職場体験〜白夜
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「何が出来るかわからない」
そう言った俺に、理結さんは色んな部署を体験してから決めてもいいと提案してくれた。
それなら、何か出来るところがあるかもしれない。
始めは護衛隊だった。
「おー、新しい人か!東雲さんと炎さんが抜けてから人増えなかったんだよなー」
なぜか歓迎ムードで迎えられた。
「東雲さんて、社長の右腕みたいな人ですよね?」
「そうそう、元々はここにいたんだよ」
そうなんだ?
「笑理お嬢さんとの結婚を機に、社長付きになったんだよ」
別の人が教えてくれた。
「でも、君もあれだろ?1週間の体験とかだったよな?」
「あっ、はい。月城と言います。何が出来るかわからないと言ったら、理結さんが色んな部署体験してこいと提案してくださって」
「そーなのかー、月城くんだっけ?ここ気に入ってもらえたら俺らは嬉しく思うな」
「「だなー」」
「よろしくなー」
「はい、こちらこそよろしくお願いします」
みんな、いい人みたいだ。
護衛隊の仕事は、神凪コーポレーション関係者の護衛である。
社長や理結さんはもちろんのこと、外部からの嫌がらせなどで単独行動するのは危ない人の護衛だとか、色々な事業部に乗り込んできたりするおバカさんとかがいたりするらしい。
そういった人達から護るのも、仕事のようだ。
あとは、タレントさんの護衛や、お嬢さんたちの護衛だったりするらしい。
「あの、先程東雲さんと、もう1人の炎さん?はどうして護衛隊を辞めたのですか?」
「あー、炎さんはなー。焼肉屋のヤミーって知ってるか?」
「はい、魔物肉の焼肉屋ですよね?」
そこに転職したのかな?
「そこの店長になって、抜けたんだよ」
「えっ?」
店長!?
「焼肉屋ヤミーも神凪の事業なんだよ」
「そうなんですか!?」
「そうそう!神凪は色んなことを手掛けてるぞ?だからきっと月城くんもやりたいこと見つかると思うぞ」
そうならいいけど。
なんだかんだと楽しく1週間を過ごさせてもらった。
ここで働くのも悪くないかもしれないな。
護衛隊のみなさんは、色々体験してこいと送り出してくれた。
次に体験したのは、秘書室。
と言っても、女性は誰1人いなくて驚いた。
東雲さんと虎牙さんと言う方が中心になって回していた。
別の部屋には、書類仕事や経理をしてくれる女性はいるとのことだった。
社長と理結さんが、ウザいから周りに女性はいらんってことみたい。
なるほど?
けど、理結さんについて回ってるうちの兄貴はウザくないんですかね?
理結さんを完コピするのに、めっちゃ観察中なんだそう。
完コピなんて可能なんだろうか?
「白夜、護衛隊はどうだった?」
社長に聞かれて、
「楽しかったですよ?みなさん良い人ばかりでしたし」
東雲さんが変な顔をした。
「言い争いとかしてなかったか?」
言い争い?
「いえ?みなさん仲の良い部署なんだなって思ってましたけど」
社長も変な顔してるけど、なんだろう?
俺なんか変なこと言ったか?
「いつも張り合って喧嘩ばかりしてるようなやつらばかりなんだが?」
はっ!?
「ものすごくなごやかでしたけど?」
みんな優しかったし、ケンカとかするようには見えなかったけど…
「理結、これがそうか!?」
「だと思うよ」
「すげぇな」
何の話をしてるのかな?
「虎牙、白夜に仕事教えてやれ」
「俺ですか?」
「お前以外に誰がいるんだよ」
「ですよね。白夜さん?こっち来て書類の仕分け手伝ってください」
「わかりました」
「じゃあ、俺らは出てくるから虎牙よろしくな」
「いってらっしゃいませ」
書類の山を仕分けしながら、どんな仕事をしてるのかを説明してもらった。
社長や理結さんのスケジュール管理や、行きの出張時の交通機関やホテルの手配。
帰りは?と思ったら、転移で戻ってくるとのこと。
社長は全国のギルドを定期的に回って、魔力の実などの自動販売機で不正がないかをチェックしているのだそうだ。
で、帰りは面倒だから転移してくるのだそうだ。
結構普通に、転移とか使ってるんだなぁって思った。
それからも色々体験させてもらった。
カンナギエージェントは芸能事務所だった。
輝夜が働いてたぞ。
俺もモデルやらないかと言われたが、丁重にお断りした。
目立つのは、もううんざりだよ。
焼肉屋ヤミーにも行った。
接客は実家でやったことはあるけど、忙しさが段違いだった。
ビールなんかもダンジョン産だと聞いて驚いた。
ティルイーリオは、ハードルが高かったな。
お客様は女性がほとんど。
化粧品とダイエットの実や減量ポーションを買い求める女性に圧倒され続けた。
ギィルシューリオにも行った。
一縷の望みにかけて!みたいなバーコードのおじさまがほとんどだが、病気で抜け落ちてしまった女性や若い男性も見受けられた。
アイリネーゼと言う宝飾店にも行ってきた。
ダンジョン産の真珠や宝石を使ったアクセサリーやミスリルの腕輪などを取り扱うお店だった。
作っているのは、愛理さんと言う理結さんたちの従姉妹だそうだ。
すごいな。
理結さんがオーナーをしているギルドショップやウィズキャラショップでも体験してきた。
どこの部署もみなさん、優しくていい人ばかりだったな。
だからこそ、どこの部署にも決められないまま体験が終わってしまった。
「決められませんでした」
申し訳ないけど、理結さんにそう言うと、
「あ?別にいいけど?白夜に色々体験してもらったのは、各部署への挨拶みたいなもんだからな」
はっ?
「えーと?どういうことでしょう?」
「たとえばだけどな、護衛隊はよく他の部署の人と揉めたりするんだよ」
え?みなさん良い人でしたけど?
「そういう時になんで揉めたのか両方の意見を聞いてもらいたいんだよ。
揉めて怒ってたりすると、何を聞いてもまともな回答が返ってこないんだよ」
そんなことある?
「俺に出来ますか?」
「むしろ白夜にしか出来ないんじゃないか?」
俺にしか出来ないことなんてないと思うけど。
でも、理結さんがそう言うなら、やってみよう。
「わかりました。やってみます」
「よし!なら普段は虎牙と仕事しててくれ」
部署が決定して、俺の職場体験は終了した。
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トーヤのテンションがあがります(笑)
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