裏庭のアレ
ティルと契約してから、1ヶ月はとっくに過ぎた。
『ティル、裏庭どうなってるかしら?』
裏庭に作った空間は、なんかすごいことになってるらしい。
いや、世界樹の場所まで遠すぎて、一人じゃいけないから、魔力入れた魔石をティルに渡してお願いしたままになっている。
最初は、何度か通ったんだけとね。
理人は、薬草畑もあるから、結構な頻度で通ってるみたいだけど。
通ったついでに、世界樹と鉱脈に魔力流して回ってるみたい。
『世界樹はかなり育って来たわよー、薬草畑は5面くらいになったわよ』
『ずいぶん増えたのね、薬草畑』
『ハーブが張り切ってるわ。理人もちょいちょい来てくれてるし』
へぇー理人マメだね。
『ヒマワリの鉱脈は?』
『鉱脈としては、まだまだだけど、ミスリル自体は育って来たわよ。両方ともね』
あっそうか、私が作った砂つぶミスリルとフェリーラザのミスリルを両方植えた?んだったわね。
『少しずつ、比較するのにもらえたりする?』
『少しくらいなら全然大丈夫よ』
『じゃあお願いね』
りょうかいよーとティルは、飛んでいった。
『リオール様、成分分析するのですか?』
『鑑定とか解析で、わからないかしらね?』
フェリーラザと成分が同じなら使いやすそうじゃない?
向こうでは、ミスリル使ってたし。
『あっ、成分解析と言うスキルあります。これならわかりそうじゃないです?』
『そんなのあるの?取るわ』
成分解析取得。もちろんレベルMAXで。
ぴこーん!
向こうで、成分なんて気にしたことなかったから、こちらのスキルよね、きっと。
『アレド、ミスリルってドワーフの鍛冶師じゃないと扱えないとかじゃなかったかしら?』
『フェリーラザはそうでしたね』
『こっちで、理一とか烈みたいな鍛治師で扱えるかしら?』
とりあえず理一も烈も使ってみたいとは言いそうだけど。
『あー、どうでしょう。理音様の錬金鍛治師ならいけそうでは?』
『確かに、私と理は魔導具に使えそうだし、理音は剣とかに使えそうよね、防具とか装備とかにもつかえたわよね?装飾品とかもよね?』
『ですね。ミスリルが表に出せるようになれば、インベントリのミスリルが使えるようになりますしね』
『そうね!インベントリにミスリルどれくらいあるのかしら?』
『1トンくらいありますけど?』
『はぁ!?何その量』
『何と言われましても、リオール様が溜め込んだものですよ、としか…』
ホントに!?そんなに溜め込んでたの?
何がしたかったのかしら、私。
まさか…
『アレド、単なる確認なんだけど、オリハルコンとかアダマンタイトとかはそんなにためてない…わよね?』
『嫌ですよ、溜めてるに決まってるじゃないですか』
うそーん。
オリハルコンとかアダマンタイトとかもヒマワリに育ててもらわないとだめなのでは?
それじゃないと、インベントリから放出できないのでは?
うわーって頭抱えたくなってたところに、ティルが戻って来た。
『もらってきたよー』
空間から、私の両手にやっと乗りそうな塊が2つ出て来た。
えっ?おっきくない?
『ティル、私少しっていったわよね?』
『うん、だから少しもらってきたよ』
これが少しなの?
塊で、1キロくらいありそうなんだけど?
10グラムくらいでも良かったんだけど?
『ティルちゃん、これで少しってことはヒマワリのところには、どのくらいあるのですか?』
『んー?理織のこのお部屋くらいはあると思うけど』
はっ?予想以上に育ってるんだけど?
1ヶ月とかで、そんなになるの?
『ティル、それだけあるなら理や、他の鍛治師とかに使ってもらっても大丈夫かしら?理には、ヒマワリから渡すのかしら?』
『理織、これ確認するんでしょ?それで使えそうなら、ヒマワリは理に渡したいみたいよ?』
そういうことなら、頑張って確認しようじゃないの。
まずは鑑定
フェリーラザのミスリルを魔力で育てたミスリルの塊。
理織の作った砂つぶミスリルから魔力で育てたミスリルの塊。
一応ちゃんと両方ともミスリルね。
次に成分解析
うん、同じ成分ね。
これなら問題ないと思う。
これがミスリルの成分ってことは、蜜魔石みたいに失敗する可能性はあるけど、一度はやっておきたいわよね。
魔石変換魔法。
そのうち、やることにするわ。
『ティル、両方とも同じ成分で、ミスリルって鑑定されるから大丈夫だと思う。まずは、ヒマワリから理に渡してもらおう。それから理から鍛治師に剣とか作れるか試してもらうようにお願いしてみようか』
『リオール様は、別で使ってみましょう?』
『そうね、魔力を通す魔導具考えてみようか』
とうとうミスリルを使える日がきたわ。
何を作ろうかしら。ワクワクするわね。
 




