘れてたわ。


「びん、いりぇりゅ、ママ、あげりゅ」

「瓶にいれるんだな?よし」


理人が瓶に移し替えてくれる。

2本出来た。


「あーがと」


理人に頭撫でられた。

なんでだ?


「ここ片付けたら、渡しにいこうな?」

「あい」

『アレド、なんかとても疲れたわ』

『ですね、お昼寝推奨します』

『連理に渡したら、寝るわ』

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