聖なる光の瞳〜理理
何度でも言うけど、リノは聖女ではありません。
何度でも言うけど、違います。
銀色の髪で、水色の瞳の精霊と契約してるけど、聖女ではない。
精霊は、アクアと言う名前にした。
すっごく可愛い。
アクアと契約した時に、聖なる光の瞳と言う恩恵?をもらった。
響きが聖女っぽい何かのようだが、きっと違うはず。
「アクア、もらった聖なる光の瞳ってどんなもの?」
「リノのギフトの性能アップだよ」
「たとえば?」
「スキャンすると、一瞬でどこが原因かわかるようになるよ?」
「ホントに?」
それってすごくない?
スキャンにかける魔力が、ほぼゼロなのでは?
治癒魔法に魔力振れるようになるのでは?
ホントだよーと、アクアはリノの周りをふよふよ飛んでいる。
「あとはねー」
んっ?まだあるの?
アクアは、ニッて笑って、
「リノの聖女の称号見えなくできるよー」
「ホントに!?消せるの?」
「ううん、消すのとは違う。隠すかな?」
「それって、偽装とかじゃないの?」
「偽装は、違和感が残るけど、聖なる光の瞳はそれが一切ないんだよ」
「そうなの?でも消せるなら消したいなー」
って思うのは、今までのことがあるからね。
「それにもし消せても消しちゃうのはもったいないよ?聖女補正でステータスアップしやすくなってるから、出来たとしても消すのはオススメしないよ」
えぇー称号の聖女からも恩恵があったとは…
「見えなくはなるんだよね?」
「もちろん」
なら、それでいいことにしようかな。
「わかった。どうやったら見えなくなるの?」
「簡単だよー、ステータス開いて、聖なる光の瞳を起動して、称号の聖女の文字をなぞればオッケー」
聖なる光の瞳だから、目にチカラが集まるのかと思ったけど、普通に右手の人差し指だったわ。
言われた通りに、聖女の文字をなぞると、上から塗りつぶしたみたいに見えなくなった。
「おー、すごい!見えなくなった!」
見えないだけで、すごい気持ちが全然違う。
晴れやかだわー。
「アクアありがとう!」
「どういたしまして!」
「スキャンする時に、聖なる光の瞳を起動させればいいのかな?」
「パッシブでも使えるけど、目についた人を問答無用でスキャンしちゃうから、やめた方がいいかなー」
それは、イヤだ。ゲンナリするわ。
「スキャンする時だけにするわ」
それがいいそれがいいって、アクアは頷いてる。
「あっ、あとスキャンの性能上がるから、リノの嫌いな信者?の、リノが聖女って言う勘違いの認識の元みたいなものを、治癒で浄化できる可能性があるよ」
「ホントに!?」
それが出来たら、信者を消し去れる。
信者を物理で消さなくてもよくなるのでは?
「アクアは見たことないから、絶対とは言い切れないけど、可能性はあると思う」
「じゃあ、浄化のレベル上げておこうかな?」
綺麗さっぱり浄化しちゃうから。
「なら、消去ってスキルあるかな?」
「消去?ちょっと待って」
ステータスを開いて、スキルポイントから消去を探す。
あるね。
「消去あったよ」
「取れる?」
「レベルは1とかでもいいの?」
「大丈夫。浄化の後に消去で、なかったことにするの。リノが聖女って認識を」
「出来るの?」
アクアは頷く。
なら、取得一択でしょう!
とりあえず浄化をレベル10まで上げる。
ぴこーん!
まだ、スキルポイントはあるね。
消去を取得。
ぴこーん!
おかしな奴は、これで私のことを忘れてもらおうじゃないのよっ。
対抗手段があると思うだけで、ストレスがなくなりそうよ。
「ありがとうアクア」




