虹色の雫〜理哉
うはー、イーリス可愛いわー。
髪がね、腰まであって、虹色にキラキラ反射してキレイなの。
瞳は、リナと同じで黒なんだよ。
黒なんだけど、光があたるとキラキラするの。
だから、名前は虹って意味のイーリスにしたの。
我ながらナイスなネーミングだと思ってるんだけど。
リナ、精霊がいるなんて思ってもみなかったから、リオが連れて来た時すごくビックリした。
だって、精霊だよ?
手のひらに乗るくらいのサイズなんだよ?
見た瞬間から、可愛くて大好きになった。
イーリスはリナを選んでくれて、契約してくれた。
契約すると、恩恵ってのがもらえるらしい。
恩恵って何?
ステータスに、虹色の雫という恩恵が増えていた。
「イーリス、虹色の雫って、どんなの?」
「リナならエンチャント効果2倍だよ」
「えっ?ホントに?」
2倍?すごくない?
「本当だよ」
「うれしー!って、リナならって?」
「契約する人によって効果変わるよ」
へぇー。
「そういうもんなの?」
「うん、でもイーリスはリナがよかったの」
そっか、嬉しいね。
「ありがとうイーリス」
イーリスは、リナの右肩に乗って座っている。
そこ定位置なのかな?
「イーリスは、ティルみたいに世界樹育てるーみたいな希望はないの?」
「イーリス、泉作りたい」
「泉?」
「そう、泉。イーリス泳ぐの」
「泳ぐの?」
「他のまだ見えない子達と泳ぐの」
空中で泳ぐみたいに、ふよふよ〜って漂ってる。
「見えない子達って、たくさんいるの?」
イーリスは、いるよーと頷く。
たくさんいるのか。いつか見えるようになるのかな?
「みんなで遊ぶってこと?」
「遊ぶと言えば、遊ぶだけど、イーリス達泳ぐと聖水になるよ?」
んっ?なんですと?
「聖水?って、聖なる水の聖水?」
「そーだよー、聖水は精霊がつくってるんだよー」
マジですか!?
そんな秘密が!?って秘密なんだよね?
「そんな大事なこと、さらっと言っていーの?」
「リナだからいいよ」
リナだけでも、ちょっと困るよね。
「うちの家族には、話しても大丈夫かな?」
イーリスは、両手でオッケーマーク作ってくれた。
何それ、可愛い。
スマホ、写真っ。
精霊ってスマホで写るの?撮れるの?
どーなのよー?
だれかヘルプミー!!ってのは置いといて、
「作るならどこに作る?」
「ティルの裏庭のとこー?」
あーなんか拡張するとかなんとか言ってたかな?
「裏庭行ってみる?」
行くぅーとまたリナの右肩に戻って来た。
やっぱり定位置みたいね。
裏庭に行ってみたら、リオとティルだけじゃなくて理人兄ちゃんとハーブもいた。
「リナどうした?」
「理人兄ちゃんこそ何してるの?」
「俺は薬草畑と世界樹の様子見かな」
「えっ?もう世界樹植えたの?」
ビックリしてると、リオがドヤ顔で言った。
「うえたー!」
植えたらしい。
「りなねぇ、どちた?」
リオに訊かれて、そうだったと思い出した。
「イーリスが泉を作りたいんだって、場所とかあるかな?」
「ちる?」
リオは、ティルと言えないみたい。
ちるって可愛いけど。
ティルがイーリスを呼んで、何かを話している。
イーリスが、話すのをティルがうんうんと頷いて聞いている。
「泉作りましょう!理人の畑の近くに作ってもいいかな?」
「んっ?俺は全然構わないけど、薬草畑まだ増やすかも知れないから、その辺考慮してくれ」
「承知ですわ。さぁ、中に入りましょう」
ティルが、何もないところを開くと違う空間が現れた。
えっ?なにこれ。
別空間ってこんな感じなの?
どーなってるの?
「入っていーの?」
リナが聞くと、リオがどーじょーって両腕を空間の方に伸ばしている。
いや、リオだけじゃなかった。
ティルもハーブもなぜかイーリスもやってた。
めっちゃ可愛いんだけど。
なんかのご褒美かなんかなの?
あースマホー、写真ー、カメラーー!!
えっ?理人兄ちゃんなんで普通なの?
可愛いいの好きなくせに、あれ見て平静でいられるとか、どうなってんのよ!?
あとできいたら、スクショって生活魔法があって、それでスクショしまくってたらしい。
リナも生活魔法取ろうって、決めた。
必要でしょ!?ねっ?絶対に必要でしょ!?
ちょっと落ち着けリナ。
今は、この空間よ。
めっちゃ広ーーーーーい。
どーなってんの!?
ってか、畑。
おかしくない、畑。
「理人兄ちゃん?畑、あれ?変じゃない?」
ってか、狭いんじゃないの?
薬草もっさもさだけど、あれであってるの?
「あー、昨日はもっと普通の畑だったんだけどな」
「えっ?1日で、こんなんなってんの?やっぱり変だよね?」
だって、土見えないんだよ?葉っぱだらけなんだよ?
おかしいよね?
「俺の貰った恩恵の能力っぽい。緑の手から魔力注ぐと成長がすごい。ちなみにアレもそう」
理人兄ちゃんが指差した方には、木があった。
えっと…?まさかね?
マジで?ウソでしょ?
「アレってもしかして…?」
世界樹よーとティルがドヤ顔で教えてくれた。
デカくない?
だって、精霊と契約したのって一昨日の夜でしょ?
「昨日植えたんじゃないのっ!?」
なんであんなに育ってんの?
「イヤだから、緑の手で魔力あげたら、ニョキニョキとあーなった」
えぇーーー!?そんなことあるー!?
「これからはもっと成長するわよ」
って、ティルが宣言した。
どういうこと?
「なんでこれ以上成長すんだ?俺そんなにしょっちゅう緑の手で魔力やらんぞ?」
理人兄ちゃんが聞いてくれた。
「違う違う。イーリスの泉を作ったら、その水を水やりに使うから」
あれ?イーリスの泉の水って…
「聖水、水やりに使うのーーー!?」
驚いて盛大に叫んでしまった。
「聖水…?どういうことだ?」
「んっ?イーリスが作る泉って聖水の泉なのよ。それを世界樹や薬草畑で使うから、成長速度が上がるのよ」
ティルが説明してくれた。
マジですか。
イーリスは、泉の場所を探索中らしい。
「ちなみに、聖水はただ飲んでも疲労回復するわよー。ポーションにも使えると思うわよ、その辺は理人が試行錯誤してね」
「マジか、聖水使っていいのか?」
「もちろんよ!でもその前に畑広げてね。あれじゃ薬草かわいそうよ」
畑を見て、確かにと理人兄ちゃんは頷いた。リナも頷いた。
これで苦くないポーションが出来ますように…




