ダンジョンでもらったもの
ダンジョンから家に戻ると、リビングには笑理がいた。
さっきはいなかったよね?
『笑理様は鑑定士で神眼をお持ちのようです』
『それってまずくない?封印も見れちゃわない?』
『今回は大丈夫だと思われます。3歳児が間違ったことを言わないかの確認のようですので』
それなら大丈夫かな?
もらったまま報告すればいいだけだもの。
「みんないるな?3人ともしっかりと職業とギフトをもらえたようだから、始めるか」
「神凪関係で、久々の初ダンジョンだものね。楽しみだわー」
灯理がウキウキしている。
そういうものなの?
「まず、輝理おしえてくれる?」
瑠理が輝理に問いかける。
「かがりは、まじゅちゅしー」
「ほぉー剣姫と剣豪の娘はまた魔術師か」
「煌理はどうだ?」
「きらりも、まじゅちゅしー」
「えー2人とも魔術師なの?ママ剣術おしえたかったのにー」
灯理はぶぅーとふくれっつらだ。
おいおい、大人がやっても可愛くはないよ?
「ギフトはなにかわかるかな?」
大樹が聞くと、
「「へんかんー」」
2人が同時に同じことを言った。
「えっ?職業もギフトも同じなの?ホントに?」
灯理がつぶやくと、双子はホントだもんと怒った。
理一は、笑理が頷くのを見て納得した。
「さすが双子だな、しかし変換?ってなんだろうな?誰か聞いたことあるか?」
大人たちは全員横に首を振った。
レアなのかしら?
「ギルドのギフト一覧にも載ってないな」
虹樹が何かで確認したようだ。
「では、使い方はおいおいですね」
と、瑠理は一旦話題を閉じた。
「次は、理織だな。何をもらった?」
やっと私の番だね。
「りおは、まどーれんきんじゅちゅし」
「あれ?それって…」
突然、理に抱っこされたまま、理はぐるぐる回った。
何事?
「ぱーぱ?」
「リオー、パパと同じ職業だぞーーー」
なんと、理と一緒だったらしい。
それで、この喜びようなのね。
でもお願い、止まってほしい。
「パパ、きもちわりゅい」
目が回るぅ…
「ちょっと理さん、止まって、理織青くなってるからーーー」
連理の声に理はやっと止まってくれた。
「リオ、ごめん。大丈夫か?」
うー。
幼女の三半規管は弱々らしい。
「だいじょぶくない」
あーって、みんなの声が聞こえるけど、むりなものはむり。
理が悪い。
少し離れたところで、輝理と煌理のギフトの話をしているのが、うっすら聞こえる。
笑理が鑑定してるっぽい。
『アレド、きいておいて』
『大丈夫です、聞いてます』
さすがね。
『あーすごいですね、彼女たちのギフト。2人で同じ魔法を使用したときに威力が3倍に変換されるようです』
3倍?
それすごいわね。
『成長しても、2人で活動するのが条件になるわよね、ずっと仲の良い双子だといいけれど』
『あの2人は大丈夫そうな気がしますけどね』
『そうね』
そろそろ、大丈夫そうかな。
「ママ、おみじゅ、ほちい」
連理はすぐに水をくれた。
起きて、水を飲んでいたらみんながこちらに戻ってきた。
「理織、大丈夫か?」
理一は心配そうな顔で聞いてくる。
「だいじょぶ」
と、頷くと、
「理織のギフト教えてくれるか?」
「んと、そーぞーまほー」
理一は、またみんなを見渡す。
双子のときと同じように首が振られる。
創造魔法もレアなのかしら?
「虹樹、どうだ?」
「見つからないな」
ギルドのギフト一覧にもないらしい。
あっ、これって鑑定される流れでは?
『アレド、どうしよう?』
『大丈夫だと思います。リオール様の封印はスキルは関係していないので、鑑定には反応しないと思われます』
えっ?そんな感じなの?封印って。
「笑理、そうぞうの漢字は?」
「つくるほうの創造ね」
「魔法をつくれるってことか?」
理一が驚いてる。
「魔力量に応じて自由に魔法をつくれるっぽいって、鑑定結果に出てる」
おー思ってた通りのギフトね。
とてもとてもとても楽しみになってきた。
「すごいギフトだな、秘密案件だな3人とも」
ふぅっと大きく息を吐いた理一は、
「今日はここまで、これからは3人の誕生会だな」
「「「わーーーーい」」」
たくさんのご馳走が運ばれてきて、見たことがない食べ物がたくさんあって、プレゼントももらって、大人はお酒をのんで職業とかギフトの話を楽しそうにしていた。
私も聞いていたかったけど、3歳児はもう限界。
コクリコクリしているところをベッドに運ばれた。
あー魔力の枯渇の方法聞くの忘れた。
とりあえず、アレドに空の魔石だしてもらって、魔力を移してそのまま意識を手放した。
魔力は果たして使い切れたのだろうか?
明日はちゃんと方法を聞こうと思ったリオールであった。