無効化するには
夕方、理芳がやってきた。
開口一番言ったのが、
「ギルマスが洗脳されてやがる」
だった。
うちのみんなは、はっ?ってなったのは言うまでもない。
「理芳さん?」
「悪い、説明飛ばしちまった。理結がギルマスを鑑定したら、状態異常 洗脳状態になってたらしい」
「状態異常ってことは、なんらかのスキルが使われてるってことですよね?」
「だと俺たちは思っている」
『アレド、洗脳なんてスキルあったかしら?』
『ありますね、特殊なスキル取得条件でしかスキルツリーが開かないっぽいですけど』
「兄さん、ギルマスは大丈夫なの?」
「いや、理結はかなり様子が変だったから鑑定したと言っていた。ギルマスはなんとかしなくちゃならねぇと思ってる。そこでだ、理理は、治癒で状態異常を無効化出来るか?」
「私?毒の無効化なら出来るけど、状態異常?洗脳?はレベルが足りないって感じる」
「そうか…理、無効化の魔導具って出来るのか?」
「洗脳される前なら魔導具でもなんとかなったかも知れないけど、された後だとすぐに返答できないな。調べさせてくれないか?」
「もちろんだ、精神に干渉するようなスキルを人に使用するのは犯罪だからな。頼む」
「やれるだけやってみるよ」
『アレド、私、そんなスキル持ってたような…?』
『大賢者パックの中にありますね。マリオネットとかブレインウォッシングとか…解放されても隠蔽案件ですね』
『そうね…リオールは変なスキルたくさんもってるわよね?』
『さすがに300年以上生きてらっしゃいましたからねぇ』
理芳が帰って行った後、理は、
「リノは無理だと感じるんだね?」
「うん、治癒術師のレベルが足りないんだと思う」
「理人はポーションとかは?」
「まだ初級ポーションで手こずってるんだぜ?ムリムリ」
「リナのバフとかデバフはどうだろう?」
「洗脳前だったら、精神攻撃耐性を上げるとかは出来たかもだけど、今だとどうだろう?」
「連理さんも、リナと同じ感じかな?」
「そうね、状態異常を付与で無効化は難しいと思うわ」
「ってことは、リオかな?」
んっ?私?
『無効化の魔法を作って欲しいと言うことでは?』
『あー、そうか。それしかないか』
首をかしげながら、
「まほう、ちゅくる?」
「できるかな?」
「わかーない、どんな、まほう?」
「状態異常無効化の魔法だな。状態異常を指定して、無効化に必要な魔力量の提示と、魔力提供者の指定かな?何か足りないかな?」
「大丈夫そうだけど」
「リオ、できる?」
「やってみりゅ」
創造魔法をタップ。
もうひとつ画面が表示される。
創造する魔法の名前は
状態異常無効化魔法
どんな魔法か定義
「状態異常を無効化する。無効化時に必要な魔力量を先に提示、魔力提供者は指定、無効化する状態異常の種類を指定」
魔力総量の半分を消費
クリエイトボタンをタップ。
製菓と料理変換魔法の横に、状態異常無効化魔法が表示される。
魔力6万とか持っていかれるのちょっとしんどいかな。
「できた」
「でも、いつもみたいに試しに使ってみるって出来ないな、状態異常の人がいないと効果がわからない」
確かに、それはわからないよね。
「じゃあ、いきなり魔法陣にするしかないんじゃないかしら?」
『魔法陣にしてしまえば、後は理様がなんとでも出来ますね』
「リオ、魔法陣に展開してもらえるかな?パパの魔力で」
「あい」
魔法陣展開魔法をタップ。
展開する魔法を指定
状態異常無効化魔法
必要な魔力量 38,000
38,000!?
それだけ複雑ってこと!?
理に必要魔力量を伝え、了承をもらい、
魔力提供者
理
展開ボタンをタップ。
出来てるの?
なんか音ほしいわよね。
スキル取得とかぴこーん!ってなるんだから同じでもいいし、しゃらーんでもきらーんでもいいじゃないね?
「リオ、ありがとう。魔法陣展開されたよ」
「あい」
『これで、洗脳解ければいいけれど』
『理様がなんとかしてくれます』
「解析して、魔導具にするよ」
「あい」
 




