魔石できた
「ママ、みて」
私は、魔石変換魔法で作成した小さな魔石を乗せた手のひらを連理に見せた。
もちろん、火、水、風、土を1個ずつ。
「理織、これどうしたの?」
連理は私の手のひらの魔石を見て驚いていた。
「ちゅくった」
「作ったって、理織が?」
コクリと頷くと、連理は首を傾げて、
「リジェネルで作ったのかしら?」
頭を横に振りながら、
「ちなう」
リジェネルではないことを告げる。
「じゃあ、どうやって作ったのかしら?」
「あのね、ギフト、まほう、ちゅくった」
「ギフト?創造魔法だったかしら?」
「あい」
「それで作ったの?」
「あい」
んー?ってまた眉間にシワよってるよ?連理。
「創造魔法で、魔石を作ったの?」
「あい…?」
「あら?違うのかしら?じゃあ、創造魔法で、魔石を作る魔法を作ったのかしら?その魔法で魔石を作った…の?」
「あい!」
正解だよ、連理。
「えっ?理織すごいわよ。ものすごいことよ?」
「あい?」
「ちょっと待ってね、パパも呼んできましょう!」
また大事になりそうな予感。
『アレド、大丈夫かしら?』
『こればかりは、何とも言えません』
そうよね、幼女なのに、やりすぎてる感は否めないのよね。
「リオ、魔石作ったって?」
理がリビングに飛び込んできた。
ビックリしたわ。
「あい」
手のひらを開いてみせる。
「さっき、見たらね、各属性の魔石なのよ」
「えっ?そうなのかい?鑑定してみるよ」
理は、私の手のひらの魔石をそれぞれ鑑定していった。
「本当だ、火、水、風、土の属性の魔石だ。しかも魔力が300ちょうど」
「4つとも?」
理が頷くと、連理はひとつ息を吐いた。
「理織、魔石を作る魔法を作ったのよね?」
「あい」
「どんな魔法か説明できるかしら?」
「んと、まりょく、かえる、ませき、なる」
「魔力を魔石に変換してるってことかな?」
「しょれ!」
「リジェネルみたいに空の魔石が必要ないってことかい?」
「あい」
「理織、どうしてこの魔石、全部魔力が300で同じなのかしら?」
「まりょく、りょう、きめる、かえる」
「変換する魔力量を設定できるのかい?」
「あい」
連理と理は、顔を見合わせてしまった。最近よく見る光景である。
「理織、今魔石作れる?その魔法使って」
「あい」
「じゃあ、無属性で魔力が350でできるかな?」
私は頷いて、ステータスを開き、創造魔法をタップし、さらに魔石変換魔法をタップして、
魔力提供者を理織。
魔力量を350。
属性を無。
3つを設定して、変換ボタンをタップする。
手のひらに魔石がひとつ追加された。
「あい」
連理に渡すと、
「確かに無属性だわ」
連理から理へ魔石が移動する。
「魔力量が350だね。これはすごいね」
「理織、これは理織の魔力しか使えないのかしら?」
「ママ、まりょく、つかう?」
「できるの?」
「あい」
「ママの魔力1000で、水属性の魔石できるかしら?」
私は再度、魔石変換魔法をタップして
魔力提供者に連理。
魔力量に1000。
属性に水を設定して、変換ボタンをタップ。
連理の手に私が作った魔石よりも大きい魔石が現れた。
「ステータス見てたんだけど、ちょうど1000減ったわ」
「僕も見てたけど、連理さんの魔力が手のひらに集まっていくのが、見えたよ」
理は、ほっと息を吐いて言った。
「さっき、リオが自分以外からの魔力で魔石を作れると聞いて、悪用を恐れたんだ。知らないうちに魔力を抜いてしまえるんじゃないかって。でも出来た魔石が使用した魔力の持ち主の手に現れるなら、問題ないかもしれない」
あーなるほど、そこまでは考えてなかったわね。
『アレド、気づいてた?』
『いえ、気づいてなかったというより、リオール様がそんなことをしないのはわかっているので、考えもしませんでした』
あははは、変なところで信頼はあるみたいね。
「理織のこの魔法って、魔力を大量に注げば、ものすごく大きな魔石ができるってことじゃないかしら?」
「大型の魔導具の動力源になりそうだな。魔石を何個も連結させて使う必要がなくなるかもしれない」
連理と理は、2人で盛り上がってしまっている。
私はどうしたらいいかしらね?
「リオ、この魔法を魔法陣に展開できないかい?」
どういうこと?
頭をおもいっきり傾げる。
「魔法陣があれば、魔導具化できる。欲しい人がたくさんいると思う」
魔法を魔法陣に?
『アレド、そんなこと出来たかしら?』
『聞いたことはないです。けれどリオール様なら出来るのでは?』
『どうやって?』
『それこそ、創造魔法で、ですよ』
あーそうか。
「ぎふと、まほう、まほうじん、する、まほう、ちゅくる?」
「そうよー、魔法を魔法陣に展開する魔法を作れるかしら?」
「やってみりゅ」
創造魔法タップ。
もうひとつ画面が表示される。
創造する魔法の名前は
魔法陣展開魔法
どんな魔法か定義
「魔法を魔法陣に展開する。展開する魔法の指定。展開時に必要な魔力量を先に提示。魔石もしくは、魔力提供者を指定」
魔力総量の半分を消費。
クリエイトボタンをタップ。
魔宝石変換魔法の横に、魔法陣展開魔法が表示される。
毎度毎度、魔力総量の半分消費しないと、魔法つくれないのね。
「できた。まほう、まほうじん、する、まほう」
「展開できるかい?」
「ちょっと理さん、理織いま、魔法作ったんだから、魔力量減ってるはずよ。少し休憩しましょう。甘いものがいいわよね?」
「あまいもの!!!たべりゅ!!」
「そうだね、ごめんね、リオ。休憩しよう」
「あい」
今日の甘いものはなにかしら?
ワクワクしながら待っていた私は、連理が持ってきてくれたものに、なにこれ?茶色いけど?甘そうに見えないんだけど?ホントに甘いの?そんな印象しか持てなかった。
「シュークリーム、よ」
「あまい…?」
とても疑わしそうに聞いてみた。
「あはは、甘そうな見た目にみえないからな。リオすごい顔してるな。」
「中にあまぁーいクリームが入ってるのよ。そんな顔しないで食べてみて」
連理に手渡されて、両手で持つ。
中にクリームが入ってるというだけあって、そこそこずっしりしている。
私は、一口かぶりついた。
中から口の中に甘ーいクリームがあふれ出して、目を見開いた。
ひとくち分のクリームを飲み込んで
「おいちーーーーー」
何これ?すっごく美味しいんですけど!!
クリームの入ってる皮?は甘くなくて正解だわ。
プリンもおいしいけど、シュークリームは違う意味で美味しいわ。
これは、1個まるまる全部食べるわよ。
たとえ、お腹がぽんぽこりんになろうとも、食べない選択肢はないわよ!!
「おいちーーー、うまうま、あまあま、おいちーーー」
夢中で食べたわ。
顔と手をクリームでベタベタにしたことは、仕方ないと思っているわ。
連理が拭いてくれたわよ。
満足よ。
美味しいって、幸せ。
『リオール様、シュークリームには色々なバージョンがあるようですよ。皮の部分をシューというようですが、クッキーのようになっていたり、パイのようになっていたりするものもあるようです』
『なんですってー?』
『クリームも、先ほどのはカスタードクリームらしいですが、さらに生クリーム?ホイップクリームなるものと、両方入っているものなどがあるようです』
『そうなのー?そんなの食べてみたいじゃない。いつか連理用意してくれるかしら?』
あーシュークリーム、好き。
『食べられるといいですね。あとは、先ほど作製した魔法を試してみないとですね』
『あっ、そうだった。全部シュークリームに思考が持っていかれてたわ』
本題はシュークリームじゃなかったわ。
「ママ、まほう、やる」
「そうね、やってみてもらえるかしら?」
魔法陣展開魔法をタップ。
展開する魔法を指定
魔石変換魔法
必要な魔力量 20,000
20,000?
「ママ、パパ、まりょく、たーない」
いや、ホントに足りない。
さっき15000以上持っていかれてるからね。
「魔石に変換する魔法を魔法陣にするのに、魔力が必要で、そのための魔力が足りないのかな?」
「あい」
「どのくらい必要かわかる?」
「かく、かみ」
連理がくれた紙に、20000と書く。
「2万!?」
「それは理織には、ムリね。足りないわよね。ママとかパパの魔力でも大丈夫なのかしら?」
「あい」
「それじゃあ、パパから魔力使って、魔法陣にする魔法使ってみてくれるかな?」
「あい」
魔法陣展開魔法をタップ。
展開する魔法を指定
魔石変換魔法
必要な魔力量 20,000
魔力提供者
理
展開ボタンをタップ。
魔石みたいに見えるものが、ない?
「パパ?」
「スキルの魔法陣に魔石変換魔法の魔法陣が追加された」
なんですって?
私の魔法陣スキルにも追加された?
『アレド、私はどうかしら?』
『追加されてますね。なぜ提供者だけとか、リオール様だけとかではなかったのでしょうね?』
『そうよね、とりあえず理にも魔法陣追加されてよかったけど、ちょっと疑問が残るわね。理なら魔法陣うまく使って魔導具にしてくれるわよね』
『そうですね』
うんうん、私の作った魔法が役立つなら嬉しいよね。
「理さん、魔導具にできそう?」
「サラっと見ただけでも、すごい魔法陣だよ、この魔法陣。解析頑張れば、色々応用して、色んな魔導具に出来そうだよ。リオすごいよ。ありがとうな」
頭をぐりぐり撫でられながら、
「あい」
と返事をするのだった。
そうそう、これから作る魔石も今までに作った魔石も、連理に渡すことになった。
魔導具でも、付与素材としてでも使えるから、作ったら渡していいことになった。
やっと、宝箱をほぼ埋め尽くしていた魔石が私の手から離れたよ。
宝箱に隙間ができたわー。
今度はどんな魔法を作ろうかな。
考えるのも楽しいね。




